老老介護とは|厚労省データで見る割合63.5%と共倒れを防ぐ対策を解説

この記事の内容を音声つきの動画で聞き流せます(約2分)

目次

老老介護とは、65歳以上の高齢者が、配偶者や親など同じく65歳以上の高齢者を介護している状態を指します。厚生労働省の2022(令和4)年国民生活基礎調査によると、同居している主な介護者・要介護者がともに65歳以上である割合は63.5%に達し、2001年以降で最も高い水準となりました。本記事では厚労省の統計にもとづき、老老介護の割合の推移と増加の背景、共倒れや高齢者虐待につながりやすいリスク、地域包括支援センターや介護保険サービス・自治体独自の制度など早めに使える支援策を解説します。

老老介護とは

「老老介護」という言葉は、介護をする人(介護者)と介護を受ける人(要介護者)の双方が高齢者であるという状態を表す言葉として広く使われています。ただし、この言葉には法律上の定義があるわけではなく、厚生労働省の統計調査における年齢の組み合わせの集計区分を指すものとして用いられている点をまず押さえておく必要があります。

厚労省調査における老老介護の集計区分

厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」は、同居している主な介護者と要介護者の年齢の組み合わせを集計し、双方が65歳以上である割合、60歳以上同士である割合、75歳以上同士である割合をそれぞれ示しています。この集計結果を指して「老老介護」と呼ぶのが一般的な用法です。つまり「老老介護」とは、特定の制度やサービスの名称ではなく、要介護者と介護者の年齢構成を表す統計上の切り口であるという理解が実態に近いといえます。本記事でもこの用法にならい、厚労省調査における「65歳以上同士」「75歳以上同士」等の集計区分を「老老介護」として扱います。

認認介護との違いと公的統計の有無

老老介護と似た言葉に「認認介護」がありますが、厚生労働省や内閣府などの公的機関が公表している一次資料の範囲では、「認認介護」という言葉についての明確な定義や、その割合・件数を示す公的統計は確認できませんでした。

一般には、介護する側・される側の双方が認知症の症状を持つ状態を指す言葉として使われることが多いようです。介護が必要となった主な原因の1位が認知症であること(後述)や、老老介護の割合が上昇していることを踏まえると、介護者・要介護者の双方に認知機能の低下がみられるケースは相応にあると推測されますが、その実態を示す信頼できる公的データが無い以上、本記事では具体的な割合等の数値には触れません。認知症の症状がある家族を高齢の家族が介護している場合は、通常の老老介護よりも見守りや意思疎通の面で負担が大きくなりやすいため、後述する地域包括支援センター等の窓口に早めに相談することが重要です。

老老介護の割合はどれくらいか

老老介護の割合は、厚生労働省の国民生活基礎調査によって経年で把握できます。ここでは65歳以上同士・75歳以上同士それぞれの推移と、要介護者のいる世帯構造の変化を確認します。

65歳以上同士は63.5%、20年で上昇

在宅で要介護者等と同居している主な介護者のうち、要介護者・介護者ともに65歳以上である割合は63.5%です。厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」によると、この割合は調査年ごとに次のように推移しています。

40.6%2001年41.1%2004年47.6%2007年45.9%2010年51.2%2013年54.7%2016年59.7%2019年63.5%2022年65歳以上同士の割合(%)

老老介護(65歳以上同士)の割合は、2001年の40.6%から2022年の63.5%まで、調査年を追うごとにほぼ一貫して上昇しています。出典:厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」Ⅳ介護の状況

2001(平成13)年の40.6%から2022(令和4)年の63.5%まで、20年余りでおよそ23ポイント上昇しました。単純に増減を繰り返しているのではなく、調査年を追うごとにほぼ一貫して上昇を続けている点が特徴です。なお、年齢の下限を60歳以上まで広げるとこの割合はさらに高くなり、同じ2022年の調査では60歳以上同士の組み合わせが77.1%に達しています。

75歳以上同士は35.7%

より高齢の組み合わせである75歳以上同士の割合も2022年時点で35.7%となっており、介護者・要介護者ともに後期高齢者であるケースが3組に1組を超える水準まで増えています。75歳以上になると、介護者自身にも通院や体力の低下といった課題が生じやすくなるため、65歳以上同士の老老介護よりもさらに負担が重なりやすい組み合わせといえます。

要介護者等のいる世帯構造の変化

老老介護の増加の背景には、要介護者がいる世帯の構造そのものの変化があります。厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」の統計表によると、要介護者等のいる世帯構造の割合は次のように変化しています。

世帯構造2001(平成13)年2022(令和4)年
単独世帯15.7%30.7%
三世代世帯32.5%10.9%
  • 65歳以上の人がいる世帯:27,474千世帯(全世帯の50.6%)
  • うち高齢者のみで構成される「高齢者世帯」:16,931千世帯(全世帯の31.2%)

単独世帯(要介護者が一人暮らしをしている世帯)の割合は約2倍に増え、複数世代が同居する三世代世帯は3分の1程度まで減少しました。子ども世代と同居せず、高齢の夫婦や高齢者一人で生活する世帯が主流になったことが、必然的に「高齢者が高齢者を介護する」状況を増やしている背景といえます。

老老介護が増えている背景

老老介護がここまで増えてきた背景には、日本全体の高齢化の進行と、世帯構造の変化という2つの大きな要因があります。

高齢化率29.3%と将来推計

内閣府「令和7年版高齢社会白書」によると、令和6(2024)年10月1日現在の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は29.3%です。また、75歳以上の人口は2,078万人で、総人口の16.8%を占めています。高齢化率は今後も上昇が見込まれており、同白書の将来推計では、令和52(2070)年には高齢化率が38.7%に達するとされています。高齢者の人数そのものが増え続ける以上、介護をする側にも高齢者が含まれる割合が増えていくことは、構造的に避けにくい流れといえます。

単独世帯・核家族化の進行

前の章で見たとおり、要介護者等のいる世帯のうち単独世帯の割合は2001年の15.7%から2022年には30.7%へと倍増し、複数世代が同居する三世代世帯は32.5%から10.9%へと大きく減少しました。子ども世代との同居が当たり前ではなくなり、高齢の夫婦のみ、あるいは高齢者が一人で暮らす世帯が増えたことで、いざ介護が必要になったときに身近にいる家族が同じく高齢者であるケースが増えています。核家族化・単独世帯化という世帯構造の変化と、高齢化率の上昇という人口構成の変化が重なり合って、老老介護の割合を押し上げていると考えられます。

老老介護になりやすい家庭の特徴

誰が主な介護者になりやすいのか、厚生労働省の調査から確認します。

主な介護者の続柄は配偶者・子が中心

要介護者等と同居している主な介護者の続柄をみると、配偶者が最も多くを占めています。厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」によると、内訳は次のとおりです。

  • 配偶者:22.9%
  • 子:16.2%
  • 子の配偶者:5.4%

同居している主な介護者は合計で45.9%を占めます。配偶者が主な介護者になるケースが多いということは、介護者自身も要介護者と同世代、つまり高齢である場合が多いことを意味し、老老介護になりやすい家庭の典型的なパターンといえます。

介護者は女性が約7割

主な介護者の性別を見ると、女性が68.9%、男性が31.1%と、依然として女性が多くを占めています。老老介護では配偶者が主な介護者になりやすい傾向があり、高齢の妻が高齢の夫を介護するという組み合わせが多いことも、この性別比と関係していると考えられます。また、介護が必要となった主な原因は次のとおりです。

  1. 認知症:23.6%
  2. 脳血管疾患(脳卒中):19.0%
  3. 骨折・転倒:13.0%

認知症や脳血管疾患は加齢とともに発症率が高まる病気であり、高齢の配偶者や高齢になった子どもがこうした病気の介護を担う場面が増えていることも、老老介護の広がりと関係しています。

老老介護のリスクと課題

老老介護には、いくつかの見過ごせないリスクがあります。

共倒れのリスク

老老介護でまず懸念されるのが、介護をする側の高齢者自身も体力や健康に不安を抱えているケースが多いことです。介護者本人にも持病があったり、加齢による体力の低下があったりする中で、入浴介助や移動介助など身体的な負担の大きい介護を続けることは容易ではありません。介護者が体調を崩したり、けがをしたりして自分自身も要介護状態になってしまうと、介護を受けていた人も含めて世帯全体で生活が立ち行かなくなる、いわゆる「共倒れ」の状態に陥るおそれがあります。共倒れを防ぐには、介護者一人で抱え込まず、後述するショートステイをあらかじめ予約しておく、デイサービスの利用日を増やすといった形で、介護保険サービスを積極的に活用することが有効です。

高齢者虐待の発生要因との関連

厚生労働省老健局「令和5年度高齢者虐待防止法に基づく対応状況等調査結果」によると、令和5年度の養護者(家族等)による高齢者虐待の状況は次のとおりです。

  • 相談・通報件数:40,386件(11年連続で過去最多を更新)
  • 虐待判断件数:17,100件
  • 虐待種別(複数回答):身体的虐待65.1%、心理的虐待38.3%、介護等放棄19.4%

残念ながら、虐待等による死亡事例も27件報告されています。

高齢者虐待の発生要因(複数回答・上位3項目)被虐待者の認知症様の症状56.6%虐待者の介護疲れ・ストレス54.5%虐待者の介護力の理解不足や低下47.7%

養護者(家族等)による高齢者虐待の発生要因(複数回答)の上位3項目です。出典:厚生労働省老健局「令和5年度高齢者虐待防止法に基づく対応状況等調査結果」

虐待の発生要因(複数回答)を見ると、「被虐待者の認知症様の症状」が56.6%と最も多く、次いで「虐待者の介護疲れ・ストレス」が54.5%、「虐待者の介護力の理解不足や低下」が47.7%となっています。介護疲れ・ストレスが上位に挙がっていることから、介護者側の負担の蓄積が虐待のリスクを高める一因になっていることがうかがえます。なお、主な虐待者の続柄は、息子が38.7%と最も多く、次いで夫が22.8%、娘が18.9%です。老老介護の組み合わせでは、配偶者である夫や、同居する子が主な介護者になりやすいことを踏まえると、これらの続柄が虐待者の上位に挙がっていることとも整合的です。老老介護そのものが虐待の直接の原因というわけではありませんが、介護疲れやストレスの蓄積が虐待のリスクを高める要因の一つである以上、介護者の負担を早期に軽減する取り組みが重要になります。

社会的孤立

老老介護の世帯は、単独世帯や高齢者のみの世帯であることが多く、周囲との交流が減りやすい傾向があります。介護に時間や気力を割かれるうちに、介護者自身が友人や地域とのつながりを持つ機会を失い、社会的に孤立してしまうことも少なくありません。孤立が進むと、困りごとを誰にも相談できないまま状況が悪化し、共倒れや虐待のリスクをさらに高める悪循環につながりかねません。介護保険サービスの利用を通じて、外部とのつながりを保っておくことが大切です。

老老介護で使える在宅サービス

老老介護の負担を軽減するために活用できる、代表的な在宅サービスを紹介します。利用にあたっては、まず市区町村の窓口に申請し、介護の必要度を判定してもらう「要介護認定」を受ける必要があります。認定後は、介護保険サービスの利用計画を作成する専門職「ケアマネジャー」に相談し、サービスの種類や利用回数をまとめた計画書「ケアプラン」を作成します。

訪問介護・デイサービスの活用

訪問介護(ホームヘルプサービス)は、ホームヘルパーが自宅を訪問し、身体介護(入浴・排せつ・食事等の介助)や生活援助(掃除・洗濯・調理等)を行う介護保険サービスです。デイサービス(通所介護)は、日帰りで施設に通い、食事や入浴、機能訓練、レクリエーションなどを受けられるサービスです。いずれも、介護者が日中に休息を取ったり、通院や買い物などの用事を済ませたりする時間を確保する手段として活用できます。老老介護の世帯では、介護者自身の通院の予定に合わせてデイサービスの利用日を調整するといった工夫も有効です。

ショートステイでレスパイト

ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)は、要介護者が施設に数日間宿泊し、介護を受けられるサービスです。介護者が体調を崩したときや、冠婚葬祭・出張などでまとまった時間介護ができないとき、あるいは介護から離れて休息を取りたいとき(レスパイトケア)に活用できます。老老介護の世帯では、介護者自身が入院や通院で家を空ける必要が生じることもあるため、あらかじめショートステイを利用できる施設を確認しておくと安心です。制度の詳しい仕組みや利用できる日数の目安については、ショートステイ(短期入所生活介護)とはを解説した記事で説明しています。

介護保険外サービス(横出しサービス)

介護保険が適用されるサービスだけでは対応しきれない生活上のニーズ(庭の手入れ、ペットの世話、大掃除、外出の付き添いなど)については、介護保険サービスに含まれない「介護保険外サービス」を組み合わせて利用することもできます。厚生労働省は「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて」で、保険給付の対象となるサービスと、実費で利用する保険外サービスを組み合わせて提供する際の考え方を示しています。保険外サービスは提供事業者や地域によって内容・料金が異なるため、利用を検討する場合は、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、地域でどのようなサービスが利用できるか確認するとよいでしょう。

相談窓口を早めに使う

老老介護による共倒れや虐待のリスクを避けるためには、負担が深刻化する前に、公的な相談窓口を利用することが重要です。

地域包括支援センターの役割(全国5,487か所)

地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談窓口で、介護・医療・福祉に関する相談を無料で受け付けています。厚生労働省によると、令和7年4月末現在、地域包括支援センターは支所を除く本体だけで全国5,487か所(支所を含めると7,374か所)設置されています。要介護認定の申請方法や利用できるサービスの案内はもちろん、老老介護に伴う介護者の心身の負担や、虐待が疑われる状況についての相談にも対応しています。地域包括支援センターの具体的な業務内容や探し方については、地域包括支援センターとはを解説した記事で詳しく解説しています。

自治体の高齢福祉担当課

市区町村の高齢福祉担当課(高齢者福祉課、介護保険課などの名称は自治体により異なります)でも、介護保険の申請手続きや、後述する自治体独自の支援制度についての相談を受け付けています。地域包括支援センターと役割が重なる部分もありますが、自治体独自の制度の詳細や、生活保護・成年後見制度など介護保険以外の制度との連携が必要な場合は、自治体の窓口に直接問い合わせることでより具体的な案内を受けられることがあります。どちらに相談すればよいか迷う場合は、まず地域包括支援センターに連絡すれば、必要に応じて適切な窓口を案内してもらえます。

自治体独自の支援制度

介護保険サービスに加えて、多くの自治体では独自の家族介護支援制度を設けています。代表的なものが「家族介護慰労金」です。

家族介護慰労金制度の仕組み

家族介護慰労金は、介護保険法にもとづく地域支援事業のうち、市町村が任意で実施する「任意事業」(家族介護支援事業)の一つとして位置づけられています。厚生労働省「地域支援事業の実施について」に、その枠組みが示されています。制度の趣旨は、介護保険サービスをほとんど利用せずに、家族が長期間にわたって在宅で介護をしている世帯に対し、慰労を目的とした金銭を支給するというものです。ただし、すべての市区町村が実施しているわけではなく、実施の有無や支給要件・金額は自治体によって異なります。

自治体で異なる支給要件

家族介護慰労金の支給要件は、自治体ごとに定められています。例えば、東京都世田谷区とあきる野市の「家族介護慰労金」を比較すると、対象となる要介護度や介護保険サービス利用の制限などに違いがあることが分かります。

項目世田谷区あきる野市
対象要介護度要介護2(認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上。日常生活で見守りや手助けが必要な程度の認知症状がある状態を示す行政指標)または要介護3以上要介護4・5
介護保険サービス利用の制限1年間、年10日以内のショートステイ等を除き利用していないこと1年間、年1週間程度のショートステイ等を除き利用していないこと
所得要件世帯全員が住民税非課税世帯全員が前年度住民税非課税
支給額年額10万円年額10万円

同じ「家族介護慰労金」という名称の制度でも、対象となる要介護度(世田谷区は要介護2〜、あきる野市は要介護4・5〜)や、除外されるサービス利用日数などに違いがあることが分かります。お住まいの自治体で家族介護慰労金が実施されているか、どのような要件が定められているかは、必ず居住自治体の高齢福祉担当課に確認してください。

仕事と老老介護の両立

老老介護をしている介護者自身が、まだ仕事を続けているケースもあります。仕事と介護を両立するために利用できる代表的な制度を紹介します。

介護休業

介護休業は、労働者が要介護状態にある対象家族(配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫)を介護するために取得できる休業制度です。厚生労働省「介護休業制度」特設サイトによると、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得することができます。まとまった休業を1度に取るのではなく、施設探しや在宅介護の体制づくりなど、必要なタイミングに合わせて分割して利用できる点が特徴です。休業中の収入については、一定の要件を満たせば雇用保険から介護休業給付金が支給されます。休業中の収入は介護休業給付金で補える場合がありますので、制度の詳しい支給要件や給付率については介護休業給付金とはを解説した記事もあわせてご確認ください。

介護休暇

介護休暇は、通院の付き添いや介護サービスの手続きなど、日常的な介護のために短期間取得できる休暇制度です。厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」によると、対象家族が1人の場合は年5労働日、2人以上の場合は年10労働日まで取得でき、1日単位だけでなく時間単位での取得も可能です。また、令和7年4月1日からは、雇用されてから6か月未満の労働者を労使協定によって介護休暇の対象外にできるという除外規定が撤廃され、入社間もない労働者でも介護休暇を取得しやすくなりました。老老介護で介護者自身の通院と要介護者の通院が重なるようなときにも、介護休業と介護休暇を組み合わせて対応できる場合があります。

まとめ

老老介護について、ここまでの内容を整理します。

  • 老老介護とは、65歳以上の高齢者同士が介護し合う状態を指す言葉で、厚生労働省の統計における年齢の組み合わせの集計区分にもとづく。65歳以上同士の割合は2022年時点で63.5%に達し、20年余りでほぼ一貫して上昇している
  • 類似の言葉である「認認介護」については、公的機関の一次資料に明確な定義・統計が確認できず、本記事では具体的な数値には触れていない
  • 老老介護が増えている背景には、高齢化率29.3%という人口構成の変化と、単独世帯・核家族化の進行という世帯構造の変化がある
  • 老老介護には、介護者自身が体調を崩す「共倒れ」や、介護疲れ・ストレスに起因する高齢者虐待、社会的孤立といったリスクがある
  • 共倒れを防ぐには、訪問介護・デイサービス・ショートステイなどの在宅サービス、地域包括支援センターや自治体窓口への早めの相談、自治体独自の家族介護慰労金、介護休業・介護休暇といった仕事との両立制度を組み合わせて活用することが重要
  • まず迷ったら、地域包括支援センター(全国5,487か所)に電話で相談することから始めるとよいでしょう

介護保険制度や各種支援制度の内容は、法改正や自治体の判断によって変わることがあります。本記事の情報は執筆時点の公的資料にもとづくものであり、実際に制度を利用する際は、最新の要件や金額を厚生労働省の公表資料や、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。このサイトは特定の施設や事業者を評価・推奨するものではなく、公的資料にもとづく中立的な情報提供に努めています。運営方針の詳細はこのサイトの立ち位置をご覧ください。

よくある質問

老老介護とは何ですか?

65歳以上の高齢者同士が介護し合う状態を指す言葉です。厚生労働省の国民生活基礎調査では、同居している主な介護者・要介護者がともに65歳以上である割合を集計しており、2022年時点で63.5%に達しています。

老老介護と認認介護の違いは何ですか?

老老介護は65歳以上の高齢者同士が介護し合う状態を指す言葉で、厚生労働省の統計上の年齢区分にもとづきます。一方、認認介護は一般に介護する側・される側の双方に認知症の症状がある状態を指す言葉ですが、公的機関の一次資料に明確な定義や統計は確認できていません。

老老介護の割合はどれくらいですか?

厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」によると、主な介護者・要介護者ともに65歳以上である割合は63.5%です。2001年の40.6%から20年余りでほぼ一貫して上昇しています。75歳以上同士の割合は35.7%です。

老老介護で共倒れを防ぐにはどうすればいいですか?

訪問介護・デイサービス・ショートステイなどの介護保険サービスを組み合わせて介護者の負担を軽減することが基本です。また、地域包括支援センターや自治体の高齢福祉担当課に早めに相談し、利用できる制度やサービスの案内を受けることも共倒れを防ぐうえで重要です。

家族介護慰労金はどの自治体でも同じ条件でもらえますか?

いいえ、同じではありません。家族介護慰労金は市町村が任意で実施する制度で、対象となる要介護度や支給金額、介護保険サービスの利用制限などの要件は自治体によって異なります。詳しい要件は居住自治体の高齢福祉担当課に確認する必要があります。

老老介護をしながら仕事を続けるための制度はありますか?

介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割取得可)と、介護休暇(対象家族1人は年5労働日、2人以上は年10労働日)があります。いずれも厚生労働省の育児・介護休業法にもとづく制度で、通院の付き添いなど日常的な介護にも利用できます。

参考・出典

  1. 2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況 Ⅳ介護の状況 (厚生労働省)
  2. 2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況 統計表 (厚生労働省)
  3. 令和7年版高齢社会白書 第1章 (内閣府)
  4. 令和5年度高齢者虐待防止法に基づく対応状況等調査結果 (厚生労働省老健局)
  5. 地域包括ケアシステム (厚生労働省)
  6. 介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて (厚生労働省)
  7. 地域支援事業の実施について (厚生労働省)
  8. 家族介護慰労金の支給 (世田谷区)
  9. 家族介護慰労金支給事業 (あきる野市)
  10. 介護休業制度 (厚生労働省)
  11. 育児・介護休業法のあらまし (厚生労働省)