「特養は申し込んでも何年も入れないと聞いた」「でも有料老人ホームは費用が高そうで不安」——親や家族の施設探しを始めると、多くの人がこの2つの選択肢の違いで迷います。特別養護老人ホームと有料老人ホームは、入所条件・費用・運営主体・入所までの期間が大きく異なります。特別養護老人ホームは原則要介護3以上が対象で費用を抑えやすい一方、入所までの待機が生じやすい公的な施設です。有料老人ホームは介護度を問わず入居しやすい民間の施設で、費用の幅が大きい点が特徴です。この記事では、両者の違いを厚生労働省・自治体等の公的データにもとづいて比較し、選ぶ際の判断基準を解説します。
特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いとは(結論から)
まず全体像として、両者の違いを一言でまとめると「誰が運営し、誰が優先的に入れるか」が根本的に異なる施設だという点です。特別養護老人ホームは老人福祉法・介護保険法にもとづく公的性格の強い施設で、有料老人ホームは民間事業者が運営する届出制の施設です。この違いが、入所条件・費用・待機期間などあらゆる面の違いにつながっています。
制度上の位置づけの違い
特別養護老人ホームは、老人福祉法第20条の5で「入所させ、養護することを目的とする施設」と定義され、介護保険法上は「介護老人福祉施設」として指定を受けた施設を指します。設置できるのは、老人福祉法第15条の規定にもとづき、地方公共団体(市町村等)または都道府県知事の認可を受けた社会福祉法人に限られています。一方、有料老人ホームは老人福祉法第29条にもとづく届出制の施設で、老人福祉法上「老人福祉施設」には分類されません。設置しようとする者は、事業を始める前に都道府県知事へ届け出る義務がありますが、設置主体そのものに法律上の制限はなく、株式会社などの営利法人でも設置できます。
早見表:5つの視点で見る違い
以下の章で詳しく解説する内容を、先に5つの視点で一覧にまとめました。気になる項目から読み進めてください。
| 視点 | 特別養護老人ホーム | 有料老人ホーム |
|---|---|---|
| 入所条件 | 原則要介護3以上 | 介護度を問わない施設が多い |
| 運営主体 | 社会福祉法人・地方公共団体が中心 | 営利法人(会社)が中心 |
| 費用 | 月額5万円台〜15万円程度、初期費用は原則不要 | 入居一時金+月額15万円〜35万円程度が目安 |
| 入所までの期間 | 申込者数が多く時間がかかる場合がある | 比較的短期間で入居できる場合が多い |
| 類型 | 区分なし | 介護付き・住宅型・健康型の3類型 |
入所・入居条件の違い
両者の最も大きな違いが、入所・入居できる要介護度の条件です。
特養は原則要介護3以上
特別養護老人ホームは、平成27年4月の介護保険法改正により、新規入所の対象が原則として要介護3以上の方に限定されています。厚生労働省の解説によれば、要支援1・2の方はそもそも利用できず、要介護1・2の方も「やむを得ない事由により居宅において日常生活を営むことが困難」と市町村が認めた場合に限り、特例的に入所が認められる仕組みです。特例入所が想定されるケースとしては、認知症で日常生活に支障をきたす症状が頻繁に見られる場合や、知的障害・精神障害等を伴い同様の症状が見られる場合などが挙げられています。こうした要介護度の考え方は、要介護認定の仕組みとあわせて理解しておくと申し込みの判断がしやすくなります。
有料老人ホームは介護度を問わない施設が多い
有料老人ホームには、特養のような全国一律の要介護度の入居条件はありません。独立行政法人福祉医療機構(WAM NET)の解説によると、有料老人ホームは高齢者を入居させ、入浴・排せつ・食事の介護や食事の提供、家事・健康管理などの便宜を提供する施設で、対象者は「高齢者」全般とされています。自立した状態の方から要介護5の重度の方まで、施設のタイプや個々の施設の受け入れ方針によって、幅広い入居条件が設定されているのが実情です。ただし施設ごとに「入居時は自立〜要介護2まで」「看取りまで対応可能」など独自の受け入れ基準を定めている場合があるため、要介護度に関する条件は各施設のパンフレットや重要事項説明書で個別に確認する必要があります。
要介護1・2でも入れる特例入所の考え方
特養に要介護1・2で入所する特例入所は、あくまで例外的な扱いです。厚生労働省が示す「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針」では、施設が特例入所の必要性を検討する際に、家族等による虐待が疑われる場合や、認知症により日常生活に支障がある場合、単身世帯や同居家族が高齢・病弱である場合など、複数の要素を総合的に勘案し、あらかじめ市町村の意見を聴いたうえで判断することとされています。要介護1・2の段階で施設入所を急ぎたい場合は、特養の特例入所に該当するかどうかを地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談しつつ、並行して有料老人ホームなど他の選択肢も検討しておくと選択の幅が広がります。
特養の詳しい入所条件は特別養護老人ホームの記事、有料老人ホームの費用の内訳は有料老人ホームの記事で詳しく説明しています。有料老人ホームはこの月額費用に加えて、多くの施設で数十万円〜数百万円程度の入居一時金(前払金)が必要になります。特養にはこの入居一時金の仕組みはありません。
費用の違い(初期費用・月額費用)
費用は入所・入居先を選ぶうえで最も気になる項目の一つです。両者は費用の構成そのものが異なります。
特養の費用の目安と負担限度額認定証
特養にかかる費用は、施設サービス費(介護保険の自己負担1〜3割)・居住費・食費の合計で構成され、月額の目安はおおむね5万円台〜15万円程度です。厚生労働省の介護サービス情報公表システムによると、要介護3の方の施設サービス費(1割負担)は、従来型個室・多床室で1日732円程度、ユニット型個室で1日815円程度が目安とされています(金額はサービス提供体制や加算の有無により変動します)。これに加え、住民税非課税世帯等の所得・資産要件を満たす方は「介護保険負担限度額認定証」の交付を受けることで、居住費・食費の自己負担額が段階に応じて軽減されます。この負担限度額認定証の対象になるかどうかは、市区町村の介護保険担当窓口で確認できます。特養には民間施設のような入居一時金は不要で、初期費用がかからない点も大きな特徴です。
有料老人ホームの費用の目安(入居一時金・月額利用料)
有料老人ホームの費用は、施設によって非常に幅が大きいのが特徴です。多くの施設で入居時に「入居一時金」(前払金)を一括で支払う仕組みがあり、月額利用料は家賃相当額・管理費・食費・介護サービス費(自己負担分)等で構成されます。老人福祉法第29条第9項にもとづき、前払金を受領する事業者はその算定根拠を書面で明示し、返還債務に備えた保全措置を講じることが義務付けられています。厚生労働省の「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」では、前払金の算定にあたって、入居者の平均的な余命等を勘案した「想定居住期間」を設定し、月額費用に想定居住期間の月数を乗じる方法を基本とすることが示されています。入居一時金は0円の施設から数百万円規模の施設まで幅があり、月額利用料もおおむね15万円〜35万円程度、施設のグレードによってはさらに高額になる場合もあります。
費用面での違いをまとめると
| 項目 | 特別養護老人ホーム | 有料老人ホーム(介護付き) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 原則不要 | 入居一時金0円〜数百万円程度(施設による) |
| 月額費用の目安 | 5万円台〜15万円程度 | 15万円〜35万円程度 |
| 費用軽減制度 | 介護保険負担限度額認定証で食費・居住費を軽減 | 高額介護サービス費など介護サービス費部分のみ軽減対象 |
上記の月額費用の目安は、施設の所在地・居室タイプ・要介護度・提供されるサービス内容によって変動します。具体的な金額は、検討している施設に直接確認することをおすすめします。実際の自己負担額は、所得に応じた1〜3割の負担割合によっても変わります。
運営主体の違い
誰が施設を運営しているかという運営主体の違いは、費用や入所条件の違いの背景にある根本的な要素です。
特養は社会福祉法人・地方公共団体が中心
厚生労働省の「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査」によると、介護老人福祉施設(特養)の開設主体別の構成割合は、「社会福祉法人(社会福祉協議会以外)」が95.7%と圧倒的多数を占め、市区町村が2.5%、広域連合・一部事務組合等が1.0%などとなっています。同調査時点で、全国の介護老人福祉施設は8,621施設(定員604,469人)、定員29人以下の地域密着型介護老人福祉施設は2,551施設にのぼります。社会福祉法人は、社会福祉法にもとづき福祉事業を行うことを目的として設立される非営利の法人で、剰余金を出資者に分配できないなど、公益性を重視した規律のもとで運営されている点が特徴です。こうした非営利・公的な運営基盤が、前章で見た費用の抑えやすさにもつながっています。
有料老人ホームは営利法人が中心
同じ令和6年調査によると、有料老人ホーム等が中心となる「特定施設入居者生活介護」の経営主体は、「営利法人(会社)」が69.6%と最も多く、次いで「社会福祉法人」が21.1%、「医療法人」が6.8%となっています。特養とは対照的に、株式会社などの営利法人が主な担い手になっていることが分かります。有料老人ホームの設置に法律上の主体制限がないことが、民間企業の参入と施設数の増加を後押ししてきた背景にあります。この運営主体の違いは、前章で見た費用の差や、施設ごとのサービス内容・設備の幅の広さにもつながっています。
出典:厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」。特養は社会福祉法人が運営の中心である一方、有料老人ホーム等(特定施設入居者生活介護)は営利法人が過半数を占めており、運営主体の性格が大きく異なることが分かります。
入所・入居までの期間の違い
「今すぐ入れるかどうか」も、両者を比較するうえで重要な違いです。
特養の入所申込者数(待機者)の現状
厚生労働省が2025年12月に公表した「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)」によると、2025年4月1日時点の入所申込者数は次のとおりです。
| 区分 | 今回調査(令和7年度) | 前回調査(令和4年度) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 要介護3以上・全体 | 20.6万人 | 25.3万人 | ▲4.7万人(▲18.4%) |
| 要介護3以上・うち在宅 | 8.6万人 | 10.6万人 | ▲2.0万人(▲18.5%) |
| 要介護1・2(特例入所対象) | 1.8万人 | 2.2万人 | ▲0.4万人(▲17.9%) |
要介護度別の内訳(要介護1〜5の申込者全体22.5万人)で見ると、要介護3の方が8.7万人と最も多く、全体の38.7%を占めています。申込者数は近年減少傾向にあるものの、依然として一定数の方が入所までの期間を要する状況にあります。なお、この人数には長期間名簿に登録されたままの方も含まれており、申込者全員が現に入所を急いでいるとは限らない点に留意が必要である、と同調査は付記しています。
有料老人ホームは比較的短期間で入居しやすい
有料老人ホームには特養のような全国的な待機の仕組みはなく、空室があり、施設の受け入れ条件に合致し、費用を用意できれば、比較的短期間で入居できる場合が多いとされています。ただし、人気のある施設や好条件の居室は順番待ちが生じることもあるため、入居を急ぐ場合は複数の施設に早めに相談しておくことが有効です。「特養の入所を申し込みつつ、入所までの期間は有料老人ホームで過ごす」という形で両者を組み合わせて検討する家族も少なくありません。
有料老人ホームの3類型(介護付き・住宅型・健康型)
有料老人ホームと一口に言っても、提供されるサービス内容によって3つの類型に分かれます。特養にはこうした類型の区分はありません。
介護付き有料老人ホーム
都道府県知事等から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームです。入浴・排せつ・食事等の介護や機能訓練などが、施設のスタッフによって一体的に提供されます。人員配置基準では、看護・介護職員の合計が要介護者3人に対して1人以上(3対1)を満たすことが求められており、要介護度が重くなっても、原則として同じ施設で介護を受け続けられる点が特徴です。
住宅型有料老人ホーム
生活支援サービス(食事・清掃等の家事、健康管理等)は提供するものの、特定施設入居者生活介護の指定は受けていない有料老人ホームです。介護が必要になった場合は、入居者自身またはケアマネジャーが、訪問介護やデイサービスなど外部の介護保険サービスを個別に契約して利用します。区分支給限度基準額の範囲内であれば1〜3割の自己負担で利用できますが、限度額を超えた分は全額自己負担になるため、要介護度が重くなった場合の費用増加に注意が必要です。
健康型有料老人ホーム
身の回りのことを自分でできる、自立した高齢者を対象とした有料老人ホームです。厚生労働省の資料によると、3類型の中で施設数の割合はごくわずかにとどまっています。介護が必要になった場合は、原則として退去し、他の施設や自宅に移る必要があるため、あくまで元気なうちの住まいという位置づけです。
退去・契約に関する違い
入所後に「継続して住み続けられるか」「途中でやめる場合にどうなるか」という点も、性質が異なります。
特養で退去を求められる場合
特養は、要介護3以上の方が長期にわたって生活する施設として設計されており、要介護度が重くなったことを理由に退去を求められることは基本的にありません。一方で、長期の入院が必要になった場合や、症状によって医療機関での対応が優先される場合など、施設側の体制で対応が難しい状態になったときは、退去や転院についての相談が行われることがあります。
有料老人ホームの前払金と短期解約特例制度
有料老人ホームで入居一時金(前払金)を支払った場合、老人福祉法第29条第10項と同法施行規則第21条にもとづき、入居後3か月が経過するまでの間に契約を解除した場合、または入居者が死亡した場合は、前払金の一部が返還されます。この仕組みは「短期解約特例制度」と呼ばれ、一般に「90日ルール」とも呼ばれます(法令上の規定は「3か月」です)。返還額は、前払金の額から、家賃等の月額を30で除した日割額に入居日からの経過日数を乗じた額を差し引いた残額とすることが、設置者に義務付けられています。3か月を過ぎてからの解約や退去では、施設ごとに定められた償却の仕組みにもとづき返還額が計算されるため、契約前に重要事項説明書で償却期間や返還ルールを確認しておくことが大切です。
医師・看護職員の配置基準の違い
医療的なケアがどの程度必要になりそうかを考えるうえでは、施設ごとの人員配置基準も参考になります。
特養の医師・看護職員配置基準
「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第39号)によると、特養には入所者の健康管理・療養上の指導を行うために必要な数の医師を配置することが定められていますが、常勤である必要はなく、非常勤の嘱託医による対応が一般的です。看護職員(看護師・准看護師)は、次のとおり施設の規模(入所者数)に応じて段階的に配置基準が定められています(数値は「常勤換算」=パート職員等の勤務時間をあわせて常勤スタッフ何人分に相当するかに換算した人数です)。
- 入所者30人以下:常勤換算1人以上
- 入所者30人超50人以下:常勤換算2人以上
- 入所者50人超130人以下:常勤換算3人以上
- 入所者130人超:常勤換算3人に、130人を超えて50人ごとに1人を加えた数以上
また介護職員と看護職員の合計数は、常勤換算で入所者3人に対し1人以上(3対1)とする基準が設けられています。
介護付き有料老人ホームの看護職員配置基準
介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設)でも、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)にもとづき、看護職員の配置基準が施設の規模に応じて段階的に定められています。利用者30人以下の施設では常勤換算1人以上、30人を超える施設では、30人を超えて50人(またはその端数)を増すごとに1人を加えた数以上が必要です。介護職員は特養と同じく、看護職員とあわせて利用者3人に対し1人以上(3対1)とする基準です。一方、住宅型・健康型有料老人ホームには、こうした看護・介護職員に関する法令上の人員基準そのものがありません。住宅型では、必要に応じて訪問看護など外部の医療系サービスを個別に契約して利用する形になるため、日常的な医療ニーズがどの程度あるかによって、介護付きが向いているか住宅型でも対応できるかが変わってきます。
どちらを選ぶかを考えるときの判断基準
ここまで見てきた違いを踏まえ、実際にどちらを検討すべきか迷ったときの考え方の軸を整理します。特定の施設を推奨する趣旨ではなく、あくまで比較検討のための視点として参考にしてください。
介護の必要度・緊急性で考える
本人の要介護度が3以上で、すぐにでも施設での介護が必要な状況であれば、特養への申し込みを検討する価値があります。ただし前述のとおり入所までに時間がかかる場合があるため、緊急性が高い場合は、有料老人ホームなど他の選択肢も並行して情報収集しておくと安心です。要介護1・2以下、または要支援の段階であれば、特養は原則の対象外となるため、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、介護度を問わない選択肢が中心になります。
予算で考える
月々の支払いをできるだけ抑えたい場合、また介護保険負担限度額認定証の対象になる可能性がある場合は、特養は有力な選択肢になります。まとまった初期費用を用意でき、より幅広い施設・サービス内容から選びたい場合は、有料老人ホームも検討対象に含めるとよいでしょう。いずれの場合も、公的な費用軽減制度(介護保険負担限度額認定証、高額介護サービス費など)が使えるかどうかを事前に確認しておくと、実際の負担額の見通しを立てやすくなります。
家族の関わり方・将来の変化で考える
要介護度が今後重くなる可能性を踏まえ、状態が変化しても同じ施設で暮らし続けられるかどうかも重要な視点です。介護付き有料老人ホームや特養は、原則として要介護度が上がっても継続して生活しやすい仕組みですが、住宅型有料老人ホームは外部サービスの利用量が増えることで費用負担が変わる可能性があります。面会のしやすさや自宅からの距離、家族が定期的に関わりたい頻度なども、あわせて検討材料になります。施設見学時のチェックポイントは老人ホームの選び方を解説した記事にまとめています。
まず何から始めればよいか
ここまでの内容を踏まえても判断がつかない場合は、一人で抱え込まず、まず地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談することをおすすめします。本人の要介護度や生活状況を伝えれば、特養の特例入所に該当する可能性があるか、地域にどのような有料老人ホームがあるかといった情報を、中立的な立場から確認できます。あわせて気になる施設には直接問い合わせ、見学や重要事項説明書の確認を進めていくとよいでしょう。
比較する際に注意しておきたい点
ここまで紹介した内容を実際の施設選びに生かす際に、押さえておきたい注意点を2つ挙げます。
自治体・施設ごとに運用が異なる
特養の入所指針(優先度の判断基準)は、都道府県・市町村ごとに具体的な運用が定められており、全国一律の点数制があるわけではありません。有料老人ホームの費用や受け入れ条件も施設ごとに大きく異なります。この記事で紹介した金額や条件はあくまで目安であり、実際に検討する際は、お住まいの自治体の窓口や、各施設への直接の確認が欠かせません。
介護保険制度は改定がある
介護報酬や負担限度額の基準額は、原則として3年に一度の介護保険制度改定のタイミングなどで見直されます。この記事に記載した金額・数値は記事作成時点の情報であり、将来的に変更される可能性があります。実際に手続きを行う際は、最新の情報を市区町村の窓口や厚生労働省の公表資料で確認してください。
まとめ
特別養護老人ホームと有料老人ホームは、同じ「高齢者が入所・入居する施設」でありながら、運営主体・入所条件・費用・入所までの期間のいずれも異なる、性質の違う選択肢です。どちらか一方が優れているというものではなく、本人の要介護度や緊急性、用意できる費用、家族の状況に応じて、適した方を検討することが大切です。
- 特養は原則要介護3以上が対象で、社会福祉法人・地方公共団体が運営する公的性格の強い施設。費用は月額5万円台〜15万円程度が目安で初期費用は不要
- 有料老人ホームは介護度を問わず入居しやすい民間施設。営利法人が運営の中心で、入居一時金と月額15万円〜35万円程度の月額費用がかかる場合が多い
- 2025年4月時点で特養の入所申込者(要介護3以上)は全国20.6万人。有料老人ホームには全国一律の待機の仕組みはなく、比較的短期間で入居できる場合が多い
- 有料老人ホームは「介護付き」「住宅型」「健康型」の3類型に分かれ、介護が必要になったときの対応の仕組みが異なる
- 有料老人ホームの入居一時金には、入居後3か月以内の解約なら返還を受けられる短期解約特例制度(90日ルール)がある
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