介護施設への入居や病院への入院の際、多くの施設・医療機関は本人以外に「身元保証人」の署名を求めます。しかし国の通知では、身元保証人等がいないことのみを理由に入所・入院を拒否することは適切ではないと明記されています。身寄りがない場合に使える成年後見制度や地域包括支援センターの相談窓口、民間の身元保証等高齢者サポート事業の費用相場やトラブル事例まで解説します。厚生労働省・総務省・消費者庁の公的資料にもとづいて整理しました。
介護施設の身元保証人とは何か
介護施設に入居する際、多くの施設は契約書とは別に「身元保証人」または「身元引受人」の署名を求めます。ただし、この呼び方や求められる役割は施設によってばらつきがあり、法律で統一的に定義された制度ではありません。まずは、身元保証人に実際に何が期待されているのか、医療行為への同意とは別物であることを整理します。
身元保証人に求められる役割
「身元保証人」と言われても、具体的に何を求められているのか分かりにくいという方は多いでしょう。総務省行政評価局が令和5年8月に公表した調査結果報告書は、身元保証等高齢者サポート事業の「身元保証サービス」に含まれる機能として、主に次の5つを挙げています。
- 医療施設への入院時・介護施設等への入所時の連帯保証
- 入院・入所や退院・退所時の手続の代理
- 死亡・退去時の身柄の引き取り
- 医療同意に関する支援
- 緊急連絡先の指定を受けることや緊急時の対応
介護施設が入居契約の際に求める「身元保証人」も、これらのうち特に連帯保証・緊急連絡先・退所時の対応といった機能を想定していることが多く、施設ごとに求める範囲は異なります。
身元引受人との違い
「身元保証人」と「身元引受人」は明確に使い分けられているわけではなく、施設によって同じ意味で使われることも、区別して使われることもあります。厚生労働省が示す「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」では、身元保証・身元引受けという言葉で一括りにされがちな内容を、次の6つの機能に分けて整理しています。
- 緊急連絡先
- 入院計画書に関する事項
- 入院中に必要な物品の準備
- 入院費等に関する事項
- 退院支援
- 死亡時の遺体・遺品の引き取りや葬儀等に関する事項
契約や説明を受ける際は、「身元保証人」「身元引受人」という言葉だけで判断せず、具体的にどの機能を誰が担うのかを確認することが重要です。
医療行為への同意権限はない
誤解されやすい点として、身元保証人や身元引受人になったからといって、本人に代わって医療行為に同意する法的な権限が生じるわけではありません。前述のガイドラインでは、身元保証人・身元引受人等の第三者に医療行為への同意権限はないという考え方が明示されています。医療同意は本来、患者本人の自己決定に基づくものであり、家族や身元保証人の署名は実務上の運用として求められているにすぎず、法的な同意権を意味するものではないという点を理解しておく必要があります。
この考え方は、介護施設における身元保証人にもそのまま当てはまります。施設側が求めているのは主に緊急連絡先の確保や費用の連帯保証、退所時の対応であり、医療・介護方針そのものの決定権を委ねる契約ではない、という前提を利用者側も理解しておくと、署名を求められた際の不安を減らすことができます。
身元保証人がいないと施設に入れないのか
身寄りがない、あるいは親族に頼れない事情がある場合、「身元保証人がいなければ施設に入れないのではないか」という不安は大きいものです。しかし、制度上のルールと施設の実際の運用には差があります。
特養の入所基準に身元保証人の規定はない
厚生労働省が示す「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」(老高発第1212001号、平成26年12月12日)では、特別養護老人ホームの入所判定基準は要介護3以上であることを原則とし、居宅における生活の困難性や介護者の状況などを総合的に勘案して優先度を判断するとされています。この指針には、身元保証人の有無を入所の条件とする規定は含まれていません。
「いないことのみを理由」の入所拒否は不適切
総務省行政評価局の報告書によると、「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第39号)第4条の2等においても、医療機関の入院と同様に、身元保証人等がいないことのみを理由として介護施設への入所を拒否してはならないとされています。医療の分野では、医師法第19条第1項が「正当な事由がなければ、診察治療の求めを拒んではならない」と定めており、厚生労働省は身元保証人等の不在のみを理由とした入院拒否はこの規定に抵触するおそれがあるとの見解を示しています。介護施設についても、これに準じた考え方が国から示されています。
それでも9割以上の施設が署名を求める実態
もっとも、ルールと実際の運用には開きがあります。平成29年度の厚生労働省の調査では、医療機関の6割以上が入院時に身元保証人等を求めていることが分かっています。また平成30年度の厚生労働省調査、および令和4年3月に総務省関東管区行政評価局が実施したアンケートでは、介護施設等の9割以上が入所時に本人以外の署名を求めているという結果が示されています。制度上は「いないことのみを理由に拒否してはならない」とされていても、実務上は多くの施設が契約手続の一環として身元保証人等の署名を求めているのが現状です。
国が示すガイドライン・通知
身元保証人をめぐる問題は以前から国レベルで課題として認識されており、複数の通知・ガイドラインが出されています。主なものを一覧にすると次のとおりです。
| 名称 | 発出日 | 発出元 | 要点 |
|---|---|---|---|
| 身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者への注意喚起等について(老高発第830001号・老振発第830002号) | 平成30年8月30日 | 厚生労働省老健局 | 介護保険施設等に対し、身元保証人等がいないことのみを理由とした入所拒否・退所要求を行わないよう指導監督を求める |
| 身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン | ―(本記事の出典資料に発出日の記載なし) | 厚生労働省 | 身元保証・身元引受で求められる機能を6つに整理し、医療同意権限は第三者にはないという考え方を明示 |
| 身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての建議 | 平成29年1月31日 | 内閣府消費者委員会 | 厚生労働省に対し、病院・介護保険施設が身元保証人等の不在のみを理由に入院・入所を拒まないよう必要な措置を求める |
厚労省通知(老高発第830001号)の内容
厚生労働省老健局は平成30年8月30日付で「老高発第830001号・老振発第830002号」という通知を発出しています。この通知では、市町村や地域包括支援センターに対して消費者行政部局との連携を促進すること、また介護保険施設に対しては、身元保証人等がいないことのみを理由とした入所拒否や退所要求を行わないよう指導監督を行うことが示されています。
あわせて医療分野でも、平成30年4月27日付の厚生労働省医政局医事課長通知(医政医発0427第2号)「身元保証人等がいないことのみを理由に医療機関において入院を拒否することについて」が発出されており、身元保証人等がいないことのみを理由とした入院拒否は、次の医師法の規定に抵触するおそれがあると明記されています。
診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。
医師法第19条第1項
身寄りがない人の入院・医療に関するガイドライン
厚生労働省は「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」を公表しています。このガイドラインは、身寄りがない、または家族等の支援を得られない人が入院や医療を必要とする場合に、医療機関や関係者がどのように対応すべきかを示したもので、身元保証・身元引受で求められてきた機能を6つに整理し、医療同意については第三者に権限がないという考え方を明確にしています。介護施設への入居を検討する場面でも、この整理は参考になります。
消費者委員会の建議
内閣府消費者委員会は平成29年1月31日、「身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての建議」を公表しました。この建議では、厚生労働省に対し、病院や介護保険施設が身元保証人等がいないことのみを理由に入院・入所を拒まないよう必要な措置を講じることを求めています。前述の平成30年の各種通知は、この建議を受けた対応の一つと位置づけられます。
身寄りがない場合に使える公的制度
身元保証人になれる親族がいない、または判断能力の低下により自分で手続を進めることが難しい場合には、公的な制度を活用できる場合があります。ただし、いずれも「身元保証人そのもの」を代替する制度ではない点に注意が必要です。まず全体像を一覧にすると次のとおりです。
| 制度名 | 実施主体 | 対象 | 身元保証人の代わりになるか |
|---|---|---|---|
| 成年後見制度(法定後見・任意後見) | 家庭裁判所(法定後見)/本人と任意後見受任者(任意後見) | 判断能力が不十分な人、または将来に備えたい人 | ならない(財産管理・契約代理が中心で、身元保証人とは法的に別の役割) |
| 日常生活自立支援事業 | 都道府県・指定都市の社会福祉協議会 | 判断能力が不十分だが契約内容を判断し得る人 | ならない(福祉サービス利用援助・金銭管理支援にとどまる) |
| 地域包括支援センター | 市町村(委託を含む) | 地域の高齢者全般 | ならない(相談窓口として制度・事業者につなぐ役割) |
成年後見制度(法定後見・任意後見)
法務省の説明によると、成年後見制度には、判断能力が既に不十分になった人を対象に家庭裁判所が後見人等を選任する「法定後見制度」と、判断能力が十分あるうちに、将来に備えて自分で後見人となる人と契約しておく「任意後見制度」の2種類があります。法定後見の申立てができるのは、本人・配偶者・四親等内の親族・市区町村長などです。成年後見人は財産管理や契約行為の代理を担いますが、身元保証人とは役割が異なります。総務省の報告書では、成年後見人が入院費等の債務を連帯保証し、その保証債務を履行した場合、被後見人本人への求償(後見人が立て替えた分を本人に請求すること)が利益相反にあたるおそれがあると指摘されています。つまり、成年後見人であることと身元保証人であることは法的に別の立場であり、成年後見人が自動的に身元保証人の役割を担えるわけではありません。
日常生活自立支援事業
日常生活自立支援事業は、社会福祉法第2条第3項第12号に基づき、都道府県・指定都市の社会福祉協議会が実施主体となっている事業です。認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な状態にあるものの、契約の内容を判断し得る能力がある人を対象に、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理などの支援を行います。ただし、この事業は身元保証や身柄の引き受けを行うものではなく、あくまで契約に関する支援や金銭管理の支援にとどまる点に注意が必要です。
地域包括支援センターへの相談
地域包括支援センターは、介護保険法第115条の46第1項に基づき、地域住民の総合相談支援などを担う機関です。前述の厚生労働省通知(老高発第830001号)でも、身元保証等高齢者サポート事業に関する相談窓口の一つとして位置づけられています。身寄りがなく施設入居の相談先に迷う場合は、まず地域包括支援センターに相談することで、成年後見制度の利用支援、日常生活自立支援事業の案内、地域の社会福祉協議会や自治体の窓口につないでもらえる可能性があります。
民間の身元保証等高齢者サポート事業とは
公的制度だけでは身元保証人に相当する役割を十分にカバーしきれない場合、民間の「身元保証等高齢者サポート事業」を利用する選択肢があります。ただし、総務省の報告書が指摘するとおり、この事業を直接規律・監督する法令や制度は存在せず、所管する行政機関もありません。契約内容を利用者自身がよく確認する必要があります。
提供されるサービスの内容
総務省の調査によると、身元保証等高齢者サポート事業者が提供するサービスは、大きく3種類に分けられます。
- 身元保証サービス:医療施設への入院や介護施設等への入所の際の連帯保証、手続の代理、緊急連絡先の受託など
- 日常生活支援サービス:通院の送迎・付き添いや買い物同行、施設への引っ越し支援、介護保険サービスの利用手続の代行など
- 死後事務サービス:死亡確認後の関係者連絡、死亡診断書の請求・受領、死亡届の提出代行、葬儀・火葬の手続、納骨、遺品整理、行政手続、公共料金等の停止手続、残置物の処理など
事業者によって、この3つのうちどこまでを契約に含めるかが異なります。
費用相場の目安
出典:総務省行政評価局「身元保証等高齢者サポート事業における消費者保護の推進に関する調査 結果報告書」(令和5年8月)の事業者聞き取り実例をもとに作成。身元保証・日常生活支援・死後事務を一体で契約する場合、利用開始時に少なくとも100万円以上の費用がかかることが多いとされています。
同報告書では、身元保証等高齢者サポート事業者への聞き取り調査の実例として、複数の事業者の費用が示されています。身元保証・日常生活支援・死後事務を一体で契約するA事業者は合計約190万円(預託金22万円を含む生活支援費33万円、死後事務費73万円等の内訳)、B事業者は基本契約料46.2万円で合計約92万円から、基本契約料52.8万円で合計約99万円まで、C事業者は約100万円、D事業者は約186万円という結果でした。同報告書は、サービスの利用開始時に必要な額は少なくとも100万円以上であり、一定程度の収入・資産がなければ利用は困難であるとまとめています。
利用時の注意点
民間サービスを検討する際は、金額の大きさだけでなく、サービス内容や解約条件を事前に確認することが欠かせません。特に、前払い方式の預託金がある場合は、その使途や、事業者が倒産・廃業した場合の保全措置、途中解約した場合の返金条件を書面で確認しておく必要があります。また、契約内容や進捗状況を本人以外の第三者(家族や専門職など)と共有できる仕組みがあるかどうかも重要な確認ポイントです。この3点(預託金の使途、解約時の返金条件、事業者破綻時の保全措置)は、次章のトラブル事例やこの後のチェックリストでも繰り返し関わってくる基本の確認事項です。前述のとおり、身元保証等高齢者サポート事業には所管する行政機関がなく、事業者間でサービスの質や料金体系にも差があります。1つの事業者だけで判断せず、複数の資料を取り寄せて内容を比較したうえで、地域包括支援センターや消費生活センターなど第三者に相談しながら検討することが、契約後のトラブルを防ぐことにつながります。
身元保証サービスをめぐるトラブル事例
民間の身元保証等高齢者サポート事業をめぐっては、契約時・解約時のトラブルが消費生活センターに寄せられています。
相談件数の推移
出典:国民生活センター「身元保証などの高齢者サポートサービスをめぐる契約トラブルにご注意」(2019年5月30日)掲載のPIO-NET相談件数をもとに作成。2015年度をピークに増減しながらも、契約時・解約時のトラブル相談が継続的に寄せられています。
実際にどのくらいの相談が寄せられているのでしょうか。国民生活センターが公表した資料によると、身元保証等高齢者サポート事業に関するPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)への相談件数は、2013年度に85件だったものが、2015年度には177件まで増加し、その後2018年度には101件となっています。件数は増減しているものの、一定数の相談が継続的に寄せられている状況です。
よくあるトラブルのパターン
国民生活センターが2019年5月30日に公表した注意喚起「身元保証などの高齢者サポートサービスをめぐる契約トラブルにご注意」では、代表的なトラブル例として、「預託金を支払うよう言われているが、詳細な説明がない」といった契約時の説明不足に関する相談や、解約時に預託金が想定どおり返金されないといった解約時のトラブルが挙げられています。契約前に説明を受けた内容と、実際の運用や解約時の対応に食い違いが生じるケースが多いことがうかがえます。
トラブルを避けるためのチェックポイント
預託金の使途や解約条件など契約内容そのものの確認ポイントは前章で述べたとおりですが、国民生活センターと消費者庁は、相談先の使い方について次のようにアドバイスしています。
- サービス内容・料金・預託金の条件は契約前に書面で確認し、疑問点は契約前に解消しておく
- 不安や疑問がある場合は、消費者ホットライン(電話188)を通じて最寄りの消費生活センターに相談できる
- 消費者庁も、契約前にサービス内容や自身の支払能力を確認すること、不安があれば消費生活センターまたは地域包括支援センターに相談することを推奨している
前述のとおり、身元保証等高齢者サポート事業に関する相談は2013年度から継続的にPIO-NETへ寄せられており、契約前に第三者の視点でチェックする習慣が、トラブルの予防につながります。
自治体独自の支援制度の例
民間サービスの費用やトラブルを踏まえると、身元保証に頼らない自治体独自の仕組みも選択肢になります。身寄りのない高齢者を支援するため、独自の制度を設けている自治体もあり、ここでは神奈川県横須賀市の取り組みを例に紹介します。
横須賀市エンディングプラン・サポート事業
「頼れる親族がいないまま万一のことがあったらどうなるのか」という不安に応える取り組みの一例が、横須賀市が平成27年7月から実施している「エンディングプラン・サポート事業」です。対象となるのは、月収18万円以下・預貯金250万円以下程度などの条件を満たし、頼れる親族がいない独居高齢者です。生前に協力葬儀社と死後事務委任契約を結んで葬儀費用等を前納しておき、市が定期的な安否確認訪問を行うとともに、入院・入所・死亡といった際に関係機関へ速やかに連絡する仕組みが整えられています。同様の制度は自治体によって名称・内容が異なるため、お住まいの市区町村の高齢福祉課や地域包括支援センターに確認してみましょう。
終活情報登録伝達事業
横須賀市はまた、平成30年度から「終活情報登録伝達事業(わたしの終活登録)」を実施しています。市民であれば誰でも無料で登録でき、緊急連絡先、かかりつけ医、葬儀の生前契約先、リビングウィルや遺言書の保管場所などの情報を事前に登録しておくことで、本人が意思表示できない状態になった際に、病院・消防・警察・福祉事務所や、あらかじめ指定した人に開示される仕組みです。内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、登録者数は令和6年3月末時点で826人となっています。これは制度開始(平成30年度)から令和6年3月末までの累計登録者数です。同様の身元保証に頼らない情報共有の仕組みは、他の自治体にも参考になる取り組みです。
施設入居前に準備しておくこと
身元保証人を確保できるかどうかにかかわらず、施設入居を検討し始めた段階で準備しておきたいことがあります。
早めに地域包括支援センターへ相談する
施設探しを始める前の段階で動いておくかどうかが、その後の選択肢の幅を大きく左右します。特に身元保証人になれる親族がいない、または疎遠であるといった事情がある場合は、早い段階で地域包括支援センターに相談しておくことが重要です。前述のとおり、地域包括支援センターは身元保証等高齢者サポート事業に関する相談窓口としても国の通知で位置づけられており、成年後見制度の利用支援や、地域の社会福祉協議会・自治体独自の支援制度の案内を受けられる可能性があります。
家族・親族と情報を共有しておく
疎遠な親族がいる場合でも、緊急連絡先や施設入居・死亡時の対応について、あらかじめ情報を共有しておくことがトラブルの予防につながります。総務省の報告書に示された相談事例179件の内訳は次のとおりです。
- 一人暮らしで身寄りがなく誰も頼れない:38件
- 親族はいるが疎遠:41件
- 判断能力が不十分になってきており自分では保証人の確保が難しい:24件
親族が全くいないケースだけでなく、親族はいても連絡が取りづらいケースが多く含まれていることが分かります。連絡先や意向を書面にまとめておくだけでも、いざというときの選択肢が広がります。
契約前に確認すべきチェックリスト
ここまで述べてきた確認事項を、契約前に見るべきチェックリストとして一覧にまとめると次のとおりです。
- 施設が求めている「身元保証人」に、具体的にどの役割(緊急連絡先、費用の連帯保証、退所時の対応、死亡時の遺体・遺品の引き取りなど)を期待しているか
- 民間サービスを利用する場合は、預託金の有無と使途、解約時の返金条件、事業者が経営破綻した場合の保全措置
- 契約内容を本人以外の第三者(家族、ケアマネジャー、地域包括支援センター等)と共有できるか
施設探しの段階では、老人ホームの選び方や有料老人ホームの重要事項説明書もあわせて確認しておくと、契約全体の見通しが立てやすくなります。
まとめ
- 法律上、介護施設は身元保証人等がいないことのみを理由に入所を拒否してはならないとされているが、実際には9割以上の施設が契約時に本人以外の署名を求めている
- 身元保証人・身元引受人に医療行為への同意権限はなく、医療同意はあくまで本人の自己決定が原則である
- 身寄りがない場合は、成年後見制度、日常生活自立支援事業、地域包括支援センターへの相談など、公的な制度・窓口をまず検討できる
- 民間の身元保証等高齢者サポート事業は、利用開始時に少なくとも100万円以上の費用がかかることが多く、預託金の使途や解約条件など契約内容を事前によく確認する必要がある
- 横須賀市のように、身元保証に頼らず情報共有や死後事務を支援する自治体独自の制度もあり、居住地の窓口に早めに相談しておくことが安心につながる
身元保証をめぐる制度や事業者の運用は今後も見直しが進む可能性があります。実際に施設入居や契約を検討する際は、最新の情報を居住地の地域包括支援センターや市区町村窓口に確認してください。このサイトは特定の施設・事業者の評価や推奨は行わず、公的データにもとづく中立的な情報提供に努めています。運営方針の詳細はこのサイトの立ち位置をご覧ください。