訪問リハビリテーションとは|対象者・回数の目安と1回あたりの費用を解説

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「退院はできたものの、まだ一人で歩くのが不安。でも通院は大変そうだし、体を動かす機会は保ちたい」——そんな家庭の悩みに応えるのが訪問リハビリテーションです。理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職が自宅を訪問し、心身機能の維持・回復を図る介護保険サービスで、要介護1〜5だけでなく要支援1・2の方も対象になります。この記事では、対象者の条件、利用できる回数の目安、1回あたりの費用と自己負担額、事業所の探し方までを、厚生労働省と自治体の公的資料にもとづいて解説します。

訪問リハビリテーションとは何か

訪問リハビリテーションとは、病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院に所属する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士(総称して「理学療法士等」)が利用者の自宅を訪問し、心身機能の維持回復と日常生活の自立を目的に行う理学療法・作業療法などのリハビリテーションです。厚生労働省は訪問リハビリテーションを「居宅要介護者について、その者の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」と定義しています。

提供主体は病院・診療所・老健・介護医療院に限られる

訪問リハビリテーションを提供できる事業所は、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院のいずれかであることが設備基準として定められています。これらの医療機関・施設が健康保険法上の保険医療機関等の指定を受けている場合、介護保険の指定事業所としても指定を受けたものとみなされる「みなし指定」の仕組みがあり、令和6年度介護報酬改定ではこのみなし指定の対象に介護老人保健施設と介護医療院が加えられました。人員基準は専任の常勤医師1名以上(併設の病院・診療所等の常勤医師との兼務可)に加え、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を適当数配置することとされています。

医師の計画的な医学的管理にもとづいて行われる

訪問リハビリテーションの大きな特徴は、事業所の医師が計画的な医学的管理を行っている点です。理学療法士等は、この医師の指示にもとづいて訪問リハビリテーション計画を作成し、サービスを提供します(計画の見直しサイクルは後述します)。医師の診療の日から3か月以内に行われた場合に算定できるという要件があり、事業所の医師が自らリハビリテーション計画の作成にかかる診療を行っていない場合は「診療未実施減算」として報酬が減算される仕組みになっています。

訪問看護から受けるリハビリとの違い

「訪問看護でもリハビリをしてもらえると聞いた」という声もよく聞かれます。訪問看護に所属する理学療法士等が身体機能の維持・向上のためのリハビリを提供することも確かにあります。両者の違いを整理すると、次のようになります。

項目訪問リハビリテーション訪問看護からのリハビリ
提供主体病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院訪問看護ステーション
医師の関わり方事業所の医師が計画的な医学的管理を行う主治医の訪問看護指示書にもとづいて提供
向いているケースリハビリに特化した専門的な関わりを重視したい場合医療的な観察・処置とリハビリを同じ事業所で一体的に受けたい場合

どちらが向いているかは自己判断せず、主治医やケアマネジャーに相談して決めるのが確実です。

対象者となる要件

訪問リハビリテーションの対象者は、病状が安定期にあり、自宅でのリハビリテーションが必要であると主治医が認めた要介護者・要支援者です。特定の疾患名や年齢による制限は設けられていません。

病状が安定期にあることが前提

急性期・回復期の集中的なリハビリテーションは主に医療保険が担い、症状が安定し在宅での生活を維持・向上させる段階(維持期・生活期)に移った後は主に介護保険の訪問リハビリテーションが担う、という役割分担が厚生労働省の資料で示されています。「安定期」というと厳密な医学的基準を想像しがちですが、実務上は、退院して在宅生活に移った時点で多くの場合この段階に入ったとみなされます。実際、後述するとおり退院直後の3か月間はむしろ手厚く利用できる仕組みが用意されているため、「退院したばかりだから対象外」と考える必要はありません。

要介護度に一律の下限はない

訪問リハビリテーションは要介護1以上でなければ利用できないという誤解がありますが、公的資料上そうした下限は設けられていません。要介護1〜5の認定を受けた方は「訪問リハビリテーション」として、要支援1・2の認定を受けた方は「介護予防訪問リハビリテーション」として、いずれも介護保険の給付対象になります。実際の受給者数を要介護度別に見ると、令和7年時点で要介護2が全体の23.5%と最も多く、次いで要介護1が18.5%を占めており、比較的軽度の要介護者にも幅広く利用されていることがわかります。

介護予防訪問リハビリテーションとの関係

要支援1・2の方が利用する「介護予防訪問リハビリテーション」は、サービス内容や人員基準はほぼ同じですが、名称と単位数が異なります。同一の事業所が訪問リハビリテーションと介護予防訪問リハビリテーションを一体的に運営している場合、人員基準・設備基準は共通のものとして扱われるため、要介護度が変わっても同じ事業所を継続して利用しやすい仕組みになっています。

訪問リハビリテーションが必要になる主な原因

どのような状態がきっかけで訪問リハビリテーションを利用することになるのか、厚生労働省の調査研究事業のデータから傾向を見てみます。

要介護者では脳卒中、要支援者では運動器疾患が中心

厚生労働省が令和7年度に実施した調査研究事業によると、要介護3〜5の利用者では「脳卒中」が原因となった割合が最も高く約33%を占めています。一方、要支援1・2の利用者では「関節症・骨粗しょう症」が約26%ともっとも多く、脳卒中(約9%)よりも運動器の疾患が中心になっている点が対照的です。「骨折(圧迫骨折を含む)」は要支援1・2で約27%、要介護3〜5で約24%と、いずれの区分でも上位に入っており、高齢者の転倒・骨折が訪問リハビリテーション利用のきっかけになりやすいことがうかがえます。

訪問リハビリテーションが必要になった主な原因(要介護度別)

脳卒中 要支援 9% 要介護3〜5 33% 骨折 要支援 27% 要介護3〜5 24% 関節症等 要支援 26% 要介護3〜5 6% 要支援1・2 要介護3〜5

出典:厚生労働省「通所・訪問リハビリテーションの適切な在り方についての調査研究事業」(令和7年度老人保健健康増進等事業)をもとに作成

単なる機能回復訓練にとどまらない

訪問リハビリテーションが支える「維持期・生活期」のリハビリテーションは、筋力や関節の動きを取り戻すだけの機能回復訓練にとどまりません。歩行や入浴・排せつなどの日常生活動作(ADL)、家事や外出といった手段的日常生活動作(IADL)、さらには家庭や地域での役割を取り戻す「参加」まで、生活全体を見据えた支援が行われる点が特徴です。

サービス内容と提供体制

実際に自宅を訪れる理学療法士等は、どのような訓練を、どのような体制で行うのでしょうか。

筋力増強訓練・歩行訓練・ADL訓練が中心

厚生労働省の調査によると、訪問リハビリテーションで実施される内容として割合が高いのは、関節可動域訓練、筋力増強訓練、歩行訓練(平地)などの運動療法・基本動作訓練です。そのほか、入浴・トイレ動作などのADL訓練、買い物や外出のためのIADL訓練、福祉用具の評価・選定や住宅改修に関する助言といった環境調整・支援も行われます。1回あたりの利用時間は、要支援・要介護を問わず40分が全体の約8割を占めており、20分や60分の実施は少数派となっています。

人員基準と事業所の運営体制

訪問リハビリテーション事業所には、専任の常勤医師1名以上と、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を適当数配置することが求められます。医師が診療所や病院、介護老人保健施設・介護医療院の常勤医師と兼務することも認められており、この兼務の仕組みが、地域の医療機関が訪問リハビリテーションに参入しやすくしている面があります。

訪問リハビリテーション計画とリハビリテーション会議

サービス提供にあたっては、理学療法士等が心身の状況などを把握したうえで訪問リハビリテーション計画を作成し、利用者・家族に説明して同意を得ます。多くの事業所では、医師・理学療法士等・介護支援専門員などが参加する「リハビリテーション会議」を開催し、利用者の生活状況や目標を共有したうえで計画を見直す取り組みが行われています。厚生労働省の調査では、リハビリテーション会議の参加者として本人・理学療法士・担当ケアマネジャーの参加割合が高く、会議では利用者の生活状況の確認・共有が8割以上の利用者で実施されていることが分かっています。

利用開始までの流れ

訪問リハビリテーションを利用するまでの一般的な流れを整理します。

主治医・ケアマネジャーへの相談から始める

要介護認定を受けている方は、まず担当のケアマネジャーに相談し、ケアプランに訪問リハビリテーションを位置づけてもらいます。要介護認定を受けていない場合は、先に市区町村の窓口や地域包括支援センターで認定申請の手続きが必要です。訪問リハビリテーションの利用には主治医の指示が前提となるため、かかりつけ医にも相談し、訪問リハビリテーションの必要性について確認してもらう流れになります。

被保険者証の確認から契約、計画作成まで

利用申込みからサービス開始までは、おおむね次のような流れで進みます。

  1. 事業所が介護保険被保険者証を確認し、重要事項説明書にもとづいてサービス内容や料金を説明
  2. 利用者が同意し、契約を締結
  3. 理学療法士等が自宅を訪問して心身の状況を把握し、面談のうえ訪問リハビリテーション計画を作成
  4. 計画にもとづいてサービス提供を開始(提供記録を整備)
  5. 利用料の受領・領収書の発行

計画の評価と見直しのサイクル

訪問リハビリテーション計画は作成して終わりではなく、提供開始からおおむね2週間以内に初回の評価を行い、その後はおおむね3か月ごとに進捗状況を評価して見直されます。3か月以上の継続利用が必要と判断された場合は、継続が必要な理由や今後の見通しが計画書に記載され、漫然とした長期利用にならないよう、定期的に必要性が確認される仕組みになっています。

利用できる回数と時間の目安

訪問リハビリテーションは、どのくらいの頻度・時間で利用できるのでしょうか。

通常は週6回、1回20分以上が基本

訪問リハビリテーションは、利用者またはその家族等介護に当たる者に対して1回あたり20分以上指導を行った場合に算定され、1週に6回を限度として利用できます。厚生労働省の調査では、要支援1・2の利用者は週1回の利用が約69%を占める一方、要介護3〜5の利用者は週2回以上の利用が半数を超えており、状態が重いほど利用頻度が高くなる傾向が見られます。

退院・認定から3か月以内は週12回まで

退院(所)の日、または新たに要介護認定を受けた場合はその認定の効力が生じた日から起算して3か月以内の期間に限り、医師の指示にもとづき継続してリハビリテーションを行う場合は週12回まで算定できます。退院直後で心身機能の低下が急速に進みやすい時期に、集中的なリハビリテーションを行えるようにする趣旨の措置です。

短期集中リハビリテーション実施加算との関係

退院(所)日や要介護認定の効力発生日から3か月以内の期間に、週におおむね2日以上・1日あたり20分以上のリハビリテーションを集中的に行った場合は「短期集中リハビリテーション実施加算」として1日につき200単位が加算されます。認知症のある方に生活機能の改善を目的としたリハビリテーションを行う場合は、別途「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」(1週に2日を限度、1日240単位)が設けられていますが、短期集中リハビリテーション実施加算とは併算定できません。

費用の目安と自己負担額

訪問リハビリテーションにかかる費用と、自己負担額の目安を確認します。

訪問リハビリテーション費は1回308単位

令和6年度介護報酬改定により、訪問リハビリテーション費は1回(20分以上)308単位、介護予防訪問リハビリテーション費は1回298単位と定められています(改定前はいずれも307単位で、要介護・要支援それぞれの状態像に応じた評価に差を設ける形で見直されました)。1単位の単価は地域区分によって異なり、例えば兵庫県の資料では、人件費の地域差を反映して10.00円(その他地域)から10.83円(3級地)までの幅が示されています。お住まいの地域区分は事業所やケアマネジャーに確認できます。

負担割合別の自己負担額の目安

1単位10円の地域を基準にすると、訪問リハビリテーション費1回あたりの総額は3,080円です。自己負担割合が1割の場合は308円、2割の場合は616円、3割の場合は924円が目安になります(介護予防訪問リハビリテーションの場合は298単位のため、1割負担で298円が目安)。実際には地域区分に加え、後述する加算・減算が上乗せ・差し引きされるため、正確な金額は利用する事業所に確認するのが確実です。

負担割合別・訪問リハビリテーション1回あたりの自己負担額(その他地域の目安)

1割 308円 2割 616円 3割 924円

出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」・兵庫県「訪問リハビリテーション・介護予防訪問リハビリテーションの手引き」(令和6年6月)をもとに、1単位10円の地域を例として作成

利用者1人あたりの月間費用は約4万円

厚生労働省の介護給付費等実態統計によると、訪問リハビリテーションの利用者1人あたりの月間費用額(保険給付・公費負担・利用者負担の合計)は、令和7年時点で約40,100円です。週1〜2回程度の利用が中心であることを踏まえると、1割負担の方であればひと月あたり4,000円前後が自己負担の目安になります。ただし、利用回数や加算の有無によって金額は変動するため、あくまで目安として捉えてください。

主な加算とリハビリテーションマネジメント

訪問リハビリテーション費には、状態やサービス提供体制に応じてさまざまな加算・減算が設けられています。ここまでに紹介した1回あたり308円(1割負担)という金額は基本部分の目安で、事業所の体制によっては下表の加算が上乗せされることがあります。

リハビリテーションマネジメント加算

医師・理学療法士等が共同でリハビリテーションの質を継続的に管理した場合に算定される加算です。厚生労働省の算定状況データでは、加算ロを算定している事業所は全体の約31%にのぼり、多くの事業所が多職種連携によるリハビリテーションの質の管理に取り組んでいることがうかがえます。

加算名単位数主な条件
リハビリテーションマネジメント加算イ180単位/月リハビリテーション会議の開催など基本要件を満たす
リハビリテーションマネジメント加算ロ213単位/月加算イの要件に加え、厚生労働省へのデータ提出(LIFE)
医師によるリハビリ計画の説明・同意+270単位/月事業所の医師が利用者・家族に計画を直接説明

退院時共同指導加算・口腔連携強化加算など

このほか、退院時の連携や口腔・体制面を評価する加算があります。

加算名単位数主な条件
退院時共同指導加算(令和6年度新設)600単位/回退院前カンファレンスに参加し在宅での指導を共同実施
口腔連携強化加算50単位/月口腔の健康状態を評価し歯科医療機関等へ情報提供
サービス提供体制強化加算6単位または3単位/回勤続年数の長い理学療法士等が在籍

計画作成に医師の診療を伴わない場合の減算

反対に、事業所の医師がリハビリテーション計画の作成にかかる診療を行わなかった場合は、1回につき50単位が減算されます。厚生労働省のデータでは、この「リハビリテーション計画診療未実施減算」が適用されている割合は、回数ベースで約11%、事業所ベースで約22%にのぼっており、事業所選びの際に医師の関与体制を確認する材料のひとつになります。

加算が重なっても、通常の利用であれば月間の自己負担が前述の目安から大きく外れることは多くありません。正確な金額は契約前に事業所から見積もりをもらって確認するのが確実です。

他のサービスとの併用・利用の制限

訪問リハビリテーションは、他の医療・介護サービスとの間で利用のルールが定められています。

医療保険のリハビリとの給付調整

病院でのリハビリ(医療保険の「疾患別リハビリテーション料」)を受けていた方が介護保険の訪問リハビリテーションに切り替える場合、原則として同じ疾患について医療保険側のリハビリは利用開始月の翌月以降は算定できなくなります。ただし、リハビリを行う施設が変わる場合は、円滑な移行のため利用開始月の翌々月まで一定の要件のもとで両方を併用できる猶予期間が設けられています。実際にどちらの制度が使えるかは主治医・ケアマネジャーの判断によるため、切り替えのタイミングは早めに相談しておくと安心です。

短期入所サービス利用中は算定できない

短期入所生活介護・短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などを利用している間は、原則として訪問リハビリテーション費を算定できません。ただし、特定施設入居者生活介護や認知症対応型共同生活介護の提供に必要がある場合に、当該事業所の費用負担により利用者が訪問リハビリテーションを利用すること自体は差し支えないとされています。また、介護老人保健施設・介護医療院の退所(院)日については、原則として訪問リハビリテーション費は算定できませんが、入所(院)前に利用する訪問リハビリテーション費は別に算定できます。

通所リハビリテーション(デイケア)との使い分け

通所リハビリテーションは利用者が施設に通ってリハビリを受けるサービスで、訪問リハビリテーションは専門職が自宅を訪ねる点が大きな違いです。訪問リハビリテーション費は「通院が困難な利用者」に対して給付されることとされていますが、通所リハビリテーションのみでは自宅内の動作の自立が難しい場合など、ケアマネジメントの結果として必要と判断されれば、通院が可能な方でも訪問リハビリテーションを併せて利用できます。外出の機会を確保したい場合は通所、住宅環境に合わせた個別の動作訓練を重視したい場合は訪問、というように目的に応じて選択・併用することが可能です。

注意点と事業所選びのポイント

最後に、実際に申し込む前に知っておくと安心な点をまとめます。

事業所数は年々増加している

訪問リハビリテーションの請求事業所数は、平成19年度の2,612事業所から令和7年度には5,680事業所へと、この間一貫して増加を続けています。介護老人保健施設・介護医療院を本体とする事業所も徐々に増えており、令和7年度の内訳は病院・診療所が4,198事業所、介護老人保健施設が1,452事業所、介護医療院が17事業所となっています。地域による事業所数の偏りは大きく、高齢者人口10万人あたりの事業所数を都道府県別に見ると、多い地域と少ない地域とで3倍以上の差があるため、居住地で利用できる事業所があるかどうかは早めに確認しておくと安心です。

介護サービス情報公表システムで比較する

事業所を選ぶ際は、介護サービス情報公表システムで、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の人数や経験年数、営業時間や電話対応の有無、キャンセル料の有無、利用者の意見を把握する取り組みや第三者評価の実施状況などを比較できます。事業所の医師が実際にリハビリテーション計画の作成に関わっているかどうかも、前述の診療未実施減算の有無と関わる重要なポイントです。気になる点は契約前にケアマネジャーや事業所へ率直に質問しておくと、利用開始後のミスマッチを防ぎやすくなります。

制度改定で内容が変わる可能性

介護保険制度は原則として3年ごとに見直しが行われ、訪問リハビリテーションの単位数や加算・減算の内容もそのたびに変更されています。実際、令和6年度の改定では退院時共同指導加算や認知症短期集中リハビリテーション実施加算が新設されるなど、内容が更新されました。本記事で紹介した単位数や自己負担額は執筆時点の制度にもとづくものであり、実際に利用する際は、最新の情報を担当のケアマネジャーや事業所に確認してください。

まとめ

  • 訪問リハビリテーションは、病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院の理学療法士等が、医師の計画的な医学的管理のもとで自宅を訪問し行うリハビリテーションです。
  • 対象者は病状が安定期にあり主治医が必要と認めた要介護者・要支援者で、要介護度に一律の下限はありません。
  • 利用回数は通常週6回が上限ですが、退院・認定から3か月以内は週12回まで利用できます。
  • 訪問リハビリテーション費は1回308単位(介護予防は298単位)で、1割負担なら1回あたり308円が目安です。
  • 事業所は年々増えていますが地域差もあるため、介護サービス情報公表システムなどで早めに情報を集めておくことが大切です。

よくある質問

訪問リハビリテーションは要介護1以上でないと利用できませんか?

いいえ。要支援1・2の方は「介護予防訪問リハビリテーション」として、要介護1〜5の方は「訪問リハビリテーション」として、いずれも介護保険の対象になります。共通する条件は、病状が安定期にあり、自宅でのリハビリテーションが必要だと主治医が認めていることです。

訪問リハビリテーションと、訪問看護から受けるリハビリはどちらを選べばよいですか?

訪問リハビリテーションは病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院が医師の計画的な医学的管理のもとで提供し、訪問看護のリハビリは訪問看護ステーションが主治医の訪問看護指示書にもとづき提供します。医療的な処置とリハビリを一体的に受けたいか、リハビリに特化した関わりを重視したいかで選び方が変わるため、主治医やケアマネジャーに相談して決めるのが確実です。

訪問リハビリテーションの1回あたりの費用はいくらですか?

訪問リハビリテーション費は1回(20分以上)308単位です。1単位10円の地域を基準にすると総額3,080円で、自己負担1割なら308円、2割なら616円、3割なら924円が目安になります。地域区分や加算の有無で金額は変わります。

訪問リハビリテーションは週に何回まで利用できますか?

通常は週6回が上限です。ただし、退院した日や新たに要介護認定を受けた日から3か月以内は、医師の指示にもとづき継続して行う場合に限り週12回まで利用できます。

退院したばかりでも、訪問リハビリテーションはすぐに利用できますか?

はい、利用できます。むしろ退院日や要介護認定を受けた日から3か月以内は、通常より多い週12回まで利用できる制度が用意されています。退院に伴う心身機能の変化に対応するための措置なので、退院前からケアマネジャーや医療機関に相談しておくとスムーズです。

通所リハビリテーション(デイケア)とは何が違いますか?

通所リハビリテーションは利用者が施設に通ってリハビリを受けるのに対し、訪問リハビリテーションは専門職が自宅を訪問します。通院が難しい方や、住宅環境に合わせた個別の動作訓練を重視したい方には訪問リハビリテーションが選ばれる傾向があります。

参考・出典

  1. 訪問リハビリテーション(社会保障審議会介護給付費分科会 第259回資料4) (厚生労働省老健局)
  2. 訪問リハビリテーション・介護予防訪問リハビリテーションの手引き(令和6年6月) (兵庫県)
  3. どんなサービスがあるの?訪問リハビリテーション (厚生労働省(介護サービス情報公表システム))
  4. 5. 訪問リハビリテーション|「基本情報」の読み解き方 (厚生労働省(介護サービス情報公表システム))
  5. 令和6年度 介護給付費等実態統計の概況 (厚生労働省)
  6. 介護給付費等実態統計(旧:介護給付費等実態調査) (厚生労働省)