地域密着型通所介護は、介護保険法で「利用定員が19人未満」と定められた小規模なデイサービスです。平成28年(2016年)4月の制度改正により、通所介護(デイサービス)の一部だった定員18人以下の事業所が、独立した地域密着型サービスに移行してできました。本記事では、対象者や費用、人員・設備基準を中心に、通常規模型のデイサービスや認知症対応型通所介護との違いを、厚生労働省・自治体の公的資料にもとづいて整理します。
地域密着型通所介護とは何か
地域密着型通所介護は、介護保険制度上どのように定義され、どの枠組みに位置づけられているサービスなのでしょうか。まずはその基本を押さえましょう。
介護保険法上の定義
介護保険法第8条第17項は、地域密着型通所介護を次のように定義しています。「居宅要介護者について、老人福祉法に規定する老人デイサービスセンター等に通わせ、入浴、排せつ、食事等の介護その他日常生活上の世話及び機能訓練を行うこと」で、かっこ書きで「利用定員が19人未満のものに限り、認知症対応型通所介護に該当するものを除く」という条件が付されています(横浜市福祉局の資料による)。つまり、サービス内容そのものは一般的なデイサービス(通所介護)と共通していますが、利用定員が19人未満(18人以下)の小規模な事業所であることが、この区分に該当するための要件です。
「地域密着型サービス」の位置づけ
地域密着型通所介護は、介護保険法上の「地域密着型サービス」という類型のひとつです。地域密着型サービスは、要介護者ができるだけ住み慣れた地域で生活を継続できるよう、身近な市区町村が指定・監督を行うサービスとして位置づけられています。平成28年4月の制度改正以前は、定員の大小にかかわらず「通所介護」としてひとつの区分に含まれていましたが、この改正によって、定員18人以下の小規模な通所介護事業所は「地域密着型通所介護」として独立し、指定・監督の権限が都道府県から市区町村に移りました(横浜市福祉局の資料による)。通常規模の通所介護(デイサービス)と同じ「通所して日帰りで介護を受ける」というサービス形態ですが、指定権者や対象となる住民の範囲が異なる点は、後の見出しで詳しく説明します。
ケアマネジャーや事業所の案内資料に「地域密着型通所介護」と表示されていても、利用者・家族から見て提供されるサービスの中身自体は通常規模型のデイサービスと大きくは変わりません。違いが表れるのは、主に事業所の規模、後述する利用できる住所地の範囲、そして基本報酬の水準の3点です。まずはこの3点を軸に、以下の見出しで具体的に確認していきます。
対象者となる人
地域密着型通所介護を利用できるのは、どのような人なのかを確認します。
要介護1〜5が対象
地域密着型通所介護の対象となるのは、要介護1〜5のいずれかの認定を受けた居宅要介護者です(大阪市福祉局の資料による)。認知症の診断の有無は利用条件に含まれておらず、要介護認定を受けていれば、認知症の診断がなくても利用できます。この点は、認知症の診断があることが前提条件となる認知症対応型通所介護との大きな違いです。
要支援1・2の人が使う総合事業との違い
要支援1・2の認定を受けた人は、地域密着型通所介護の対象には含まれません。要支援1・2の人が利用できる通所型のサービスは、平成28年4月の法改正で明確に区分された「介護予防・日常生活支援総合事業」の第1号通所事業(介護予防型通所サービス・短時間型通所サービス)です(大阪市福祉局の資料による)。同一の事業所が地域密着型通所介護と第1号通所事業の両方を一体的に実施することも、どちらか一方のみを実施することも可能とされています。要介護認定の申請から結果が出るまでの流れは要介護認定の申請方法を解説した記事で詳しく説明していますので、これから申請を検討している人はあわせてご確認ください。
なお、ここでいう「居宅要介護者」とは、自宅等で生活しながら要介護認定を受けている人を指します。すでに施設に入所している人は対象になりません。要介護認定の区分(要介護1〜5)は、心身の状態に応じて段階的に定められており、区分によって利用できるサービスの範囲や、後述する1回あたりの単位数が変わってきます。
定員18人以下という基準の意味
なぜ「定員18人以下」という基準が設けられているのでしょうか。規模によって基本報酬がどう変わるのかとあわせて見ていきます。
基準が設定された理由
厚生労働省のQ&Aによれば、地域密着型通所介護の定員基準は「現行の小規模型通所介護費の対象事業所(前年度1月当たり平均利用延人員数300人以下)を概ね位置づけられる規模」として設定された固定的な基準です(香川県が公表する厚生労働省Q&Aによる)。ここで重要なのは、この基準が実際の利用者数(利用実績)ではなく、事業所が指定を受けている「利用定員」で判断される点です。利用定員が18人以下であれば、日によって利用者が少ない日があっても地域密着型通所介護に区分され、逆に利用定員が19人以上であれば、実際の利用者数が少なくても指定通所介護(都道府県指定の居宅サービス)に区分されます。
通常規模型・大規模型デイサービスとの基本報酬の違い
地域密着型通所介護は、通常規模型・大規模型の通所介護よりも、1回あたりの基本報酬が高く設定されています。厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会の資料によると、7時間以上8時間未満の利用区分における要介護度別の基本単位数は、次のとおりです。
| 要介護度 | 地域密着型(定員18名以下) | 通常規模型(月750人以内) | 大規模型I(750人超〜900人以内) | 大規模型II(900人超) |
|---|---|---|---|---|
| 要介護1 | 753 | 658 | 629 | 607 |
| 要介護2 | 890 | 777 | 744 | 716 |
| 要介護3 | 1,032 | 900 | 861 | 830 |
| 要介護4 | 1,172 | 1,023 | 980 | 946 |
| 要介護5 | 1,312 | 1,148 | 1,097 | 1,059 |
単位:単位数(7時間以上8時間未満区分)
介護保険の報酬は「単位」という基準で計算され、1単位はおおむね10〜11.4円です(地域によって差があります)。
いずれの要介護度でも、地域密着型通所介護の基本報酬が最も高く設定されています。要介護3を例にとると、地域密着型通所介護1,032単位に対し、通常規模型は900単位、大規模型Iは861単位、大規模型IIは830単位と、規模が大きくなるほど1回あたりの単位数は低くなる仕組みです。
単位数の差を割合で見ると、要介護1〜5のいずれの区分でも、地域密着型通所介護は通常規模型よりおおむね15%前後高く設定されています(例えば要介護3では1,032単位÷900単位で約1.15倍)。大規模型IIと比べると、要介護3ではその差はさらに広がり、約4分の1(24%程度)高い水準です(1,032単位÷830単位で約1.243倍)。小規模な事業所ほど、利用者1人あたりの人件費や運営コストの割合が高くなりやすいことが、規模に応じた基本報酬の差が設けられている背景にあると考えられます。
この違いを図にすると、次のようになります。
要介護3・7時間以上8時間未満区分の基本報酬は、事業所の規模が小さいほど高く設定されています(地域密着型通所介護1,032単位、通常規模型900単位、大規模型I 861単位、大規模型II 830単位)。
利用できる事業所の住所地に関する制限
地域密着型サービスには、通常のデイサービスにはない「住所地」に関する制限があります。この仕組みを確認します。
原則は事業所所在の市区町村の住民のみ
地域密着型サービスは、原則として指定をした市町村等(保険者)の住民(被保険者)のみが利用対象です(香川県のQ&Aによる)。地域密着型通所介護も地域密着型サービスの一種であるため、この原則が当てはまります。つまり、事業所が所在する市区町村(または一部事務組合・広域連合が保険者となっている地域)に住民票があり、その市区町村の介護保険の被保険者である人が、利用の基本的な対象です。
他市町村の住民が利用できる例外
ただし、他の市区町村に住んでいる人がまったく利用できないわけではありません。次の3つのパターンで、他市町村の住民も利用できる場合があります(厚生労働省Q&A問145による)。
- 市町村の同意による指定:居住地の市町村の同意を得て他市町村が当該事業所を指定すれば、他市町村の被保険者も利用可能になります
- 制度移行時のみなし指定:平成28年4月の制度移行時点で既に他市町村の住民が利用していた場合は、「みなし指定」(改めて指定を受け直さなくても、そのまま指定を受けたものとみなす扱い)により継続して利用できます
- 新規利用時の協議・指定手続き:新たに他市町村の住民が利用を希望する場合は、居住地の市区町村と事業所が所在する市区町村との間で、協議・指定の手続きが必要になります
利用を検討する際は、まず居住地の市区町村の介護保険担当窓口に相談してください。
この仕組みは、例えば「隣の市に住む家族の家の近くにある事業所を使いたい」「引っ越し先の市区町村にはまだ空きのある事業所がない」といった状況で問題になりやすいポイントです。地域密着型サービスは市区町村ごとの指定・監督を前提にした制度であるため、通常規模型のデイサービスのように、居住地を問わず自由に事業所を選べるわけではない、という点を利用開始前に理解しておくことが重要です。
住所地特例の対象には含まれない点
介護保険には、施設への入所・入居によって住民票を移した場合でも、以前住んでいた市区町村が保険者であり続ける「住所地特例」という制度があります。地域密着型通所介護は、この住所地特例の対象施設には含まれていません。厚生労働省の資料によると、住所地特例の対象は「介護保険施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設)」と「特定施設(地域密着型特定施設を除く)」に限られており、地域密着型通所介護のような通い(日帰り)のサービスは、そもそも住所地特例の対象施設のリストに含まれる性質のサービスではありません(厚生労働省の資料、土浦市の案内による)。住所地特例は入所・入居系の施設を対象にした制度であるため、日帰りで通う地域密着型通所介護には、この制度自体が想定されていないという整理になります。
サービス内容
地域密着型通所介護では、具体的にどのようなサービスが受けられるのでしょうか。
入浴・排せつ・食事等の介護
地域密着型通所介護の基本的なサービス内容は、入浴・排せつ・食事等の介護、生活等に関する相談・助言、健康状態の確認その他日常生活上の世話です(大阪市福祉局の資料による)。日中の一定時間、事業所に通って介護を受けることで、利用者本人の心身機能の維持を図るとともに、家族の介護負担を軽減する役割も担っています。
機能訓練・口腔機能向上支援
介護に加えて、機能訓練も基本サービスのひとつとして位置づけられています(大阪市福祉局の資料による)。機能訓練指導員による運動などを通じて、日常生活動作の維持・向上を図ります。また、後述する加算の仕組みの中には、栄養状態を評価する栄養アセスメント加算や、口腔機能の向上を図る口腔機能向上加算など、食べる・話すといった機能に着目した支援に対応する加算も用意されています。具体的な加算の単位数は、後の見出しで詳しく説明します。
これらのサービスは、通常規模型・大規模型のデイサービスで提供される内容と基本的に共通しています。地域密着型通所介護ならではの特徴は、サービス内容そのものよりも、次の見出しで説明する人員・設備基準や、少人数であることによって職員と利用者の距離が近くなりやすい運営体制にある、と整理できます。
人員基準・設備基準
地域密着型通所介護の事業所が満たすべき人員・設備の基準を確認します。
定員11人以上の配置基準
利用定員が11人以上の事業所には、次の職種の配置が求められます(横浜市福祉局・大阪市福祉局の資料による)。
- 管理者:常勤専従1名
- 生活相談員:サービス提供日ごとに専従で1名以上
- 看護職員:単位ごとに専従で1名以上
- 介護職員:利用者15人までは1名以上、これを超える場合は超過分5人ごとに1名を追加
- 機能訓練指導員:単位ごとに1名以上
定員10人以下の緩和措置
利用定員が10人以下の事業所については人員配置が緩和されており、看護職員または介護職員のいずれか1名を配置すれば足りるとされています(横浜市福祉局の資料による)。小規模な事業所ほど、職員体制を柔軟に組める仕組みになっていることがわかります。
設備基準
設備面では、食堂と機能訓練室の合計面積が「利用定員×3平方メートル以上」であることが求められるほか、静養室・相談室・事務室・消火設備等の設置が必要です(横浜市福祉局・大阪市福祉局の資料による)。定員規模に応じた面積基準が設けられている点は、通常規模型・大規模型の通所介護と共通する考え方です。
人員基準を確認しておくことは、利用者・家族にとっても意味があります。看護職員の配置が義務づけられていることで、通所中の体調変化に一定の対応ができる体制が整っていることや、機能訓練指導員の配置により運動・リハビリ的な支援が受けられることが、基準として制度的に裏付けられているためです。見学の際には、実際の配置人数や勤務体制について事業所に確認しておくと安心です。
費用の目安
1回あたりの利用でどのくらいの費用がかかるのか、気になる人も多いはずです。基本単位数と自己負担額の計算方法を見ていきましょう。
時間区分・要介護度別の基本単位数
独立行政法人福祉医療機構(WAM)が公表する介護給付費単位数等サービスコード表(令和6年4月施行版)によると、地域密着型通所介護の基本単位数は、時間区分と要介護度によって次のように定められています。
| 時間区分 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3時間以上4時間未満 | 416 | 478 | 540 | 600 | 663 |
| 4時間以上5時間未満 | 436 | 501 | 566 | 629 | 695 |
| 5時間以上6時間未満 | 657 | 776 | 896 | 1,013 | 1,134 |
| 6時間以上7時間未満 | 678 | 801 | 925 | 1,049 | 1,172 |
| 7時間以上8時間未満 | 753 | 890 | 1,032 | 1,172 | 1,312 |
| 8時間以上9時間未満 | 783 | 925 | 1,072 | 1,220 | 1,365 |
単位:単位数(令和6年4月施行版のサービスコード表による基本単位数)
時間が長くなるほど、また要介護度が重くなるほど、基本単位数は高くなります。事業所は、提供するサービスの時間に応じて、いずれかの時間区分の単位数を算定します。
自己負担額の計算方法
実際に利用者が窓口で支払う自己負担額は、次の計算式でおおまかに求められます。
自己負担額 = 基本単位数(加算がある場合はその分を含む) × 地域単価 × 自己負担割合
地域単価は、事業所が所在する地域の人件費の水準等に応じて1単位あたり10.00円〜11.40円程度の幅があり、地域によって異なります。自己負担割合は、所得に応じて1割・2割・3割のいずれかです。
具体的な例で確認します。要介護3の人が7時間以上8時間未満のサービスを1割負担で利用した場合、基本単位数は1,032単位です。地域単価が10.00円の地域であれば1,032円、地域単価が11.40円の地域であれば約1,176円が、加算を含まない基本部分の1回あたりの自己負担額の目安になります。実際にはこれに入浴介助加算や個別機能訓練加算などが上乗せされるのが一般的で、2割・3割負担の人はそれぞれこの2倍・3倍程度が目安です。加えて、食費や、送迎の対象エリア外に住んでいる場合の送迎費などは、介護保険の給付対象外の実費となります。正確な金額は、利用を検討している事業所や居住地の市区町村に確認してください。
主な加算の種類
基本単位数に上乗せされる、主な加算の種類と単位数を確認します。
入浴介助加算・個別機能訓練加算
入浴介助加算・個別機能訓練加算は、体制に応じて次のように単位数が区分されています(厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会の資料による)。
- 入浴介助加算(I):40単位
- 入浴介助加算(II):55単位
- 個別機能訓練加算(I)イ:56単位
- 個別機能訓練加算(I)ロ:76単位
- 個別機能訓練加算(II):20単位
同資料の算定実態統計(令和7年11月審査分)によると、入浴介助加算(I)の算定率は事業所ベースで71.1%と最も高く、個別機能訓練加算(I)イが40.6%でこれに続いており、多くの事業所がこれらの加算を算定していることがうかがえます。
延長加算・その他の加算
このほか、次のような加算・減算が定められています(厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会の資料による)。サービス提供時間を延ばした場合の延長加算のほか、重度者への対応体制、リハビリ専門職との連携、栄養・口腔機能への支援、職員の資質向上への取り組みなど、目的ごとに細かく単位数が設定されているのが特徴です。これらは主に職員体制や専門職との連携、重度者へのケア体制などに応じて事業所ごとに算定されるもので、詳細は契約時の重要事項説明書で確認できます。
- 延長加算:サービス提供時間の前後を通じて日常生活上の世話を行った場合に、9時間以上10時間未満50単位、10時間以上11時間未満100単位、11時間以上12時間未満150単位、12時間以上13時間未満200単位、13時間以上14時間未満250単位
- 中重度者ケア体制加算:45単位
- 生活機能向上連携加算:(I)100単位(3月に1回を限度)、(II)200単位
- ADL維持等加算:(I)30単位、(II)60単位
- 認知症加算:60単位、若年性認知症利用者受入加算:60単位
- 栄養アセスメント加算:50単位、口腔・栄養スクリーニング加算:(I)20単位、(II)5単位、口腔機能向上加算:(I)150単位、(II)160単位
- 科学的介護推進体制加算:40単位
- サービス提供体制強化加算:(I)22単位、(II)18単位、(III)6単位(いずれも1回につき)
一方で、同一建物に居住する利用者にサービスを提供する場合は1回につき94単位の減算、送迎を行わない場合は片道につき47単位の減算が設けられています。加算・減算の適用状況は事業所によって異なるため、実際に算定される単位数や自己負担額は、契約時に事業所から交付される重要事項説明書等で確認することが必要です。
認知症対応型通所介護との違い
地域密着型通所介護と名称が似ている認知症対応型通所介護との違いを整理します。
対象者・定員・報酬の比較
両サービスの主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 地域密着型通所介護 | 認知症対応型通所介護(単独型) |
|---|---|---|
| 対象者 | 要介護1〜5(認知症の診断は問わない) | 要介護1〜5かつ認知症の診断がある人 |
| 定員 | 18人以下 | 単独型・併設型12人以下、共用型1日あたり3人以下 |
| 基本報酬(要介護1・7〜8時間) | 753単位 | 994単位 |
| 全国の事業所数(令和6年) | 18,921事業所 | 3,370事業所 |
| 一般の通所介護との一体的運営 | 可能 | 不可(独立して運営することが求められる) |
対象者について、地域密着型通所介護は要介護1〜5であれば認知症の診断がなくても利用できるのに対し、認知症対応型通所介護は要介護1〜5に加えて認知症の診断があることが利用の前提条件です。定員も、地域密着型通所介護が18人以下であるのに対し、認知症対応型通所介護は単独型・併設型で12人以下、共用型は1日あたり3人以下と、さらに小規模な基準になっています。基本報酬(要介護1・7〜8時間の場合)も、地域密着型通所介護753単位に対し認知症対応型通所介護994単位と、専門性の高いケア体制を前提とした報酬体系になっている点が異なります。また、地域密着型通所介護は一般の通所介護と一体的に運営することが可能ですが、認知症対応型通所介護は独立した運営が求められる点も違いのひとつです。
令和6年10月1日時点の事業所数を比較すると、次のようになります。
全国の事業所数(令和6年10月1日時点)は、地域密着型通所介護18,921事業所、通所介護(一般)24,585事業所、認知症対応型通所介護3,370事業所です。
どちらを選べばよいかの考え方
どちらのサービスが向いているかは、まず本人が認知症の診断を受けているかどうかで大きく変わります。認知症の診断がある場合は、少人数でなじみの関係を築きやすい認知症対応型通所介護も選択肢に入りますが、認知症の診断がない場合はそもそも認知症対応型通所介護の対象になりません。認知症の診断がある人であっても、必ず認知症対応型通所介護を選ばなければならないわけではなく、地域密着型通所介護や通常規模型のデイサービスを利用することも制度上可能です。実際にどちらのサービスが利用できるか、また地域にどのような事業所があるかは、ケアプランを作成するケアマネジャーに相談しながら、本人の症状や希望する過ごし方に合わせて検討するのが基本的な進め方です。
利用開始までの流れと事業所数の動向
実際に利用を始めるには、どのような手続きが必要なのでしょうか。全国の事業所数の動向とあわせて確認します。
要介護認定からケアプラン作成までの流れ
地域密着型通所介護の利用開始までは、おおむね次のような流れで進みます(奈良市・福岡県介護保険広域連合の案内による)。
- 市区町村の窓口に要介護認定を申請する
- 認定調査員による訪問調査と、主治医意見書の作成が行われる
- 一次判定・二次判定を経て、要介護1〜5等の認定結果が通知される
- 居宅介護支援事業所のケアマネジャー(要支援の場合は地域包括支援センター)が、ケアプランを作成する
- 希望する地域密着型通所介護事業所と契約し、利用を開始する
要介護認定の申請から認定結果が出るまでの具体的な流れや必要書類については、要介護認定の申請方法を解説した記事で詳しく説明しています。
全国の事業所数の推移
厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」によると、令和6年10月1日時点の事業所数の推移は次のとおりです。
| サービス種別 | 令和6年事業所数 | 前年からの増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 地域密着型通所介護 | 18,921事業所 | 235事業所減 | -1.2% |
| 通所介護(一般) | 24,585事業所 | 8事業所増 | 0.0% |
| 認知症対応型通所介護 | 3,370事業所 | 135事業所減 | -3.9% |
同調査によると、これらのサービスの開設主体は「営利法人(会社)」が約7割強を占めており、地域密着型通所介護も民間の営利法人による運営が主体となっていることがうかがえます。通所介護(一般)の事業所数がほぼ横ばいで推移していることから、通所系のサービス全体としては大きな縮小傾向にあるとまでは言えません。地域密着型通所介護に限って事業所数が減少している背景には、事業譲渡や通常規模型への移行など複数の要因が考えられますが、本記事で確認した公的資料の範囲では、その原因を特定することはできませんでした。具体的な地域の事業所数の動向については、居住地の市区町村やケアマネジャーに確認することをおすすめします。
まとめ
- 地域密着型通所介護は、介護保険法上「利用定員19人未満(18人以下)」と定められた地域密着型サービスの一類型で、要介護1〜5の人が対象(認知症の診断の有無は問わない)
- 定員18人以下の事業所は、通常規模型・大規模型の通所介護よりも1回あたりの基本報酬が高く設定されている(要介護3・7〜8時間の場合、地域密着型1,032単位に対し通常規模型900単位)
- 原則としてその市区町村の住民のみが利用対象で、住所地特例の対象施設のリストにも含まれていないため、引っ越しをすると利用できる事業所が変わる場合がある
- 費用は基本単位数に加算が上乗せされ、地域単価と自己負担割合(1〜3割)を掛けて計算される。食費や送迎費(対象エリア外の場合)は別途実費
- 認知症の診断がある人が対象の認知症対応型通所介護とは、定員(12人以下)や基本報酬(994単位)が異なり、対象・定員・費用を踏まえてケアマネジャーと検討することが必要
まずは担当のケアマネジャー、または居住地の市区町村の介護保険担当窓口に、近隣の地域密着型通所介護事業所について相談してみましょう。
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