介護保険制度は、介護が必要になった人を社会全体で支えるため、2000年4月に始まった社会保険です。40歳以上の人が保険料を納め、市町村(特別区を含む)が運営し、要介護(要支援)認定を受けると原則1割の自己負担でサービスを使えます。この記事では、仕組み・対象者・申請の流れ・費用・財源・統計を厚生労働省の資料で整理します。迷ったら、まず地域包括支援センター(相談無料)か市区町村の介護保険窓口へ。
2割負担の範囲については見直しの検討が続いています。厚生労働省の資料では、利用者負担が2割となる範囲について、次期(第10期、2027年度から)の事業計画期間に向けて、2027年度の前までに結論を得るとされています。介護保険は3年ごとに見直され、令和8年(2026年)6月にも法律の改正が公布されました。手続きの前に、お住まいの市区町村の窓口で最新の内容を確認してください。
介護保険制度とは
定義と目的
介護保険制度は、介護保険法にもとづく社会保険制度です。厚生労働省の「介護保険制度の概要」では、制度の理念として「自立支援」「利用者本位」「社会保険方式」の3つが示されています。財源は保険料と公費で、内訳は後述します。
この記事で扱う内容の全体像を、次の表にまとめました。くわしくは各章で説明します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営する主体(保険者) | 市町村・特別区(広域連合の場合もある) |
| 加入する人(被保険者) | 65歳以上の第1号被保険者、40〜64歳の医療保険加入者(第2号被保険者) |
| サービスを使う条件 | 要介護(要支援)の認定を受けること。第2号被保険者は特定疾病が原因の場合に限る |
| 利用者の負担 | 原則1割。第1号被保険者は所得に応じて2割・3割 |
| 財源 | 公費50%・保険料50% |
| 相談先 | 地域包括支援センター、市区町村の介護保険担当課 |
ほかの制度との位置づけ
介護保険ができる前は、高齢者の介護は老人福祉制度と老人医療制度で対応していました。しかし、要介護の高齢者が増え、介護の期間も長くなる中で、これらの制度では対応に限界があるとされていました。こうした背景から、介護保険は社会保険方式の制度として始まりました。
介護保険の使い方はほかの制度と異なる点があります。どの制度が使えるか迷ったときは、後述の相談窓口で確認しましょう。
よくある誤解
よくある誤解は、「保険料を払っていれば、誰でもすぐに介護サービスが使える」というものです。介護保険では、保険料を納めていても、要介護または要支援の認定を受けなければ使えません。医療保険は保険証でそのまま受診できますが、介護保険は「認定、ケアプラン作成、サービス利用」の順に進みます。
もう一つは年齢に関する誤解です。65歳未満でも、40歳から64歳の人は特定疾病が原因で介護が必要になった場合に対象となります。一方、事故による障害や、特定疾病以外の病気が原因の場合、65歳未満の人は介護保険の対象外です。
介護保険制度の創設の背景と改正の歴史
創設の背景と理念
介護保険法は1997年に成立し、2000年4月に施行されました。背景には、要介護高齢者の増加と介護期間の長期化、核家族化の進行や介護する家族の高齢化があり、介護を家族だけで担うことが難しくなったことがあります。
厚生労働省の資料によると、制度開始の2000年4月末から2024年4月末までの変化は次のとおりです。
| 項目 | 2000年4月末 | 2024年4月末 | 増え方 |
|---|---|---|---|
| 第1号被保険者(65歳以上) | 2,165万人 | 3,591万人 | 約1.7倍 |
| 要介護(要支援)認定者 | 218万人 | 710万人 | 約3.3倍 |
| サービス利用者 | 149万人 | 529万人 | 約3.6倍 |
認定者とサービス利用者は、被保険者の増え方を大きく上回って増えています。介護保険は、今では多くの家庭に関わる制度です。
主な制度改正の年表
介護保険は、3年を1期とする事業計画の期間に合わせて見直されます。厚生労働省の資料に示された主な改正を、施行年の順に整理します。年表の年は改正法の公布年ではなく施行年で、項目により施行時期は異なります。令和8年は2026年、令和9年は2027年にあたります。利用者に関係する変更は太字にしました。
| 改正 | 施行年(施行時期) | 主な内容 |
|---|---|---|
| 平成17年改正 | 2006年4月など | 介護予防を重視した仕組みへの転換、地域包括支援センターと地域密着型サービスの創設、施設の居住費・食費の見直し |
| 平成23年改正 | 2012年4月など | 定期巡回・随時対応型サービスや複合型サービスの創設、介護予防・日常生活支援総合事業の創設、介護職員等によるたんの吸引などの実施 |
| 平成26年改正 | 2015年4月など | 予防給付のうち訪問・通所サービスを地域支援事業へ移行、特別養護老人ホームを中重度者に重点化、一定以上所得のある人の利用者負担を2割に(2015年8月) |
| 平成29年改正 | 2018年4月など | 介護医療院の創設、特に所得の高い層の利用者負担を3割に(2018年8月)、第2号被保険者の保険料への総報酬割の導入 |
| 令和2年改正 | 2021年4月など | 地域住民の複合的な課題に対応する包括的な支援体制の整備、介護保険事業のデータ基盤の整備 |
| 令和5年改正 | 2024年4月など | 医療・介護情報の収集・提供の仕組みの整備、介護サービス事業者の経営情報の報告の義務化 |
| 令和8年改正 | 原則2027年(令和9年)4月1日 | 次の章で説明 |
令和8年改正のポイント
令和8年6月25日に「社会福祉法等の一部を改正する法律」が公布されました。厚生労働省老健局が発出した介護保険最新情報Vol.1518によると、介護保険に関する主な内容は次のとおりです。
- 介護保険の被保険者証について、電子資格確認を導入する
- 夜間対応型訪問介護を廃止する
- 要介護認定の申請を代行できる事業者の範囲を広げる
- 人口減少地域向けの「特定地域居宅サービス」を新設する
- 介護支援専門員証の更新制を見直し、更新研修を廃止する
- 有料老人ホームの登録制度を創設し、「登録施設介護支援」を新設する
- 市町村介護保険事業計画の記載事項を見直す
施行時期は、内容によって次のように分かれています。
- 原則:令和9年(2027年)4月1日
- 一部:公布日
- 一部:公布から1年6か月以内で政令が定める日
- 一部:公布から2年以内で政令が定める日
- 一部:公布から3年以内で政令が定める日
施行後5年を目途に、さらに検討を行うことも定められています。利用者負担が2割となる範囲の見直しについては、冒頭の注記のとおり、2027年度の前までに結論を得るとされています。本記事の内容は公表時点の情報で、制度改定により手続きや要件が今後変わる可能性があります。
保険者と被保険者|誰が運営し、誰が加入するのか
保険者は市町村と特別区
介護保険を運営する主体を「保険者」といい、市町村と特別区(東京23区)が担います。広域連合で運営する場合もあります。要介護認定の申請は市区町村の介護保険担当課で受け付けるため、身近な窓口を知っておくと手続きがスムーズです。
第1号被保険者と第2号被保険者の違い
被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と、40〜64歳の医療保険加入者である第2号被保険者に分かれます。年齢・保険料の徴収方法・給付の対象は次のとおりです。
| 項目 | 第1号被保険者 | 第2号被保険者 |
|---|---|---|
| 年齢・対象 | 65歳以上 | 40歳から64歳の医療保険加入者 |
| 被保険者となる時期 | 65歳になった月から | 40歳になった月から |
| 保険料の徴収方法 | 市町村が徴収。原則として年金から天引き | 加入している医療保険の保険料と一体で徴収(健康保険は原則として事業主が2分の1を負担) |
| 給付を受けられる場合 | 原因を問わず、要介護または要支援の状態になったとき | 特定疾病が原因で要介護(要支援)状態になったときに限る |
| 被保険者数(令和4年度) | 3,585万人 | 4,188万人 |
| 認定者数(令和4年度) | 681万人(19.0%) | 13万人(0.3%) |
数値は厚生労働省の資料にある令和4年度のものです。第2号被保険者の給付が特定疾病に限られる点が、2つの区分の大きな違いです。
介護保険を使える人|対象者と特定疾病
対象者の条件と特定疾病16種類
サービスの給付を受けられるのは、要介護状態または要支援状態にあると認定された被保険者です。第1号被保険者は原因を問わず対象で、第2号被保険者は特定疾病が原因の場合に限ります(前章の比較表を参照)。40歳から64歳の人が対象となる特定疾病は、厚生労働省のリーフレットで次の16種類が示されています。
- がん(末期)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
特定疾病に当たるかどうかは、自己判断せず、申請の窓口で相談してください。
対象外となるケース
40歳から64歳の人は、事故による障害や、特定疾病に含まれない病気が原因で介護が必要になった場合、介護保険の給付は受けられません。また、65歳以上でも、認定の結果が「非該当」となった場合は、介護給付や予防給付は受けられません。なお、認定を受けずに市町村の総合事業のサービスだけを使うルートもあります。対象になるかどうか迷う場合は、市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談しましょう。
利用開始までの流れ|申請からサービス利用まで
STEP1 市区町村の窓口で申請する
介護サービスを使うには、まず住んでいる市区町村の窓口で、要介護(要支援)認定の申請をします。申請には、第1号被保険者は介護保険の被保険者証、第2号被保険者は医療保険の被保険者証が必要です。本人や家族のほか、地域包括支援センターなどが申請を代行する場合もあります。
STEP2 認定調査と審査判定
申請後に認定調査が行われます。調査は全国共通の基本調査(74項目)にもとづいて行われ、あわせて主治医意見書も用意されます。
調査結果はコンピュータで処理されて一次判定となり、その後、介護認定審査会が二次判定を行います。結果は原則として申請から30日以内に通知されます。認定の区分は、要支援1・2、要介護1〜5、非該当です。認定の有効期間や更新などの詳しい内容は、要介護認定の仕組みを解説した記事で説明しています。
STEP3 ケアプランを作る
認定結果が出たら、どのサービスをどれだけ使うかを決める「ケアプラン(介護サービス計画)」を作ります。作成の窓口は、認定の区分によって異なります。
| 認定の区分 | ケアプランの作成 |
|---|---|
| 要介護1〜5 | 居宅介護支援事業者のケアマネジャー(介護支援専門員)に依頼して作成。介護保険施設に入所する場合は、施設に直接申し込む |
| 要支援1・2 | 地域包括支援センターが介護予防ケアプランを作成 |
ケアプランの作成(居宅介護支援)にかかる費用は、利用者の自己負担がありません。
STEP4 サービスを利用する
ケアプランにもとづいて事業者と契約し、サービスの利用を始めます。利用の際には、事業者に介護保険の被保険者証と負担割合証を提示します。利用者は、費用のうち負担割合に応じた額を支払います。
なお、要介護・要支援の認定を受けなくても、市町村の総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)のサービスのみを利用するルートもあります。特別養護老人ホームは、原則として要介護3以上の人が入所の対象です。
介護保険で使えるサービスの種類
介護給付と予防給付
介護保険の給付は、要介護1〜5の人が対象の「介護給付」と、要支援1・2の人が対象の「予防給付」に大きく分かれます。このほかに、市町村が独自に行う「市町村特別給付」もあります。内容は市町村によって異なるため、詳しくは市町村特別給付の記事を参照してください。
居宅サービスと施設サービス
居宅サービスは、都道府県・政令指定都市・中核市が事業者を指定します。厚生労働省の資料に示されている主なものは次のとおりです。
- 訪問によるサービス:訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導
- 通所によるサービス:通所介護、通所リハビリテーション
- 短期間の入所:短期入所生活介護、短期入所療養介護
- その他:特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与、特定福祉用具販売
施設サービスは、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護医療院の3種類です。
地域密着型サービスと総合事業
地域密着型サービスは、住み慣れた地域での生活を支えるサービスで、市町村が事業者を指定・監督します。主なものは次のとおりです。
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 夜間対応型訪問介護
- 地域密着型通所介護
- 認知症対応型通所介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
- 複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)
夜間対応型訪問介護は、令和8年の改正で廃止することが定められています(施行時期は前述の改正の項を参照)。このほか、市町村が実施する総合事業には、介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業があります。
代表的なサービスを、使う場面の目安とあわせて整理します。実際にどれを使うかは、ケアマネジャーや地域包括支援センターと相談して決めます。
| サービス | 区分 | こんなとき |
|---|---|---|
| 訪問介護 | 居宅 | 自宅での暮らしの手伝いを受けたいとき |
| 訪問看護 | 居宅 | 自宅で看護を受けたいとき |
| 通所介護 | 居宅 | 日中に事業所へ通って過ごしたいとき |
| 短期入所生活介護 | 居宅 | 短期間、施設に泊まる必要があるとき |
| 福祉用具貸与 | 居宅 | 福祉用具を借りたいとき |
| 小規模多機能型居宅介護 | 地域密着型 | 住み慣れた地域で、通い・訪問・泊まりの組み合わせを使いたいとき |
| 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 地域密着型 | 認知症があり、共同生活の形で支援を受けたいとき |
| 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 施設 | 施設への入所を考えるとき(原則要介護3以上) |
サービスは「居宅」「地域密着型」「施設」で事業者の指定者や使い方が異なります。まず自分の状況に近い場面から相談すると、選択肢を整理しやすくなります。
利用者の自己負担と負担軽減の仕組み
自己負担割合は1割・2割・3割
介護サービスを利用したときの自己負担は、原則として費用の1割です。ただし、第1号被保険者のうち所得が一定以上の人は、2割または3割になります。厚生労働省の資料に示された基準は次のとおりです。なお、2割負担の範囲については2027年度の前までに結論を得るとされています(冒頭の注記を参照)。
| 負担割合 | 合計所得金額 | 年金収入等(単身) | 年金収入等(夫婦) |
|---|---|---|---|
| 1割 | 原則(下記の2割・3割の基準に当てはまらない人) | ― | ― |
| 2割 | 160万円以上 | 280万円以上 | 346万円以上 |
| 3割 | 220万円以上 | 340万円以上 | 463万円以上 |
2割・3割は、合計所得金額と年金収入等の両方の基準に当てはまる場合です。第2号被保険者(40歳から64歳)は、所得にかかわらず1割負担です。自分の負担割合は、事業者に提示する負担割合証で確認できます。
支給限度額と高額介護サービス費
在宅サービスには、要介護度ごとに保険給付の上限(支給限度額)があり、超えた分は全額が自己負担になります。上限額の考え方は、支給限度額を解説した記事で説明しています。
また、1か月の自己負担額が一定の月額上限を超えたときに、超えた分が払い戻される「高額介護サービス費」の制度があります。金額は改定されることがあるため、詳しくは市区町村の窓口で確認してください。
施設の居住費・食費は別に負担
施設サービスやショートステイでは、介護サービス費の自己負担とは別に、居住費(滞在費)、食費、日常生活費が利用者の負担となります。金額や軽減の有無は、施設や利用者の状況によって異なるため、事業者や市区町村の窓口で確認してください。
介護保険の財源と保険料
財源は公費50%と保険料50%
厚生労働省の資料(令和7年度予算額、介護給付費13.2兆円)によると、介護保険の財源は、公費(税金)が50%、保険料が50%です。保険料の内訳は、第1号被保険者が23%、第2号被保険者が27%で、この割合は3年ごとに人口比で見直されます(令和6〜8年度は上記の割合)。
公費の内訳は、サービスの種類によって異なります。
| 区分 | 国 | 都道府県 | 市町村 |
|---|---|---|---|
| 居宅給付費 | 25%(定率20%と調整交付金5%) | 12.5% | 12.5% |
| 施設等給付費 | 20%(うち定率15%) | 17.5% | 12.5% |
保険料の決まり方と全国平均
第1号被保険者の保険料は、市町村ごとに決められるため、お住まいの地域によって金額が異なります。厚生労働省が令和6年5月14日に公表した、第9期(令和6〜8年度)の第1号保険料の全国平均(基準額・加重平均)は月額6,225円で、第8期の6,014円から3.5%の増加でした。過去の推移は次のとおりです。
| 期 | 全国平均の月額(基準額) |
|---|---|
| 第1期 | 2,911円 |
| 第2期 | 3,293円 |
| 第3期 | 4,090円 |
| 第4期 | 4,160円 |
| 第5期 | 4,972円 |
| 第6期 | 5,514円 |
| 第7期 | 5,869円 |
| 第8期 | 6,014円 |
| 第9期(令和6〜8年度) | 6,225円 |
令和6年度の第1号保険料の収納額は2兆5,862億円、収納率は99.4%でした。
第2号被保険者の保険料
第2号被保険者の保険料は、加入している医療保険の保険料と一体で徴収されます。たとえば全国健康保険協会(協会けんぽ)の令和8年度の介護保険料率は1.62%です(令和8年3月分から)。保険料率は医療保険の種類によって異なるため、加入先の保険者で確認してください。
数字で見る介護保険|認定者数・給付費・将来見通し
令和6年度の利用状況
厚生労働省の「令和6年度介護保険事業状況報告(年報)」による、令和7年3月末現在の状況は次のとおりです。
| 項目 | 数値(令和7年3月末・令和6年度) | 前年度との比較・内訳 |
|---|---|---|
| 第1号被保険者 | 3,584万人 | 前年度3,589万人 |
| 要介護(要支援)認定者 | 721万人 | 前年度708万人(約12万人・1.8%の増加) |
| サービス受給者(月平均) | 620万人 | 内訳:居宅サービス432万人、地域密着型サービス92万人、施設サービス96万人 |
| 費用額 | 12兆952億円 | 前年度比3.2%増 |
| 給付費 | 11兆1,826億円 | 前年度比3.3%増(過去最高) |
| 第1号被保険者1人あたりの給付費 | 31万2千円 | ― |
給付費は過去最高を更新しており、介護保険の費用は年々大きくなっています。
認定者の要介護度別構成比
同じ年報による認定者の構成比は、要介護1が20.7%で最も多く、要支援1から要介護2までの軽度の区分で全体の約3分の2を占めています(区分ごとの割合は下の図のとおりです)。
年齢別の認定率と将来の見通し
年齢が上がるほど認定を受ける人の割合は高くなります。厚生労働省の資料(2024年9月末)では、認定率は65〜74歳で4.3%、75歳以上で31.0%、85歳以上で58.2%です。
同資料の人口の見通しでは、85歳以上の人口は2025年の707万人から2040年には1,006万人へ約4割増え、65歳以上の人口は2040年に3,928万人になるとされています。
認定率は年齢とともに大きく上がり、85歳以上の人口は今後増える見通しです。介護が身近な課題になる家庭は、今後も多いと考えられます。早めに制度を知っておくことが備えになります。
困ったときの相談先
地域包括支援センター
介護についての相談先の一つが、地域包括支援センターです。市町村または市町村から委託を受けた法人が運営しており、相談は無料です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職が対応します。また、要支援の人の介護予防ケアプランも作成します。
設置数は、令和7年4月末で本体が5,487か所、ブランチなどを含めると7,374か所です。名称は地域によって異なり、たとえば名古屋市では「いきいき支援センター」と呼ばれています。
市区町村の介護保険担当課
要介護認定の申請は、市区町村の介護保険担当課が窓口です。まず地域包括支援センターに相談し、申請の段階で担当課に行く、という進め方もできます。
WAM NETの「介護の地域窓口」
WAM NETには「介護の地域窓口」のページがあります。相談先を調べるときの参考にしてください。
制度を利用するときの注意点
早めに申請し、認定の結果を待つ
介護が必要かもしれないと感じたら、早めに窓口へ相談することが大切です。認定の結果は原則として申請から30日以内に通知されます。結果が出る前にサービスを使いたい場合の扱いは、窓口やケアマネジャーに確認してください。認定の有効期間や更新、状態が変わったときの手続きは、前述の要介護認定の記事で確認できます。
利用の前後に確認しておきたいこと
- 申請には、第1号被保険者は介護保険の被保険者証、第2号被保険者は医療保険の被保険者証が必要です。
- サービスを使うときは、事業者に被保険者証と負担割合証を提示します。
- ケアプランの作成費用は自己負担がありません。
- 施設サービスやショートステイでは、居住費・食費・日常生活費が別にかかります。
- 在宅サービスには支給限度額があり、超えた分は全額自己負担です。
制度は3年ごとに見直される
介護保険の事業計画は3年を1期として作られ、保険料や制度の細かな内容が見直されます。本記事の数値や基準は公表時点のものです。申請や利用の前に、厚生労働省のウェブサイトや市区町村の窓口で、最新の情報を確認してください。
まとめ
- 介護保険制度は、2000年4月に始まった社会保険で、市町村(特別区)が運営し、40歳以上の人が保険料を納めます。
- サービスを使うには、保険料を納めているだけでなく、要介護(要支援)認定を受ける必要があります。第2号被保険者は特定疾病16種類が原因の場合に限られます。
- 利用の流れは、申請、認定調査と審査判定、ケアプラン作成、サービス利用の順です。結果は原則30日以内に通知されます。
- 自己負担は原則1割で、所得に応じて2割・3割になります。財源は公費50%・保険料50%で、第9期の保険料の全国平均は月額6,225円です。
- 制度は3年ごとに見直され、令和8年6月にも改正が公布されています。最新の内容は市区町村の窓口や地域包括支援センターで確認しましょう。
かいごの窓は、介護に関する公的な情報を、特定の事業者や施設を評価・推奨せず、並列に整理して伝えることを編集方針としています。詳しくはこのサイトの立ち位置をご覧ください。