「自立(要介護認定を受けていない状態)でも入居できる老人ホームはありますか」という疑問への答えは、「あります。ただし入居できるかどうかは施設の種類と、施設ごとの入居要件で決まります」です。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、軽費老人ホームには自立の方が入れる施設がある一方、特別養護老人ホームなど原則として対象外の施設もあります。この記事では、公的資料にもとづいて種類別の入居条件、費用の目安、要介護になったときの確認点を整理します。
制度や数値は法改正(令和8年法律第51号による有料老人ホームの登録制度など)で変わることがあるため、契約の前に各施設の最新の資料と、お住まいの自治体・地域包括支援センターで確認してください。
結論:自立で入れるかは施設の種類と施設ごとの要件で決まる
自立の方が入れる可能性がある施設・原則対象外の施設
自立の方が入居の対象になりうるのは、サ高住、軽費老人ホーム(ケアハウスなど)、シルバーハウジングです。有料老人ホームは施設の入居要件によって異なり、健康型は介護が必要になると契約解除・退去が基本の類型です。養護老人ホームは、要件が環境上・経済的理由で、入所の可否は市区町村が判断します(自分では申し込めない措置の仕組み)。一方、特別養護老人ホームは平成27年4月以降、原則として要介護3以上が対象で、自立や要支援の方は対象外です。介護老人保健施設(老健)は要介護認定を受けていることが前提です。
ただし「対象になりうる」と「必ず入れる」は別です。同じ類型でも、施設が独自に入居要件(年齢、要介護度、身元引受人〔契約書に権利義務が明示される人〕など)を定めているため、最終的には個別の施設に確認する必要があります。
住宅型と有料老人ホームに該当するサ高住では、自立、軽度者を中心に受け入れると分類された施設は34.4%(6,873件)、自立者・軽度者のみは1.6%です。一方、住宅型の入居者は大半が要介護の方です(2024年、自立・要支援は約8%)。
施設の種類ごとの早見表
| 施設の種類 | 自立の方の入居 | 主な考え方 |
|---|---|---|
| 介護付き有料老人ホーム | 施設の入居要件による | 特定施設入居者生活介護の指定を受けたホームが介護を提供する |
| 住宅型有料老人ホーム | 施設の入居要件による | 介護は外部の訪問介護などを選んで利用する |
| 健康型有料老人ホーム | 介護が必要になると契約解除・退去が基本 | 令和6年6月30日時点で19棟 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 60歳以上なら対象になりうる | 状況把握と生活相談が必須サービス |
| 軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス) | 原則60歳以上で対象になりうる | 家族の援助を受けにくい人などが対象 |
| 養護老人ホーム | 要件は環境上・経済的理由。入所は市区町村が判断(措置) | 環境上・経済的理由で居宅生活が困難な65歳以上 |
| 特別養護老人ホーム | 原則対象外 | 原則要介護3以上 |
| 介護老人保健施設(老健) | 対象外 | 要介護認定が前提 |
| シルバーハウジング | 対象になりうる(60歳以上などの要件・自治体確認) | 公営住宅などに生活援助員が配置される住まい |
表の内容は、後続の章で出典とあわせて詳しく見ていきます。
施設を選ぶ前に整理しておきたい視点
「自立だから入れる」「入れない」と一律に考えず、まず何を求めているのかを整理すると、候補を絞りやすくなります。
- 見守りや相談があれば十分か
- 食事の提供が必要か
- 将来要介護になっても同じ場所で暮らし続けたいか
求める条件によって、サ高住、軽費老人ホーム、有料老人ホームのどれが合うかが変わります。本人が希望する入居か、家族が心配して検討する入居かでも話し合いの進め方は変わるため、入居の主役である本人が見学や体験入居に同行できるようにしましょう。
状況別の早見
- 見守りと相談で足りる:60歳以上ならサ高住が検討対象になります
- 家族の援助を受けにくく、自立した生活に不安がある:軽費老人ホームが対象になりえます
- 環境上・経済的理由で居宅生活が困難:養護老人ホームがあり、市区町村へ相談します
- 食事や家事も頼みたい:有料老人ホーム・サ高住の生活支援は施設ごとに異なるので、重要事項説明書で確認します
有料老人ホームの3類型と自立の方の入居
有料老人ホームの定義と届出
有料老人ホームは、老人福祉法第29条にもとづき、老人を入居させて、入浴・排せつ・食事の介護、食事の提供、洗濯・掃除等の家事、健康管理のいずれかを提供する事業です。設置主体は問われず、都道府県等への届出が必要とされています。数は次のとおりです(令和6年6月30日時点)。
| 区分 | 棟数 | 定員 |
|---|---|---|
| 有料老人ホーム全体(サ高住の登録を受けたものを含む) | 25,198棟 | 951,236名 |
| うち住宅型 | 12,668棟 | - |
| うち介護付き | 4,559棟 | - |
この表は令和6年6月30日時点の集計です。後述する令和7年11月時点の件数とは、公表時点や集計対象が異なります。
詳しい仕組みは有料老人ホームとはの記事でも解説しています。
介護付き・住宅型・健康型の違い
- 介護付き
- 特定施設入居者生活介護(指定を受けたホームが提供する介護サービス)を、ホームが提供する
- 住宅型
- 介護が必要になった場合は、入居者が外部の訪問介護などを選んで利用する
- 健康型
- 食事等のサービスが付いた居住施設で、介護が必要になった場合は契約を解除して退去するのが基本
この類型の説明は、国の資料(平成25年度の資料など)にもとづくものです。実際の運営は施設ごとに違うため、類型名だけで判断せず、入居契約書や重要事項説明書(契約前に説明を受ける書面)で確認してください。類型名だけで決めると、入居後に想定した介護を受けられない場合があります。
住宅型は「自立の方も多く入る住まい」と位置づけられてきたが、入居者の大半は要介護の方
住宅型は、もともと自立度の高い高齢者も多く入居する住まいと位置づけられてきました。しかし、国の検討会資料によると、2024年の住宅型の入居者のうち自立・要支援は約8%、要介護3以上は約56%でした。また、一定の要介護度以上を入居要件にしている住宅型は46.2%に上ります。
一方で、令和7年11月時点の厚生労働省資料では、住宅型と有料老人ホームに該当するサ高住を合わせた19,954件のうち、「自立、軽度者を中心に要介護者も受け入れ」る施設が6,873件(34.4%)、「自立者・軽度者のみ」の施設が322件(1.6%)とされています。入居者の大半は要介護の方です。
健康型有料老人ホームの棟数と退去の基本
健康型は、令和6年6月30日時点で19棟542名です。介護が必要になると契約解除・退去が基本の類型で、有料老人ホーム全体の25,198棟のうち19棟です。そのため、その後の住まいを事前に考えておかないと、退去時に慌てることになります。
住宅型と有料老人ホームに該当するサ高住の件数(19,954件)と健康型の棟数(19棟)のように、公表時点や集計対象が異なる数値は、足したり比べたりできません。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の入居条件
入居要件と登録基準
サ高住の入居要件は、60歳以上の方、または要支援・要介護認定を受けている方です。つまり、要介護認定を受けていない自立の60歳以上の方も、制度上は入居の対象になります。
- 床面積は原則25平方メートル以上
- バリアフリー構造
- 必須サービスは状況把握と生活相談
- 長期入院を理由に事業者から一方的に契約を解約できない
- 敷金・家賃・サービス対価以外の金銭を徴収できない
サ高住は、令和7年12月時点で8,301棟・287,687戸です。約96%は有料老人ホームにも該当し、登録していれば有料老人ホームの届出は不要とされています。仕組みの全体像はサ高住とはの記事で確認できます。
入居者の介護度の内訳
国土交通省の資料によると、令和5年8月末のサ高住の入居者の介護度は次のとおりです。
自立は8.6%、要支援は12.8%で、残りは要介護1〜5の方です。85歳以上が60.5%を占めます(令和5年8月末)。生活の雰囲気が自分に合うかは、見学や体験で確かめないと、入居後にずれが生じかねません。
この数値は令和5年8月末のサ高住の入居者の分布です。住宅型有料老人ホームの入居者に関する別の統計(2024年)とは、時点も対象も異なるため、横並びで比較しないでください。
安否確認・生活相談のサービス
サ高住の必須サービスは状況把握と生活相談です。有料老人ホームにも該当するサ高住では、有料老人ホーム設置運営標準指導指針が毎日1回以上の安否確認等を求めており、居住部分への訪問を希望しない入居者には、電話や装置等による確認の方法を取ることとしています。自立の方にとっては、プライバシーを保ちつつ見守りを受けられる点が検討材料になります。
食事や掃除などの生活支援、介護サービスは、サ高住の登録基準の必須サービスには含まれません。どこまでが月額に含まれ、どこからが別料金かは、施設ごとに契約書で確認が必要です。
サ高住で自立の方が確認したい点
登録基準で定められているのは、必須サービスが状況把握と生活相談であること、長期入院を理由に事業者から一方的に解約できないこと、敷金・家賃・サービス対価以外の金銭を徴収できないことです。それ以外の条件は施設ごとの契約で決まるため、自立の方は次の点を契約書で確認してください。
- 月額に含まれるサービスの範囲
- 介護が必要になったときに外部の介護事業所を自由に選べるか
- 食事の提供の有無と、食事を取らない日の扱い
- 退去時の原状回復費用の範囲
敷金・家賃・サービス対価以外の名目の費用を求められた場合は、内容を確認してください。
軽費老人ホーム・ケアハウスの入居条件
対象者と種類(A型・B型・ケアハウス)
軽費老人ホームは、原則60歳以上(夫婦の場合はどちらか一方が60歳以上で可)で、身体機能の低下等により自立した生活に不安があり、家族の援助を受けにくい方が対象です。
- A型
- 食事の提供があるタイプ
- B型
- 自炊を前提とするタイプ
- ケアハウス
- 車いすを使用する状態になっても、自立した生活を続けられるよう配慮された構造
介護が必要になった場合は、施設が介護を提供するのではなく、外部の居宅サービスを利用するのが基本です。仕組みの全体像は軽費老人ホームとはの記事に整理しています。ケアハウスの中の介護型については、本記事の範囲では詳細を確認できていないため、ここでは触れません。
費用の例(横浜市の案内)
軽費老人ホームの費用は自治体や施設で異なります。ここでは一例として、横浜市の案内(令和7年4月1日時点)を示します。全国の平均や一律の金額ではない点に注意してください。
| 項目 | ケアハウス | A型 |
|---|---|---|
| 生活費(月額) | 48,764円 | 57,114円 |
| 事務費(所得に応じる) | 10,000〜161,616円 | 8,600〜143,208円 |
| 光熱水費 | 実費 | 実費 |
このほか、冬期加算(11〜3月)として2,183円が案内されています。ケアハウスでは、さらに管理費(居住費)として500万〜1,650万円程度が必要とされています。事務費が所得に応じて大きく変わる仕組みのため、同じ施設でも負担額は人によって異なります。
要介護になったときの対応
横浜市の案内では、入居後に要介護になった場合は、居宅サービスを利用しながら暮らすか、特別養護老人ホーム等へ転所するか、家庭に復帰するといった選択肢が示されています。介護が必要になった場合は外部の居宅サービスを利用するのが基本のため、長期的な介護の見通しを考えたうえで選んでください。
軽費老人ホームを検討するときの確認点
軽費老人ホームは、種類によって食事の扱いが大きく異なります。A型は食事の提供がありますが、B型は自炊が前提です。ケアハウスは居室の構造に配慮がある一方、介護は外部の居宅サービスを使うことになります。事務費は所得に応じて決まるため、必要書類と、入居時に必要な費用の総額(管理費を含む)を早めに確認してください。確認が遅れると、申込後に費用面で断念することになりかねません。
空き状況や申込の流れは施設ごとに異なります。希望する時期がある場合は、早めに問い合わせて確認しておくとよいでしょう。
養護老人ホーム:入居は市区町村の措置による
措置入所の仕組み
養護老人ホームは、65歳以上で、環境上の理由及び経済的理由により居宅で生活することが困難な方を対象に、市区町村が措置(行政が入所を決める仕組み)として入所を決める施設です。自分で施設に直接申し込む形ではなく、市区町村へ相談する形になります。また、定員に余力がある場合は、定員の20%の範囲で契約による入所を受け入れられるとする通知(老高発0702第1号、令和元年7月2日)もあります。
横浜市の例:窓口と要件
横浜市の案内では、養護老人ホームは市内6か所で定員498人、窓口は各区の高齢・障害支援課です。市民税所得割非課税世帯などが要件とされています。自治体によって窓口の名称や基準は異なるため、お住まいの市区町村で確認してください。
自立の方にとっての位置づけ
養護老人ホームは、要件が要介護度ではなく環境上・経済的理由で、入所の可否は市区町村が判断します。「自分が希望したから入れる」という施設ではありません。経済的な不安や住環境の問題を抱えている場合は、まず市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談してください。
特別養護老人ホーム・老健・シルバーハウジングの位置づけ
特別養護老人ホームは原則要介護3以上
特別養護老人ホーム(特養)は、平成27年4月以降、原則として要介護3以上の方が対象です。要介護1・2の方は、やむを得ない事情がある場合に特例入所(原則の対象外でも例外的に入所を認める仕組み)が認められます。考え方として、次のような場合が示されています。
- 認知症による症状が日常生活に支障を来す
- 知的障害・精神障害等がある
- 深刻な虐待が疑われる
- 家族の支援が期待できず、地域サービスも不十分
自立・要支援の方は対象外です。
介護老人保健施設(老健)は要介護認定が前提
老健は、要介護認定を受けていることが前提の施設です。横浜市の案内では、病状が安定期にある要介護1〜5の65歳以上の方(40〜64歳は特定疾病による場合)が対象と説明されています。自立の方の入居先にはなりません。
シルバーハウジングは生活援助員が配置される住まい
シルバーハウジングは、公営住宅などに生活援助員(入居者の相談や安否確認などを行う人)を配置する住まいです。対象は次のとおりとされています。
- 60歳以上の単身者、夫婦のどちらかが60歳以上の世帯、高齢者のみの世帯のいずれか
- 自炊は可能だが、独立して生活するには不安がある
- 住宅困窮度が高く、家族の援助が困難
生活援助員は、生活指導・相談、安否確認、一時的な家事援助、緊急時の対応などを行います。厚生省の通知(平成2年)にもとづく記述で、現行の募集条件は自治体ごとに異なるため、お住まいの自治体に確認してください。
入居後に要介護になったら:住み替え・契約解除の確認点
介護サービスの提供場所を確認する
入居後に心身の状態が変わる可能性があるため、要介護になったとき同じホームで介護を受け続けられるのか、住み替えが必要になるのかは、入居前に確認しておきたい事項です。有料老人ホーム設置運営標準指導指針は、介護サービスの提供場所を、契約で定めたホーム内か、提携ホーム(入居契約書に住み替えが明定されたもの)とするよう求めています。
- 要介護になった場合、居室のまま介護を受けられるか
- 介護居室など別の居室に移る場合、その費用負担はどうなるか
- 提携ホームへの住み替えが想定される場合、契約書に明記されているか
契約解除や介護居室への変更の手続き
同指針は、一定の要介護状態を理由に契約を解除したり、介護居室へ変更したりする場合には、医師の意見を聴くこと、本人または身元引受人等の同意を得ること、一定の観察期間を設けることを、入居契約書か管理規程に明記するよう求めています。家賃相当額の差額の扱いについても検討することとされています。
入居者の権利を不当に狭めない
事業者から契約を解除できるのは、信頼関係を著しく害する場合に限るなど、入居者の権利を不当に狭めないよう指針は求めています。「要介護になったら退去」という運用が想定される場合は、どのような要件で、誰の意見や同意を経て、どのような猶予のもとで行われるのかを、契約前に書面で確認してください。
サ高住の場合は、長期入院を理由に事業者から一方的に契約を解約できないことが登録基準に含まれます。
費用の目安:類型ごとの平均額
自立の方だけの平均額は確認できていない
自立の方だけを対象にした公的な平均額は、本記事で確認した資料では示されていません。そのため、月額に含まれる範囲(見守り・食事・生活支援)が契約書・重要事項説明書でどう書かれているかを、施設ごとに比べることが大切です。
総額費用の平均(令和5年度の調査)
厚生労働省の検討会資料(2025年4月28日)は、令和5年度の老人保健健康増進等事業の調査結果を引用しています。それによると、要介護の方を含む月額の総額費用の平均は次のとおりです。
| 類型 | 総額費用の平均(月額) | 内訳の例 |
|---|---|---|
| 介護付き有料老人ホーム | 264,507円 | 居住費相当125,548円、食費50,573円 |
| 住宅型有料老人ホーム | 120,972円 | 居住費相当44,444円、食費41,993円、自費基本サービス費27,913円 |
| サ高住(特定施設以外) | 158,163円 | 居住費相当63,439円、食費47,934円 |
同じ資料では、平均要介護度は住宅型が2.7、介護付きが2.3、サ高住が1.8とされています。入居者の要介護度が異なるため、金額の差は施設の設備だけでなく、受けているサービスの量の違いも含みます。
金額を見るときの注意
- 平均額であり、個々の施設の金額とは大きく異なる場合がある
- 見守りや生活支援の費用が月額に含まれるか別料金かは、施設ごとに異なる
- 入居一時金の全国平均は、本記事で確認した公的資料では示されていないため記載しません
- 軽費老人ホームの費用は、横浜市の例のように所得に応じて事務費が変わる場合がある
有料老人ホームの契約金については、次のとおりです。
- 敷金は6か月分以下で、原状回復費用を除き全額を返還する
- 前払金は、入居開始可能日前に契約を解除した場合は全額返還が必要
- 前払金の内金は20%以内
- 老人福祉法第29条の保全措置(前払金を保全するための措置)が必要
契約前の確認チェックリスト
書面で確認すること
契約書や重要事項説明書では、次の事項を確認します。標準指導指針は、これらを契約書に明示するよう求めています。
- 施設の類型と、サ高住としての登録の有無
- 利用料等とサービス内容
- 入居開始可能日
- 身元引受人の権利義務
- 契約解除の要件
- 前払金の返還の算定方式と時期
- 介護サービスの提供場所・内容・頻度・費用負担
指針は、契約締結前に十分な時間的余裕をもった説明と、説明した人・受けた人の署名を求めています。その場で決めず、検討する時間を求めて構いません。
見学・体験入居で確かめること
既存のホームは、体験入居の機会を確保するよう努めることとされています。自立で入居する場合は、他の入居者の年齢や要介護度、食事の時間や内容、外出や外泊のルール、共用部分の雰囲気を、実際に確かめておくとよいでしょう。
施設に聞いておきたい質問
- 自立の状態で入居できるか。年齢や身元引受人などの条件は何か
- 要介護になったとき、同じ居室で暮らし続けられるか。住み替えが必要になる条件は何か
- 要介護になった場合の月額費用はどう変わるか
- 認知症や入院など、身体状況の変化があったときの対応方針
- 退去時の返還金の算定方法
- 運営法人の事業継続の見通しや、前払金の保全措置の有無
回答が口頭だけだと、後で言った言わないになりかねません。書面で受け取ってください。
身元引受人と家族の関わり
標準指導指針は、身元引受人の権利義務を契約書に明示するよう求めています。契約書に明示される身元引受人の権利義務の内容は、家族で確認してください。自立で入居する場合でも、将来の体調変化に備えて、家族の連絡先と役割分担を整理しておかないと、いざというときに対応が遅れかねません。
遠方に住む家族がいる場合は、緊急連絡の方法や面会のルール、入居中の様子を家族がどう把握できるかも施設に確認してください。
制度変更の注意と相談窓口
有料老人ホームの登録制度(令和8年法律第51号)
令和8年法律第51号「社会福祉法等の一部を改正する法律」により、中重度等の要介護者を入居させる有料老人ホームに都道府県等への登録制度が導入されます。施行は令和9年4月1日が原則で、改正事項により異なります。対象は中重度等の要介護者を入居させる有料老人ホームです。
検討中の施設が対象かは、施設と届出先の自治体に確認してください。登録の対象や基準の詳細は、厚生労働省や自治体の案内で確認できます。
届出・指導の窓口
有料老人ホームの届出・指導は、都道府県・指定都市・中核市が行います。施設の届出内容や、不安がある場合の相談は、これらの窓口が関係します。
地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談窓口で、全国5,487か所、ブランチ等を含めると7,374か所あります(令和7年4月)。介護や福祉の相談を幅広く受け付けており、相談先の一つとして最寄りのセンターがあります。住まいの相談の対応範囲はセンターによって異なる可能性があるため、まず電話で相談内容を伝え、対応できるかを確認してください。
まとめ
この記事のポイント
- 自立でも入居できる施設はあるが、可否は施設の種類と、施設ごとの入居要件で決まる
- サ高住は60歳以上、軽費老人ホームは原則60歳以上が対象。有料老人ホームは施設の入居要件による。特養は原則要介護3以上、老健は要介護認定が前提で、自立の方は対象外
- 入居者の多くは要介護の方という前提で、見学や体験入居で雰囲気を確かめる
- 入居後に要介護になったときの対応(提供場所・契約解除の手続き・費用)を、契約前に書面で確認する
- 法改正で制度が変わることがあるため、最新の情報は自治体や地域包括支援センターで確認する
次に取る行動
- 気になる施設の入居要件と重要事項説明書を取り寄せる
- 自立の状態で入居できるか、要介護になったときにどうなるかを書面で確認する
- 見学・体験入居で周囲の入居者や雰囲気を確かめる
- 判断に迷う場合は、地域包括支援センターなどの相談先に相談する
この記事は、特定の施設の評価や選定を行うものではありません。当サイトの編集方針はこのサイトの立ち位置に記載しています。