親の介護が始まると、通知書や施設の見積書で「住民税非課税世帯なら安くなる」という言葉に出会います。ただ、「非課税」は制度ごとに見る範囲が違い、介護サービスの1〜3割負担は非課税かどうかでは決まりません。この記事では令和8年(2026年)8月以降の数値を軸に、厚生労働省・自治体の一次情報から違いを整理します。次の3場面で扱いが変わります。
- 介護保険料(65歳以上の月々の保険料)
- 施設・ショートステイの食費と居住費(負担限度額認定)
- 1か月の自己負担の上限(高額介護サービス費)
住民税非課税世帯とは
住民税非課税世帯とは、一般には世帯全員が住民税(市町村民税・都道府県民税)を課税されない世帯を指します。介護保険の負担軽減の多くが「住民税の課税状況」を基準に線引きされているため、この言葉が出てきます。
定義と対象範囲
住民税には、所得に応じて計算される「所得割」と、定額で負担する「均等割」があります。所得割の仕組みは地方税法にもとづき全国一律ですが、均等割が非課税になる限度額は市町村の条例で定められています(総務省「個人住民税の基礎控除等について」令和8年5月29日)。非課税になる収入の目安は、自治体や地域区分によって少しずつ変わります。
生活保護の生活扶助を受けている人や、障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で合計所得が135万円以下の人も、一般に非課税とされています。詳細はお住まいの自治体の資料で確認してください。
「本人が非課税」と「世帯全員が非課税」は別
- 本人が非課税:本人は住民税を課税されないが、同じ世帯に課税される人(働いている子や配偶者など)がいる状態
- 世帯全員が非課税:本人だけでなく、同じ世帯の全員が課税されない状態
年金だけで暮らす親が非課税でも、同居している子が住民税を納めていれば、親は「本人非課税・世帯課税」となり、「世帯全員非課税」には当たりません。多くの制度で、この違いが段階を分けます。
よくある誤解
「非課税なら自己負担が1割になる」「非課税なら施設費用がすべて安くなる」という理解は正確ではありません。負担割合は課税状況ではなく所得額で判定され、施設の食費・居住費の軽減は申請して認定を受けなければ適用されません。「非課税世帯=自動で全部軽減」ではない、というのがこの記事の出発点です。
住民税が非課税になる収入の目安と「82.65万円」
「年収いくらまでなら非課税か」は、家族構成と住んでいる地域で変わります。
均等割の非課税限度額の式
国の資料(厚生労働省 生活保護基準部会資料)では、均等割の非課税限度額は次の式で示されています。
- 35万円 ×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)+ 10万円
- 同一生計配偶者または扶養親族がいる場合は、さらに21万円を加算
これに、お住まいの地域の級地(1〜3級地)に応じた係数が関わり、級地により係数が異なります。実際の限度額は市町村の条例で決まり、収入に直すといくらになるかは自治体の案内で変わります。ご自身の場合は、市区町村の窓口やホームページで確認してください。
「年金収入82.65万円」は非課税の線ではない
介護保険の資料には「年金収入等が80万円(現在は82.65万円)以下」という基準がたびたび出てきます。これは介護保険料の段階や施設費用の軽減段階を分けるための基準で、住民税の非課税限度額とは別の数字です。混同しないよう注意してください。この基準額は年金額の改定に連動して見直されてきました。ただし、制度によって切り替わる時期が違います。
- 介護保険料の段階判定:令和8年4月から82.65万円(旧80.9万円)
- 補足給付(負担限度額認定):令和8年8月から82.65万円(自治体案内で採用が確認できます)
- 高額介護サービス費:令和8年8月に82.65万円へ見直される予定とする厚労省資料があります(自治体の表記は更新前のものもあります)
補足給付の場合の年ごとの変遷は次のとおりです。
| 適用開始 | 年金収入等の基準額(補足給付の場合) |
|---|---|
| 令和6年8月 | 80万円 |
| 令和7年8月 | 80.9万円 |
| 令和8年8月 | 82.65万円 |
非課税世帯で変わる3つの場面の全体像
介護の費用で住民税の課税状況が関わるのは、主に次の3つです。判定の単位や手続きがそれぞれ異なります。
| 制度 | 何が軽くなるか | 課税状況の見方 | 申請 |
|---|---|---|---|
| 介護保険料(65歳以上) | 市町村ごとの月々の保険料 | 第1〜3段階は世帯全員が非課税 | 通知書で段階を確認 |
| 負担限度額認定(補足給付) | 施設・ショートステイの食費と居住費 | 世帯全員(別世帯の配偶者を含む)が非課税。預貯金要件あり | 申請が必要 |
| 高額介護サービス費 | 1か月の介護サービス自己負担の上限 | 世帯全員が非課税なら上限が下がる | 申請方法は市町村で異なる(窓口で確認) |
1〜3割の負担割合は、この表の外にある別の判定です。
介護保険料はどう変わるか
65歳以上の保険料は、市町村が定める「基準額」(第5段階の月額)に、所得段階ごとの乗率を掛けて決まります。段階の作り方は介護保険料の所得段階を解説した記事で詳しく扱っています。
第1〜3段階は世帯全員が非課税
国の標準では、第9期(令和6〜8年度)の保険料は13段階です。第1〜3段階が世帯全員が住民税非課税の人、第4・5段階が本人は非課税で世帯に課税者がいる人、第6段階以降が本人が課税される人にあたります。非課税世帯の中の分かれ方は次のとおりです(基準額の82.65万円は令和8年4月から)。
- 第1段階:生活保護を受けている人、老齢福祉年金を受給している人、または世帯非課税で年金収入等が82.65万円以下の人
- 第2段階:世帯非課税で、年金収入等が82.65万円を超え120万円以下の人
- 第3段階:世帯非課税で、年金収入等が120万円を超える人
公費による軽減後の乗率
第1〜3段階の乗率には、公費による軽減が行われています。第9期の標準乗率と軽減後の乗率は次のとおりです。
| 段階 | 標準乗率 | 公費軽減後 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 0.455 | 0.285 |
| 第2段階 | 0.685 | 0.485 |
| 第3段階 | 0.690 | 0.685 |
第3段階は軽減の幅が小さい点に注意してください(厚生労働省 介護保険部会資料)。
仙台市の例で見る月額
実際の保険料は、基準額×乗率で市町村ごとに異なります。仙台市は第9期の基準額が月6,079円で、第1・2段階の乗率は0.285です。計算すると、6,079円×0.285≒約1,700円です。
仙台市は第3段階が×0.395、第4段階が×0.685で、全体は16段階です。国の標準と乗率が違うのは、自治体が独自に段階を設けている例です。お住まいの市町村の通知書に載る段階と乗率が、実際の判断材料になります。
令和8年度の基準額見直しと特例
令和8年4月から、保険料の段階判定に使う基準額が80.9万円から82.65万円に見直されました。令和8年度は、税制改正の影響が保険料の段階に及ばないよう遮断する特例が設けられています(厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1465」、介護保険部会資料)。通知書の段階が見通しと違うと感じたときは、市町村の窓口に確認してください。
負担限度額認定とは(施設の食費・居住費)
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設に入所したとき、またはショートステイを利用したときの食費と居住費は、原則として自己負担です。住民税非課税世帯で資産が一定以下の場合に、この負担に上限を設けて差額を介護保険から給付するのが「負担限度額認定」(特定入所者介護サービス費、補足給付とも呼ばれます)です。制度全体は特定入所者介護サービス費を解説した記事にあります。
段階と預貯金の要件
認定には世帯の課税状況に加えて、預貯金額の要件があります。令和8年8月からの区分は次のとおりです(厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1506」)。
| 段階 | 対象 | 預貯金(単身/夫婦) |
|---|---|---|
| 第1段階 | 生活保護受給者、または世帯全員(別世帯の配偶者を含む)が非課税の老齢福祉年金受給者 | 生活保護は要件なし。それ以外は1,000万円/2,000万円以下 |
| 第2段階 | 世帯全員が非課税で、年金収入(非課税年金を含む)と合計所得の合計が82.65万円以下 | 650万円/1,650万円以下 |
| 第3段階① | 同じく82.65万円超〜120万円以下 | 550万円/1,550万円以下 |
| 第3段階② | 同じく120万円超 | 500万円/1,500万円以下 |
| 第4段階 | 世帯に課税者がいる、または本人が課税 | 対象外 |
この判定には、遺族年金や障害年金といった非課税年金も含めた収入を使います。住民税が非課税でも、非課税年金を合わせると第2段階の線を超えて第3段階になる人もいます。第3段階が①と②に分かれたのは令和3年8月の改正です(Vol.997)。
Vol.1506には、82.65万円への見直しは追って通知するという趣旨の注記があります。一方、品川区(2026年8月改正版の案内)や大垣市(令和8年度版)の案内は82.65万円を採用しています。申請時は、お住まいの自治体の最新の案内を確認してください。
食費の日額(令和8年8月〜)
| 区分 | 施設の食費(日額) | ショートステイの食費(日額) |
|---|---|---|
| 基準費用額(認定なしの目安) | 1,545円 | — |
| 第1段階 | 300円 | 300円 |
| 第2段階 | 390円 | 600円 |
| 第3段階① | 680円 | 1,030円 |
| 第3段階② | 1,420円(前は1,360円) | 1,360円 |
30日分で比べると、基準費用額の1,545円では46,350円、第3段階②の1,420円では42,600円、第1段階の300円では9,000円です(日額×30日の単純計算で、実際の請求は日数や施設の設定によります)。
居住費の日額(部屋のタイプ別)
居住費は、部屋のタイプと施設の種類で基準費用額と限度額が異なります。多床室は相部屋、従来型個室は一般的な個室、ユニット型個室は少人数のグループで生活する個室です。令和8年8月からの日額は次のとおりです。
| 部屋のタイプ | 基準費用額 | 第1段階 | 第2段階 | 第3段階① | 第3段階② |
|---|---|---|---|---|---|
| 多床室(特養等) | 915円 | 0円 | 430円 | 430円 | 530円 |
| 多床室(老健・介護医療院、室料徴収) | 697円 | 0円 | 430円 | 430円 | 530円 |
| 多床室(室料なし) | 437円 | 0円 | 430円 | 430円 | 430円 |
| 従来型個室(特養等) | 1,231円 | 380円 | 480円 | 880円 | 980円 |
| 従来型個室(老健・介護医療院等) | 1,728円 | 550円 | 550円 | 1,370円 | 1,470円 |
| ユニット型個室的多床室 | 1,728円 | 550円 | 550円 | 1,370円 | 1,470円 |
| ユニット型個室 | 2,066円 | 880円 | 880円 | 1,370円 | 1,470円 |
同じ非課税世帯でも、個室か多床室かで日額の差が大きく開きます。見積書がどの区分で計算されているかを確認しておくと安心です(厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1506」)。
近年の居住費の見直し経緯
令和7年8月の室料見直しでは、第1〜3段階の居住費の限度額は変わらず、差額は補足給付で補われます。
- 令和6年8月:居住費の基準費用額が日額60円引き上げられました(Vol.1280)。
- 令和7年8月:介護老人保健施設(その他型・療養型)と介護医療院II型の多床室に、室料相当額の控除が導入されました(月額約8千円)。基準費用額は697円で、第1〜3段階の限度額は変わらず、差額は補足給付が負担します(Vol.1397)。
課税世帯の特例減額
世帯に課税者がいれば本来は第4段階で対象外ですが、市町村によっては救済的な取扱いがあります。群馬県太田市の案内では、次の条件などを満たすと第3段階②相当になるとしています(太田市の例)。
- 世帯が2人以上である
- 施設に入所している
- 世帯の年間収入から施設費用の見込額を引いた額が82.65万円以下
- 預貯金が450万円以下で、利用できる資産がない
- 保険料の滞納がない
他の自治体の扱いは異なる場合があります。該当しそうなときは、市町村の介護保険担当課に確認してください。
高額介護サービス費の上限はどう違うか
高額介護サービス費は、1か月に支払った介護サービスの利用者負担の合計が上限額を超えたとき、超えた分が払い戻される制度です。詳細は高額介護サービス費を解説した記事にまとめています。
所得区分ごとの月額上限
「世帯の上限」は同じ世帯の全員分の自己負担の合計に、「個人の上限」は本人分だけに適用される上限です。
| 区分 | 世帯の上限 | 個人の上限 |
|---|---|---|
| 生活保護受給者等 | 15,000円 | 15,000円 |
| 世帯全員が非課税で、老齢福祉年金受給者、または合計所得金額+課税年金収入額が基準額以下 | 24,600円 | 15,000円 |
| 世帯全員が非課税(上記以外) | 24,600円 | — |
| 課税世帯・課税所得380万円未満 | 44,400円 | — |
| 課税所得380万円以上690万円未満 | 93,000円 | — |
| 課税所得690万円以上 | 140,100円 | — |
2段目の基準額は、令和8年8月から82.65万円です。ただし、自治体の表記には80.9万円のままのものも残っています(板橋区の案内)。どちらの数字が使われているかは、お住まいの市町村の案内で確認してください。
対象外の費用に注意
福祉用具の購入費、住宅改修費、施設の食費・居住費は、高額介護サービス費の対象外です。食費・居住費は前章の負担限度額認定で軽減する別の制度のため、両方を組み合わせて考える必要があります。
医療費との合算
介護と医療の自己負担を年間で合算して軽減する制度もあります。仕組みは高額医療・高額介護合算療養費を解説した記事で扱っています。
1〜3割の負担割合は非課税かどうかでは決まらない
結論から言うと、非課税世帯でも負担割合は1割とは限りません。制度上の判定は住民税の課税状況ではなく、所得額です。
65歳以上の判定基準
| 負担割合 | 条件 |
|---|---|
| 3割 | 合計所得220万円以上で、年金収入+その他の合計所得が単身340万円以上/2人以上463万円以上 |
| 2割 | 合計所得160万円以上で、単身280万円以上340万円未満/2人以上346万円以上463万円未満 |
| 1割 | 上記以外。生活保護受給者・第2号被保険者も1割 |
この年金収入に、遺族年金・障害年金などの非課税年金は含まれません。判定は毎年7月下旬ごろに行われ、負担割合証が郵送されます。申請は不要です(札幌市の案内)。
自治体の案内の書き方
札幌市のように「市町村民税が非課税の人は1割」と案内している自治体もあります。所得が低い人が結果として1割に収まるためで、非課税かどうかそのものが判定基準なのではありません。非課税の確認と負担割合の確認は、別々に行うのが安全です。
非課税の確認方法と申請・更新の流れ
負担限度額認定など、申請が必要な制度では、非課税であることを書類で示す場面があります。
非課税証明書の取り方
非課税証明書は、証明年度の1月1日現在の住所地の市区町村で発行されます。内容は前年1〜12月の所得にもとづき、令和8年度の証明なら令和7年分の所得が基礎です。江東区の例では、1通300円(コンビニ交付は200円)です(江東区の案内)。手数料や交付方法は自治体ごとに違います。
認定の有効期間は毎年7月31日まで
負担限度額認定の有効期間は毎年7月31日までで、認定を受けていても毎年更新が必要です。自治体の例は次のとおりです。
- 品川区:申請を受理した月の1日から7月31日まで
- 大垣市:令和8年8月1日から令和9年7月31日まで
更新を忘れると有効期間が切れてしまうため、案内が届いたら期限に注意してください。
申請先と準備するもの
申請先は市区町村の介護保険担当課です。課の名称は自治体により違います。預貯金の要件があるため、その確認に関する書類が求められます。必要書類や様式は自治体で異なるので、窓口や自治体のホームページの案内(申請チェックリストなど)を確認してください。
世帯分離と配偶者の課税状況
「世帯分離をすれば負担が軽くなるのでは」という疑問はよく聞かれます。世帯分離の詳細は世帯分離を解説した記事にあります。
別世帯の配偶者も判定に使われる
負担限度額認定では、世帯分離をしても、配偶者(世帯分離中や内縁関係を含む)の課税状況が判定に使われます。別世帯の配偶者が課税されていれば、原則として第4段階です。預貯金も配偶者分と合算して見られます。DVや行方不明などの場合は除かれます。配偶者が別の区に住んでいる場合は、配偶者の非課税証明書の提出を求められることがあります(品川区の案内)。
世帯分離で判定が変わるかは窓口で確認する
子が課税されている場合に、親を世帯分離すると判定がどうなるかは、自治体ごとに扱いが異なります。世帯分離には他の制度への影響もあるため、手続きの前に市区町村の窓口で確認してください。
ケースで見る判定の違い
家族の形ごとに、3つの場面での扱いを並べます。数値は本記事で示した基準にもとづく考え方の例で、実際の判定は市町村が行います。
| ケース | 保険料の段階 | 負担限度額認定 | 高額介護の上限 |
|---|---|---|---|
| 親が年金のみで一人暮らし | 第1〜3段階のいずれか | 第1〜第3段階②(預貯金要件あり) | 世帯24,600円 |
| 課税される子と同居 | 第4・5段階 | 第4段階(対象外) | 課税世帯の区分(課税所得380万円未満なら44,400円) |
| 夫婦で一方が施設に入る | 世帯の課税状況による | 配偶者が課税なら原則第4段階 | 世帯全員が非課税なら24,600円 |
親が年金のみで一人暮らしの場合
親が単身で世帯全員(親のみ)が非課税なら、介護保険料は第1〜3段階のいずれかです。たとえば年金収入等が100万円なら、保険料は第2段階(82.65万円超〜120万円以下)、負担限度額認定は第3段階①(82.65万円超〜120万円以下)に当たります。第3段階①の食費は日額680円、預貯金は単身550万円以下が要件です。預貯金が要件を超えると、認定の対象外になる点に注意してください。
課税される子と同居している場合
親が非課税でも、同じ世帯に課税される子がいると、親は「本人非課税・世帯課税」となり、介護保険料は第4・5段階、負担限度額認定は第4段階(対象外)です。高額介護サービス費も世帯全員が非課税であることが要件のため、課税世帯の区分が基準となります。世帯分離をした場合の扱いは自治体ごとに異なり、他の影響もあるため、事前に窓口で確認してください。
夫婦で一方が施設に入る場合
夫婦の一方が施設に入り、もう一方が在宅で暮らす場合も、負担限度額認定では配偶者の課税状況と預貯金が合算されます。預貯金の要件は夫婦で1,650万円以下(第2段階)のように、単身より高く設定されています。配偶者が課税されていれば原則として第4段階です。
今後の見通しと次にやること
制度は変わりうる
ここまでの数値は、令和8年(2026年)8月以降のものです。第9期は令和6〜8年度で、令和9年度からの第10期には改定がありえます。補足給付では、認定証の切替時期の後ろ倒しや預貯金確認の2年に1回化が検討事項に挙がっていますが、決定ではありません(厚生労働省「補足給付の現状」令和8年5月27日)。給与所得控除の見直しにより、令和9年度分から単身者の非課税限度額(給与収入ベース)が110万円から119万円になる見込みともされています(総務省資料)。課税状況は毎年の所得で再判定されるため、収入や世帯構成が変われば段階も変わります。
次にやること
- 親本人と、同じ世帯の家族の課税状況を確認する(非課税証明書、通知書)
- 介護保険料の通知書で、自分の段階を確認する
- 施設入所やショートステイの予定があれば、負担限度額認定を申請する
- 分からないことは、市区町村の介護保険担当課か地域包括支援センターに相談する
相談先
市区町村の介護保険担当課は、負担限度額認定の申請先で、保険料の通知や高額介護サービス費の相談もできます。名称は自治体ごとに異なります(介護保険課、高齢福祉課など)。
地域包括支援センターは、市町村が設置する総合相談窓口です。担当地域のセンターは、市区町村の窓口やホームページで調べられます。介護が始まったばかりで何から手を付ければよいか分からない段階から相談できます。仕組みは地域包括支援センターを解説した記事で確認できます。
保険料や食費・居住費の負担をさらに抑える「境界層措置」という別の仕組みもあります。対象かどうかは窓口で確認してください。詳しくは境界層措置を解説した記事にあります。
まとめ
- 「非課税」は、世帯全員を見るのか本人だけを見るのかが制度ごとに違う。保険料の第1〜3段階と負担限度額認定は、世帯全員の非課税が前提
- 82.65万円は介護保険の段階を分ける年金収入等の基準で、住民税の非課税の線ではない
- 負担限度額認定は申請制で、預貯金要件があり、毎年7月31日までの有効期間ごとに更新が必要
- 1〜3割の負担割合は住民税の課税状況ではなく所得額で決まる
- 制度や数値は変わりうるため、最新の内容は市区町村の窓口で確認する
次の一歩は、家族の課税状況の確認、通知書の段階の確認、施設・ショートステイの予定があれば認定の申請、の順です。不明点は市区町村の介護保険担当課か地域包括支援センターへ相談してください。
保険料の軽減については介護保険料の減免制度を解説した記事もあわせてご確認ください。このサイトは特定の制度・事業者を評価・推奨するものではなく、公的情報を整理してお伝えする立ち位置です。詳しくはこのサイトについてをご覧ください。