特別障害者手当は、20歳以上で在宅生活を送る重度の障害がある人に支給される国の現金給付制度です。令和8年度の月額は30,450円で、障害者手帳を持っていなくても所定の診断書があれば申請できます。この記事では、支給要件、令和8年度の最新月額、所得制限、施設入所・長期入院時の扱い、介護保険の要介護認定との関係、障害者控除対象者認定書との違い、申請方法までを厚生労働省・自治体の一次情報にもとづいて解説します。
特別障害者手当とは何か
特別障害者手当とは、精神または身体に著しく重度の障害があり、日常生活において常時特別の介護を必要とする20歳以上の人に対して、国が現金を支給する制度です。手当を受け取るのは本人であり、施設の利用料補助や特定のサービスとの引き換えではなく、使いみちを限定されない現金給付という点が特徴です。
制度の根拠法と目的
この制度は、「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」(昭和39年法律第134号)を根拠としています。同法第1条は、障害のある児童や著しく重度の障害を持つ者に各種手当を支給し、福祉の増進を図ることを目的とすると定めており、第2条第3項では対象者を「二十歳以上であつて、政令で定める程度の著しく重度の障害の状態にあるため、日常生活において常時特別の介護を必要とする者」と定義しています。名称に「特別児童扶養手当」を含む法律ですが、実際には特別児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当、経過的福祉手当という4つの制度を1本の法律でまとめて規定しています。
現金給付である国の制度
特別障害者手当は市区町村の窓口で申請しますが、制度の設計と財源は国にあり、要件や金額の基準は法律・政令・厚生労働省の告示で全国一律に定められています(足立区の案内でも「国の制度」と明記)。自治体ごとに独自の上乗せをする性質の制度ではなく、申請から認定、支給までの実務のみを市区町村が担っています。
障害者手帳がなくても申請できる
この手当は、身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持を要件としていません。松山市や熊本県の案内にあるとおり、手帳を持っていない場合でも、都道府県・市区町村が定める所定様式の診断書を医師に作成してもらうことで申請できます。逆に手帳を持っていても、手帳の等級だけで自動的に対象になるわけではなく、診断書にもとづく障害の程度の審査を経る必要があります。
支給要件(対象になる人の条件)
特別障害者手当の支給要件は、年齢・居住状況・障害の程度の3点に整理できます。いずれか1つでも満たさない場合は対象外となるため、申請前に自分の状況を一つずつ確認しておく必要があります。
20歳以上・在宅であること
対象となるのは20歳以上の人です。20歳未満で同程度の重度障害がある場合は、別制度である障害児福祉手当の対象になります。また、堺市の案内にもあるとおり、特別障害者手当は「在宅」で生活していることが前提の制度で、後述するように障害者支援施設や特別養護老人ホームに入所している場合、また長期入院している場合は対象外となります。
障害の程度の目安(別表ア・イ)
障害の程度は、政令で定める「著しく重度の障害の状態」に該当するかどうかで判定されます。京都府の案内では、身体障害者手帳1級・2級相当の障害が2つ以上重複している場合、またはそれと同等以上の状態にある場合が目安とされています。判定は、視力0.03以下、聴力100デシベル以上、両上肢・両下肢の機能障害などの重い障害を列挙した「別表ア」(8項目)と、それよりやや軽い障害を列挙した「別表イ」(11項目)の組み合わせによって行われる仕組みです。
茨城県八千代町の案内では、具体的な目安として次のような状態が示されています。
- 重度の障害が2つ以上重複している状態
- 寝たきり等で日常生活動作がほぼ自分でできない状態
- 絶対安静が長期間続く状態
- 重度の精神障害で食事・用便・意思疎通などの日常生活能力がほぼない状態
要介護度との関係は「目安」にとどまる
一部の自治体案内では、要介護4・5に該当する程度の状態であれば対象になる場合があるといった説明がされることがあります。ただしこれはあくまで日常生活の重度さをイメージするための目安にとどまり、自動的に対象になるわけではありません。要介護認定と特別障害者手当の障害認定がなぜ別物なのかは、後の「介護保険の要介護認定との関係」で詳しく説明します。
支給額はいくらか(令和8年度の最新月額)
月額は毎年度見直されており、金額を確認する際は必ず最新年度の数値を確認する必要があります。
出典:厚生労働省「厚生労働省関係の主な制度変更(令和8年4月)について」をもとに作成。特別障害者手当の月額は、前年の全国消費者物価指数の変動に応じて毎年度4月に自動改定されます。
令和8年度の月額30,450円
令和8年度の月額は30,450円です。この金額は、厚生労働省が公表している「厚生労働省関係の主な制度変更(令和8年4月)について」に示されています。月ごとに振り込まれるのではなく、後述するとおり2月・5月・8月・11月の年4回、まとめて支給されます。
物価スライドで毎年度改定される仕組み
特別障害者手当の月額は、前年の全国消費者物価指数の変動に応じて毎年度4月に自動的に改定される「物価スライド制」を採用しています。上の図のとおり、令和8年度は前年の物価上昇を反映して増額されており、年によっては据え置きや減額となる可能性もあります。制度上、この改定は毎年度行われるものなので、記事や自治体ホームページに古い年度の金額が残っている場合は、厚生労働省が公表する最新の金額を確認することが重要です。
法律上の基準額との違い
法律の条文を直接確認すると異なる数字を目にすることがありますが、実際に受け取れる金額は30,450円で変わりません。「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」の条文には、特別障害者手当の基準額として「二万六千五十円」という金額が定められています。これは物価スライド改定が行われる前提となる法定の基準額であり、実際に支給される金額ではありません。実際の支給月額は、この法定基準額に毎年度の物価スライド率を乗じて算出され、令和8年度は30,450円となっています。
所得制限
この手当には所得制限があり、本人の所得だけでなく、生計を同じくする配偶者や扶養義務者の所得も審査の対象になります。所得が一定額を超えると、その年度は手当が支給停止となります。
出典:京都府「特別障害者手当のしおり」(全国一律の基準にもとづく本人の所得制限限度額を扶養親族0〜5人まで掲載)、神奈川県「障害児福祉手当、特別障害者手当(国制度)」(扶養3人までの例として同じ基準の数値を掲載)をもとに作成。同じ扶養親族数でも、配偶者・扶養義務者の限度額は本人より高く設定されています。
本人の所得制限限度額
本人の前年所得の限度額は、扶養親族の人数に応じて段階的に引き上げられる仕組みです。京都府の案内が示す対応表では、扶養親族の人数と限度額の関係は次のとおりで、扶養親族1人につきおよそ38万円ずつ加算されます。
- 扶養親族0人:375.8万円
- 扶養親族1人:413.8万円
- 扶養親族2人:451.8万円
- 扶養親族3人:489.8万円
- 扶養親族4人:527.8万円
- 扶養親族5人:565.8万円(以降、1人ごとに約38万円が加算される)
神奈川県の案内では、扶養3人までの例として375.8万円〜489.8万円という幅で示されていますが、これは京都府の対応表のうち扶養0〜3人の部分と同じ、全国一律の基準(特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令)にもとづく数値です。自治体によって基準が異なるわけではなく、案内している扶養人数の範囲が異なるために数字の幅が違って見えるにすぎません。前年の所得がこの限度額を超えると、その年度(8月から翌年7月まで)は手当が支給停止となります。
配偶者・扶養義務者の所得制限限度額
本人だけでなく、生計を同じくする配偶者や、本人と同一世帯の扶養義務者(父母や兄弟姉妹など)の所得も審査の対象です。神奈川県の案内では、配偶者・扶養義務者の限度額は扶養親族数に応じて628.7万円から696.2万円の範囲とされており、いずれも本人の限度額より高く設定されています。本人側と同様に扶養親族数に応じて段階的に定められていますが、公開情報では幅のみが示されています。配偶者や扶養義務者のうち1人でも限度額を超えていると、その人との関係にもとづいて手当が制限されることがあります。
扶養親族数による調整
所得制限限度額は、扶養親族の人数が増えるほど段階的に引き上げられます。京都府の案内では、扶養親族が1人増えるごとに限度額が引き上げられるほか、次のような加算措置も示されています。
- 老人控除対象配偶者・老人扶養親族がいる場合:限度額に10万円を加算
- 特定扶養親族(扶養している19歳以上23歳未満の子など)がいる場合:限度額に25万円を加算
世帯構成によって実際の限度額は変わるため、正確な金額は居住する市区町村の窓口で確認する必要があります。
なお、所得の審査は毎年8月に提出する「所得状況届」にもとづいて行われます(詳細は後述)。
施設入所者・長期入院者は対象外になる
この手当は「在宅」で常時の介護を必要とする人を対象とする制度のため、一定の施設に入所している場合や、長期間入院している場合は対象外となります。
障害者支援施設・特別養護老人ホーム入所者
障害者支援施設、特別養護老人ホームなどの施設に入所している間は、特別障害者手当の対象外となり、資格を失います(神奈川県や堺市の案内による)。これらの施設では、施設側が日常生活上の介護を提供する体制が整っているため、在宅での重度介護を前提とした本手当の対象からは外れる扱いです。入所した場合は速やかに市区町村へ届け出る必要があります。
有料老人ホーム・サ高住の扱いは要確認
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)については、施設の類型やサービス提供形態によって「在宅」扱いになるか「施設入所」扱いになるかが分かれる可能性があります。本記事で確認した一次情報の範囲では一律の扱いを明確に断定できなかったため、入居を検討する際は事前に市区町村の窓口で個別に確認することが望ましいです。
ここまでの施設入所者・長期入院者の扱いを整理すると、次のとおりです。
| 入所・入院先の種類 | 扱い |
|---|---|
| 障害者支援施設・特別養護老人ホーム | 対象外 |
| 3か月を超える入院 | 対象外 |
| ショートステイ | 在宅扱い(対象) |
| グループホーム(障害福祉サービス) | 在宅扱い(対象) |
| 有料老人ホーム・サ高住 | 施設類型により要個別確認 |
3か月を超える入院
病院、診療所または介護老人保健施設に継続して3か月を超えて入院している場合も、特別障害者手当の対象外になります(堺市の案内による)。短期的な入院であれば支給が続きますが、入院が長期化し3か月を超えた時点で資格を喪失するため、長期入院となる見込みがある場合は早めに窓口へ相談しておくことが望ましいとされています。
ショートステイ・グループホームの扱い
一方で、短期入所生活介護(ショートステイ)を利用している場合は、足立区の案内にあるとおり在宅扱いが継続され、特別障害者手当の対象になります。また松山市の案内では、グループホーム(障害福祉サービスの共同生活援助)に入居している場合も「在宅」として扱われるとされています。ここでいうグループホームは、認知症高齢者向けの介護保険サービスである認知症対応型共同生活介護(いわゆる介護保険のグループホーム)とは異なる障害福祉サービスの制度のため、自分が利用している、または検討しているサービスがどちらに該当するかを事前に確認しておくと安心です。
介護保険の要介護認定との関係
特別障害者手当の申請を検討する際、「要介護度がいくつなら対象になるのか」という疑問を持つ人は少なくありません。しかし、介護保険の要介護認定と特別障害者手当の障害認定は、制度の目的も審査基準もまったく別のものです。
要介護4・5はあくまで目安にすぎない
茨城県八千代町の案内などでは「要介護4、5に該当する程度の状態であれば対象になる場合がある」といった記述が見られます。これは、要介護4・5の状態像(寝たきりに近い状態や、意思疎通が難しい状態など)が、特別障害者手当が想定する「日常生活において常時特別の介護を必要とする」状態と重なりやすいことを説明する目安表現にすぎません。要介護4・5の認定を受けたことをもって、自動的に特別障害者手当の支給が決まるわけではない点に注意が必要です。
要介護認定と手当の障害認定は別の審査基準
要介護認定は、介護保険サービスの必要量を判定するために行われる審査です。訪問調査の結果や主治医意見書をもとに、コンピューター判定と介護認定審査会の審査を経て要支援1〜要介護5の区分が決まります。これに対して特別障害者手当の障害認定は、法律に定められた「著しく重度の障害の状態」に該当するかどうかを、所定様式の診断書にもとづいて市区町村が個別に判断するもので、審査の主体も基準もまったく異なります。両者の違いは次の表のとおりです。
| 要介護認定 | 特別障害者手当の障害認定 | |
|---|---|---|
| 目的 | 介護保険サービスの必要量(要支援1〜要介護5)を判定する | 「著しく重度の障害の状態」に該当するかを判定する |
| 判定主体 | 市区町村の介護認定審査会 | 市区町村(診断書にもとづく個別審査) |
| 判定基準 | 訪問調査結果・主治医意見書によるコンピューター判定+二次判定 | 所定様式の診断書(別表ア・イ等の基準) |
類似の考え方は、税制上の障害者控除でも採用されています。
介護保険法の要介護認定を受けられただけでは障害者控除の対象とはなりません。市町村長等の認定を受けたことが必要です。
出典:国税庁「No.1185 市町村長等の障害者認定と介護保険法の要介護認定について」
特別障害者手当についても同様に、要介護認定の結果だけで支給の可否は決まらず、手当専用の認定請求と診断書の審査が別途必要になると理解しておく必要があります。
障害者控除対象者認定書との違い
特別障害者手当とよく混同される制度に「障害者控除対象者認定書」があります。名称が似ているため同じ制度だと誤解されがちですが、目的も効果もまったく異なります。
特別障害者手当は現金給付、認定書は税額控除
ここまで解説してきたとおり、要件を満たす人に国が現金を支給する制度が特別障害者手当です。一方、障害者控除対象者認定書は、障害者手帳を持たない65歳以上の高齢者などを対象とする書類です。大阪市や船橋市の案内によると、認知症や身体の状態が一定の基準を満たす場合に、市町村長が個別に「障害者」または「特別障害者」のいずれかに該当すると認定します。この認定を受けることで、確定申告等の際に税金の所得控除(障害者控除・特別障害者控除)を受けられるようになります。認定区分と該当基準の対応関係は次の表のとおりです。
| 認定区分 | 該当基準(いずれかに相当する場合) |
|---|---|
| 障害者 | 認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱa・Ⅱb/身体障害者手帳3〜6級相当 |
| 特別障害者 | 認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲa・Ⅲb・Ⅳ・M/身体障害者手帳1〜2級相当 |
手当が現金を受け取る制度であるのに対し、認定書は税負担を軽くするための証明書という違いがあります。
認定書だけでは福祉サービスや手当は受けられない
この認定書は税の所得控除のみに利用可能で、福祉サービスの受給資格は生じない。
出典:船橋市「障害者控除対象者認定書を交付します」
つまり、障害者控除対象者認定書を取得しても、それだけで特別障害者手当が支給されたり、介護保険以外の福祉サービスが利用できるようになったりすることはありません。現金給付や福祉サービスの利用を希望する場合は、それぞれの制度ごとに別途申請が必要です。
両方の制度を併用できる場合もある
特別障害者手当と障害者控除対象者認定書は、認定の主体こそ市区町村で共通していますが、審査基準や申請窓口は別です。そのため、特別障害者手当を受給しながら、確定申告の際に障害者控除対象者認定書の交付を受けて所得控除を適用する、といった併用が可能な場合もあります。どちらか一方を取得したからもう一方は不要というものではなく、現金を受け取りたいのか、税負担を軽くしたいのかという目的に応じて、それぞれ個別に申請の要否を検討することが大切です。
申請方法・必要書類・支給の流れ
申請は書類の準備にやや時間がかかるため、早めに窓口へ相談して必要書類を確認しておくとスムーズです。
申請窓口と必要書類
申請窓口は、居住する市区町村の障害福祉担当課です。熊本県や松山市の案内によると、一般的に必要な書類は次のとおりです。
- 認定請求書
- 都道府県・市区町村が定める所定様式の診断書
- 所得状況届
- 本人名義の預金通帳等の口座情報
- マイナンバーが確認できる書類
なお、身体障害者手帳1・2級の一部の等級や、特別児童扶養手当1級の認定を受けている場合など、すでに重度の障害が公的に確認できるケースでは、診断書の提出が省略できる場合もあります。
診断書の作成要件
診断書は都道府県・市区町村が指定する所定様式を用い、医療機関名、診療科名、作成した医師の記名が必須です(広島市が公開している診断書様式の案内による)。電子カルテを用いて作成された診断書も認められますが、いずれの場合も、障害の状態を判定できるだけの具体的な記載が求められます。診断書の作成には日数がかかることが多いため、申請を検討する段階で早めに主治医に相談しておくことが望まれます。
支給月と支給サイクル(2月・5月・8月・11月)
支給は毎月ではなく、原則として毎年2月・5月・8月・11月の年4回、それぞれの前月分までをまとめて指定の口座に振り込む形で支給されます(熊本県、京都府、名古屋市など複数の自治体の案内で共通)。認定を受けた月の翌月分から支給対象となるのが一般的で、申請から実際の初回振込までには一定の期間がかかります。
毎年の所得状況届の提出
特別障害者手当を継続して受け取るためには、毎年8月に「所得状況届」を提出する必要があります。この届出により、前年の所得が所得制限限度額の範囲内かどうかが改めて審査され、限度額を超えていた場合はその年度の手当が支給停止となります。届出を提出しないと、所得にかかわらず支給が止まってしまうことがあるため、毎年忘れずに提出することが重要です。
他の年金・手当との調整
他の公的な年金や手当については、重複して受け取れる場合と、調整(減額・支給制限)の対象になる場合があります。
障害基礎年金との関係
「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」には、障害を支給事由とする年金給付を受けられるときは、その価額の限度で手当の支給を制限する旨の調整規定があります。名古屋市の案内が挙げる調整対象(詳細は次項)に、障害基礎年金は含まれていません。ただし、これは名古屋市の案内における例示にとどまり、案内内容が自治体や個別の受給状況によって異なりうるため、障害基礎年金との併給の可否を一律に断定できるものではありません。年金を受給中の方は、申請時に窓口で併給の可否を確認してください。
併給調整の対象になる手当
名古屋市の案内によると、次の手当・給付を受給している場合は特別障害者手当の支給額が調整されます。
- 原爆被爆者に対する介護手当
- 公害健康被害の補償に関する法律にもとづく障害補償費
- 予防接種法にもとづく障害年金
これらは、同じ「重度の障害による常時介護の必要性」を給付事由とする制度が重なるために調整が行われる例です。家族介護慰労金のように、要介護者本人ではなく介護する家族に支給される現金給付制度もありますが、こちらは特別障害者手当とは支給対象者が異なる別の制度です。自分が受給している、または受給を検討している他の給付がある場合は、併給調整の対象になるかどうかを申請窓口で確認しておくと安心です。
年金額が所得制限の判定に算入される点に注意
公的年金を受給している場合、その給付額は所得に算入されます(足立区の案内による)。つまり、年金の受給自体が特別障害者手当の支給を妨げるわけではないものの、年金額を含めた所得の合計が所得制限限度額を超えると、その年度は手当が支給停止になり得るということです。年金と手当をあわせて受け取れるかどうかを判断する際は、単純な併給可否だけでなく、所得制限の判定にどう影響するかまで確認しておく必要があります。
なお、本記事の内容は令和8年度時点のものであり、法律・政令の改正により要件・金額が将来変更される可能性があります。申請時は必ず市区町村の窓口で最新情報を確認してください。
まとめ
- 特別障害者手当は、20歳以上・在宅で著しく重度の障害があり常時特別の介護を必要とする人に支給される国の現金給付制度で、障害者手帳がなくても所定の診断書で申請できる。
- 令和8年度の月額は30,450円で、物価スライドにより毎年度4月に改定される。法律上の基準額(26,050円)は改定前の数値であり、実際の支給額とは異なる。
- 本人・配偶者・扶養義務者にはそれぞれ所得制限があり、扶養親族数に応じて限度額が調整される(毎年8月の所得状況届の提出も必須)。公的年金額も所得制限の判定に算入されるほか、原爆被爆者介護手当など一部の手当とは併給調整の対象になる場合がある。
- 障害者支援施設・特別養護老人ホームへの入所や、3か月を超える長期入院は対象外になる一方、ショートステイやグループホーム入居は在宅扱いが続く。
- 介護保険の要介護認定と特別障害者手当の障害認定は審査基準が別であり、要介護4・5はあくまで目安にすぎない。税額控除のための障害者控除対象者認定書とも目的が異なる別制度である。
まずは居住する市区町村の障害福祉担当課(または福祉事務所)に相談し、対象になりそうか確認するところから始めましょう。
このサイトは特定の施設やサービスを評価・推奨するものではありません。運営方針はこのサイトの立ち位置をご覧ください。