老人福祉センターとは|特A・A・B型の違いと利用条件・料金を厚労省資料で解説

老人福祉センターは、無料または低額で相談・健康増進・レクリエーションを提供する高齢者向けの地域施設です。種別、利用条件、デイサービスとの違いを紹介します。

目次

老人福祉センターは、要介護認定がなくても、原則無料か低額で使える高齢者向けの地域施設です。相談や健康づくり、仲間との交流の場になりますが、介護や送迎はしません。老人福祉法にもとづく施設で、令和6(2024)年10月1日時点で全国に1,820か所あります。入所して暮らす老人ホームとは違い、自宅で暮らす高齢者が通います。

この記事でわかること

  • 特A型・A型・B型の違い
  • 利用できる年齢と料金の目安
  • デイサービスや地域包括支援センターとの違い
  • 自治体ごとの運営例と、確認のしかた

老人福祉センターとは何か

法律上の定義と目的

老人福祉センターの根拠は老人福祉法です。第20条の7で、老人福祉センターは「無料又は低額な料金で、老人に関する各種の相談に応じるとともに、健康の増進、教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的とする施設」と定められています。

ポイントは、この定義に「入所」「居住」「介護」という言葉が出てこないことです。老人福祉センターは、暮らしの場ではなく、元気なうちから日中に出かけて相談したり、体を動かしたり、仲間と過ごしたりするための拠点として位置づけられています。

地方公共団体が設置する場合は、条例で細かな決まりを置きます。たとえば堺市の条例は、老人福祉法第15条第5項にもとづき、第20条の7に定める目的で老人福祉センターを設置すると定めています。同条例では、利用に年齢要件を置かず、市長の許可を受けて利用する仕組みで、利用は原則無料とされています。このように、同じ老人福祉センターでも、年齢や手続きの細部は自治体ごとの条例・規則で決まります。

老人福祉施設7種の中での位置

老人福祉法第5条の3は、老人福祉施設として次の7種類を挙げています。老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センターです。老人福祉センターはこの7種のひとつで、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は含まれません。

7種のうち、養護老人ホーム(第20条の4)は市区町村の決定(措置)による入所、軽費老人ホーム(第20条の6)は無料または低額な料金で入所させ食事の提供などを行う施設です。養護老人ホームや軽費老人ホームの仕組みは、養護老人ホームとはの記事でも詳しく取り上げています。これらが「入所施設」であるのに対し、老人福祉センターは地域の高齢者が出入りする「利用施設」です。

老人福祉施設7種の中での老人福祉センターの位置老人福祉法第5条の3の老人福祉施設7種のうち、養護老人ホーム・特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム・老人短期入所施設などに対し、老人福祉センターは自宅から通う利用施設で、老人福祉センターの利用には要介護認定が不要であることを示す図老人福祉施設(老人福祉法)7種入所・宿泊する養護老人ホーム特別養護老人ホーム軽費老人ホーム老人短期入所施設通う・相談する老人福祉センター(利用施設)老人デイサービスセンター老人介護支援センター老人福祉センターは要介護認定不要(居住機能のない利用施設)
老人福祉センターは7種の老人福祉施設のひとつで、暮らす場所ではなく地域の高齢者が通う利用施設です。

よくある誤解

名前に「老人」「福祉」と付くため、介護が必要な人のための施設だと受け取られることがあります。しかし、老人福祉センターの利用に要介護認定は必要ありません。介護保険サービスでもなく、入浴介助や送迎といった介護は、国の通達(設置運営要綱)が定める事業には含まれていません。

もうひとつの誤解は「老人ホームの一種で、そこで暮らせる」というものです。老人福祉センターに居住機能はありません。住まいを探している場合は、別の施設類型を検討することになります。

また、名称は自治体によって異なります。「老人福祉センター」という名前をそのまま使う自治体もあれば、独自の愛称や別の名称を使う自治体もあります。名称で探して見つからないときは、市区町村の高齢福祉担当窓口に、60歳以上が無料で使える交流・健康づくりの施設があるかを尋ねてみてください。

特A型・A型・B型の違い

老人福祉センターには、特A型・A型・B型の3種類があります。区分の根拠となっているのは、昭和52年8月1日付の通達「老人福祉法による老人福祉センターの設置及び運営について」(社老第48号)の別紙一「老人福祉センター設置運営要綱」です。以下は、その要綱に書かれている内容です。

3種類の比較

項目特A型A型B型
運営主体原則として市(区)町村地方公共団体または社会福祉法人同左(原則)
規模の目安800平方メートル以上495.5平方メートル以上165平方メートル以上495.5平方メートル未満
主な事業生活・健康相談、健康増進指導、生業・就労指導、機能回復訓練、教養講座、老人クラブ支援など特A型から健康増進指導を除いたもの生活・健康相談、教養講座など、老人クラブ支援
浴場ありあり定めなし

表のとおり、規模が大きいほど事業の幅が広い設計になっています。特A型は最も大規模で、健康増進指導や機能回復訓練まで含む総合的な拠点です。A型は特A型から健康増進指導を除いた内容、B型は相談・教養講座・老人クラブ支援を中心にした小規模な拠点という設計です。なお、通達の面積や設備の数字は昭和52年の通達にもとづく値であり、現在の各自治体の運用と異なる場合があります。

特A型・A型・B型の床面積の目安昭和52年の通達による床面積の目安は、特A型800平方メートル以上、A型495.5平方メートル以上、B型165平方メートル以上495.5平方メートル未満必要な床面積の目安(以上)特A型800㎡A型495.5㎡B型165㎡特A型はB型の下限の約5倍の広さB型は165㎡以上495.5㎡未満※昭和52年の通達による目安
規模の目安は昭和52年の通達にもとづく整理で、現在の自治体の運用と異なる場合があります。

設備と職員の目安

設備は種別で差があります。特A型は相談室、機能回復訓練室、教養娯楽室、図書室、浴場などを備える想定で、A型は診察室・検査室・栄養指導室・保健資料室・運動指導室を除いた構成で、浴場はあります。B型は管理人室、生活相談室、健康相談室、教養娯楽室、集会室などで、浴場の定めはありません。浴場を設ける場合は、公衆浴場法の許可が必要です。

職員は、特A型・A型が施設の長や相談・指導職員など、B型が管理のための職員などと例示されています。人数の基準ではなく職種の例で、他の社会福祉施設などの職員との兼務も認められています。

運営主体と運営の委託

運営主体は要綱上、特A型が原則として市(区)町村、A型・B型は地方公共団体または社会福祉法人とされています。自治体が設置し、運営を民間事業者や社会福祉法人などに任せる「指定管理者制度」を取る例もあり、西宮市の鳴尾の施設は、その方式で運営していると市の公式ページに記載されています。運営者が変わっても、利用条件は設置者である自治体の条例に沿って決まります。

老人福祉センターの事業内容

ここでは、設置運営要綱が示す事業を、利用者の目線で紹介します。実際にどの事業を行っているかは施設によって異なるため、最終的には各施設の案内で確認してください。

生活・健康に関する相談

どの種別にも共通するのが、生活相談と健康相談です。老人福祉法の定義にも「老人に関する各種の相談に応じる」とあり、相談は老人福祉センターの中心的な役割です。年金や住まい、家族との関係、日々の健康の悩みなど、ひとりで抱えがちな困りごとの入り口として使えます。

相談の結果、介護保険の利用が必要そうだと分かったときは、申請の方法を市区町村の窓口や地域包括支援センターに確認しましょう。老人福祉センターは相談の入り口のひとつ、と考えると分かりやすいでしょう。

健康増進・教養・レクリエーション

特A型には、栄養や運動に関する健康増進指導と機能回復訓練が事業として挙げられています。A型は健康増進指導を除くものの、教養講座やレクリエーションは行います。B型も教養講座などを実施します。法律の定義にある「健康の増進、教養の向上及びレクリエーション」の三つが、日常の利用の中心です。

利用者にとっては、教養講座や健康づくりの催し、浴室の利用といった形で目に見えます。ただし、これらの具体的な講座名や開催曜日は各施設が独自に設定するもので、全国共通ではありません。自治体の公式サイトや施設の掲示、広報誌で確認するのが確実です。

なお、機能回復訓練や運動の機会が設けられていても、医療行為や介護保険の機能訓練とは位置づけが異なります。持病や体調に不安がある場合は、かかりつけ医に運動の可否を相談してから参加すると安心です。

老人クラブへの援助・調査研究・広報

特A型・A型・B型を通じて、センターの事業には老人クラブへの援助が含まれています。特A型・A型には、さらに調査研究や広報も挙げられています。老人クラブそのものについては、後述の「老人クラブとの違い」で説明します。

生業・就労指導と付設作業所

特A型の事業には、生業・就労指導(必要に応じて、仕事や作業の機会を提供すること)も含まれます。付設作業所(別紙二)は、センターに併設して高齢者が作業に取り組む場で、床面積は99平方メートル以上、利用者は原則60歳以上とされています。実際に行っているかは施設により異なるので、利用を考える際は各施設に確認してください。

利用できる人と料金

利用対象と年齢の目安

設置運営要綱は、センター本体の利用者の年齢を明記していません(付設作業所のみ原則60歳以上)。一方、自治体の運用では「市内在住の60歳以上」を対象とする例が多く見られます。札幌市、横浜市、大阪市、仙台市、文京区、相模原市の施設の公式ページでは、いずれも60歳以上(または市・区内在住の60歳以上)が対象と案内されています。西宮市の鳴尾の施設も原則として市内在住の60歳以上です。

一方、前述の堺市の条例は年齢要件を置いていません。また、横浜市では60歳以上の本人に加えて付添者も対象に含まれます。このため、「自分は何歳から使えるのか」「市外に住む家族は同行できるのか」は、条例や施設案内で個別に確認する必要があります。

料金の考え方

通達は、利用料を原則無料としています。徴収する場合でも、利用に直接必要な経費を超えない額とされています。自治体が運営する場合は条例で、その他の主体が運営する場合は運営規程で、その額を定めます。

実際の自治体では、施設の利用そのものは無料で、材料費などの実費や浴室だけ別料金とする例が見られます。札幌市は施設利用が無料で材料費などは実費、浴室は1回250円(月・水・金)です。大阪市も無料で、一部の講座は有料です。千葉市の「いきいきプラザ」は市民無料で、浴室は100円です。金額や対象日は改定されることがあるため、必ず最新の案内を確認してください。

自治体差が生まれる理由

老人福祉センターは、国が全国一律の運営基準で運営する施設ではありません。国の通達は設置運営の考え方を示し、実際の開館時間・休館日・対象年齢・料金・手続きは、各自治体の条例・規則や運営規程で決まります。そのため、引っ越しをした場合や、親の住む地域の施設を調べる場合は、ネットで一般的な説明を読むだけでなく、必ずその自治体の公式情報に当たることが大切です。

利用方法と利用までの流れ

自治体の例から見た利用の流れ

自治体の案内を見ると、初回利用時に登録を求める例があります。札幌市は初回に利用登録証を発行し、大阪市は初回に利用証の登録を行います(大阪市では本人確認書類を使います)。文京区の湯島の施設では、一般入浴の前に高齢者健康相談を受ける必要があります。一方、相模原市の津久井の施設は、個人利用は当日申込とされており、初回登録は案内されていません。

これらの例から見た流れの一例は、次のとおりです。まず自治体の公式サイトで対象施設と利用条件を確認し、登録が必要な施設では窓口で初回の登録をします(書類は施設により異なり、大阪市のように本人確認書類を求める例があります)。その後は、講座や行事の予定を見ながら、必要に応じて申込をして参加します。細かい手順は施設ごとに異なるため、訪問前に電話などで確認すると安心です。

老人福祉センターを初めて利用するときの流れ公式サイトで対象施設と利用条件を確認し、登録が必要な施設では窓口で初回登録をし、その後講座や行事に参加するという、自治体の例から見た流れの一例。登録が不要な施設もある自治体の例から見た流れの一例1公式サイトで確認対象施設と利用条件を調べる2登録の要否と書類を確認書類は施設により異なる3窓口で初回登録登録が必要な施設のみ4講座・行事に参加予定を見て必要に応じて申込細かな手順は施設ごとに異なる訪問前に電話などで確認を
初回に登録を求める施設がある一方、登録不要の施設もあります。訪問前に電話などで確認すると安心です。

開館時間と休館日の目安

開館時間は9時台〜17時ごろが中心ですが、大阪市は10時開館、仙台市は原則9:30〜16:30など、施設により差があります。休館日は祝日・年末年始(12月29日〜1月3日)とする例が多く、大阪市と京都市は日曜も休みで、仙台市のように原則月曜休の例もあります。都市別の一覧は、後述の「自治体ごとの運営例」の表をご覧ください。

いずれも平日の昼間が中心のため、仕事をしている家族が付き添う場合は日程の調整が必要です。時間や休館日は各市の公式ページ掲載時点のもので、変更されることがあります。

家族が確認しておきたいこと

離れて暮らす親に利用を勧めたい場合は、次の点を事前に確認しておくとよいでしょう。

  • 親の住所の自治体に対象施設があるか
  • 親の年齢が対象に入るか
  • 料金(特に浴室など別料金の部分)
  • 行き帰りの手段(国の通達が定める事業に、送迎は含まれていません)
  • 初回登録に必要な書類

歩行や移動に不安がある、物忘れが心配、といった状態なら、センターだけで対応せず、地域包括支援センターに相談しましょう。地域包括支援センターとはの記事では、相談できる内容や窓口の探し方を紹介しています。

周辺の仕組みとの違い

老人福祉センターと混同されやすい、デイサービス・老人クラブ・通いの場・地域包括支援センターとの違いを紹介します。目的が違うため、どれか一つを選ぶというより、状況に合わせて組み合わせて使うものです。

デイサービス(通所介護)との違い

通所介護は介護保険のサービスで、要介護1〜5の人が対象です。要支援1・2の人は利用できません(要支援の方向けの別の仕組みがありうるので、市区町村や地域包括支援センターに相談してください)。利用定員は19人以上で、食事や入浴などの日常生活上の支援と機能訓練を受けます。費用は1割負担の場合、通常規模・7〜8時間未満の例で、要介護1が1回658円、要介護5が1回1,148円です(介護サービス情報公表システムの掲載時点)。

これに対して、老人福祉センターは要介護認定が不要で、原則無料または低額です。介護保険ではなく老人福祉法にもとづく福祉施設です。つまり、「介護が必要になったから通う」のがデイサービス、「要介護になる前から、健康づくりや交流のために通う」のが老人福祉センターと考えると分かりやすいでしょう。通所介護の詳しい内容は通所介護(デイサービス)とはの記事をご覧ください。

老人クラブとの違い

老人クラブは、地域の高齢者が自主的に活動する団体で、会員は60歳以上です。福祉行政報告例(令和5年度末)によると、全国の老人クラブは令和元年度の92,836クラブから、令和5年度末には77,596クラブに減っています。

老人福祉センターと周辺の仕組みの位置づけ老人福祉センターは老人福祉法の福祉施設で要介護認定不要・原則無料または低額。デイサービスは介護保険サービスで要介護1〜5、1割負担で1回658〜1,148円の例。老人クラブは60歳以上の自主的な地域団体、通いの場は住民主体の集まり、地域包括支援センターは総合相談の窓口目的が違う5つの仕組み老人福祉センター老人福祉法の福祉施設(利用型)要介護認定不要・原則無料か低額デイサービス(通所介護)介護保険サービス要介護1〜5・1回658〜1,148円(例)老人クラブ自主的な地域団体(60歳以上)会費等は各クラブで異なる通いの場住民主体の集まり費用は実施主体により異なる地域包括支援センター総合相談の窓口費用は各自治体の案内で確認状況に合わせて組み合わせて使う
本文の比較表を、性格と対象・費用の目安で整理したものです。費用は掲載時点の例です。

老人福祉センターは「施設(場所)」、老人クラブは「団体(人の集まり)」という違いがあります。センターの事業には、老人クラブへの援助が含まれています。一方、センターを使うための要件は、堺市の条例のように年齢を問わない例や、各市の案内のように60歳以上・在住などを対象とする例があり、老人クラブへの加入を求めていない例が確認できます。条件は自治体の案内で確認してください。

通いの場との違い

通いの場は、住民主体で月1回以上、体操や交流などを行う集まりを指します。厚生労働省の調査(令和5年度実施分、令和6年6月調査、1,741市町村が回答)では、通いの場は157,638か所、参加率は6.7%で、実施している市町村は1,710(98.2%)でした。公民館や集会所、空き店舗など、身近な場所で開かれるのが特徴です。

老人福祉センターが専用の建物と職員を備えた拠点施設であるのに対し、通いの場は住民が運営の主体となる、より小さな単位の集まりです。自宅の近くに通いの場があればそこへ、浴場や多様な講座を使いたければセンターへ、というように、距離や目的で使い分けられます。

地域包括支援センターとの違い

地域包括支援センターは、介護・福祉・健康・医療など、高齢者に関する総合相談を担う窓口で、権利擁護や介護予防の支援も行います。厚生労働省によると、令和7年4月末時点で全国に5,487か所(支所など出先の窓口を含めると7,374か所)あります。

老人福祉センターの相談が「身近な困りごとの入り口」だとすれば、地域包括支援センターは総合相談、権利擁護、介護予防の支援などを担う専門の窓口です。介護の心配が具体的になってきたら、早めに相談するのが近道になります。介護保険の申請方法は、市区町村の窓口でも確認できます。

ここまでの違いをまとめると、次のとおりです。

名称性格主な対象費用の目安
老人福祉センター老人福祉法の福祉施設(利用型)自治体の定める高齢者(60歳以上が多い)原則無料または低額
通所介護(デイサービス)介護保険サービス要介護1〜51割負担で1回658〜1,148円(例)
老人クラブ自主的な地域団体60歳以上の会員会費等は各クラブで異なる
通いの場住民主体の集まり地域の住民実施主体により異なる
地域包括支援センター総合相談の窓口高齢者・家族各自治体の案内で確認

自治体ごとの運営例

ここでは、公式ページで確認できた9つの自治体の例を挙げます。特定の施設の評価ではなく、仕組みの違いを知るために並べて紹介します。内容は掲載時点のものですので、利用前に必ず最新情報をご確認ください。

主要都市の比較

自治体対象時間・休み料金・その他
札幌市市内在住60歳以上9〜17時、祝日・12/29〜1/3休無料(材料費等実費)、浴室1回250円(月水金)、市内10施設、初回に利用登録証
横浜市市内在住60歳以上と付添者9〜17時無料、18施設
大阪市市内在住60歳以上10〜17時、日祝・12/29〜1/3休無料(一部講座有料)、26施設、初回に利用証登録
京都市60歳以上9〜17時、日祝・12/29〜1/3休無料、17施設
仙台市市内在住60歳以上原則9:30〜16:30、原則月曜休各施設の案内で確認

同じ60歳以上という条件でも、開館時間が30分〜1時間違う、休館日が違う、浴室の扱いが違うなど、細かな差があります。施設数も市の規模に応じて異なり、札幌市10施設、横浜市18施設、大阪市26施設、京都市17施設です。

名称・制度が異なる例

千葉市は「いきいきプラザ」「いきいきセンター」という名称で、「老人福祉センター」の名称は使っていません。60歳以上が対象で、プラザは市民無料、浴室は100円です。京都市には、無料の老人福祉センターとは別に、有料の「老人保養センター」があります。名前が似ていても、料金や位置づけが違う施設があるため、注意が必要です。

文京区の湯島の施設は、区内在住の60歳以上が対象で、9〜17時の開館です。一般入浴は火・水・金・土の12〜16時で、事前に高齢者健康相談を受ける必要があります。相模原市の津久井の施設は市内在住の60歳以上で無料、個人は当日申込です。西宮市の鳴尾の施設は原則市内在住の60歳以上で無料、指定管理者が運営しています。

条件が変わりうる例:柏市

柏市は令和8(2026)年2月に、老人福祉センターの条例改正の「案」を示しました。案には次の内容が含まれています。

  • 多世代での利用
  • 60歳未満や市外の人も利用できるようにすること
  • 金曜・土曜は20時まで開館すること
  • 入浴料を全利用者から徴収すること
  • 60歳未満の団体からの貸室料の徴収

背景には、利用者の減少、施設の老朽化、物価高があるとされています。これは案の段階の内容で、成立したかどうかはこの記事の執筆時点では確認できていません。長く通う施設でも、対象年齢・入浴料・開館時間は変わりうるため、広報誌や施設の掲示で最新の案内を確認してください。

お住まいの自治体の探し方

自治体名と「老人福祉センター」「高齢者の施設」「いきがい」などの言葉で公式サイトを探すと、施設一覧が見つかることが多くあります。見つからない場合は、市区町村の高齢福祉担当課、または地域包括支援センターに問い合わせると、名称が異なる施設も含めて教えてもらえます。

全国の老人福祉センターの数

令和6年社会福祉施設等調査の結果

厚生労働省の「令和6年社会福祉施設等調査の概況」(令和7年12月17日公表)によると、令和6(2024)年10月1日現在、老人福祉センターは全国で1,820か所です。内訳は、特A型207か所、A型1,181か所、B型432か所でした。A型が全体の6割強を占め、特A型は1割強にとどまります。

種別ごとの老人福祉センター数(令和6年)令和6年社会福祉施設等調査によると令和6年10月1日現在の老人福祉センターは1,820か所で、特A型207、A型1,181、B型432。A型が6割強を占める全国の老人福祉センター1,820か所令和6年10月1日現在特A型207A型1,181B型432A型が6割強・特A型は1割強老人福祉施設全体5,069か所の約36%
厚生労働省「令和6年社会福祉施設等調査の概況」の数値です。

参考として同じ調査では、老人福祉施設全体(有料老人ホームなどを除く)が5,069か所、そのうち養護老人ホームが918か所、軽費老人ホームが2,331か所でした。老人福祉センターは、老人福祉施設全体の約36%を占める計算になります。

統計を読むときの注意

この調査では、老人福祉センターは詳細票の調査対象に含まれていないため、定員・利用者数・従事者数の全国統計は公表されていません。したがって、「全国で何人が利用しているか」「利用者は増えているのか減っているのか」を、国の統計から示すことはできません。

また、ウェブ上の情報には、旧い時点の別の数値(特A型214、A型1,245、B型437など)が載っているものもあります。数値は調査年によって変わるので、引用するときは調査年と出典を確認してください。

利用するときの注意点

制度・条件は必ず最新の公式情報で確認する

老人福祉センターの条件は、自治体の条例・規則で決まり、改正されることがあります。この記事の数値や例は、記載した出典の掲載時点のものです。老人福祉法にもとづく制度でも、各自治体の条例・規則は改正されます。申込や利用の前に、お住まいの自治体の最新の案内を確認してください。

体調と安全面

センターの運動や入浴は、あくまで自己管理のもとで利用する場です。介護職員が付き添って支援するデイサービスとは違い、体調が悪くなっても十分な見守りが得られるとは限りません。持病がある方や、立ち上がり・歩行に不安がある方は、利用前にかかりつけ医へ相談し、必要なら家族が同行してください。

介護が必要な状態になったときの考え方

物忘れが増えた、入浴や食事の準備が難しくなってきた、といった変化があるときは、センターの利用だけで様子を見るのではなく、地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談しましょう。介護保険の申請方法も、市区町村の窓口で確認できます。老人福祉センターは、介護保険サービスの代わりにはなりません。

情報収集で気をつけること

施設数や条件は、調査年や掲載時期によって変わります。ウェブ上の情報は掲載時点が古い場合もあるため、確認する場合は、厚生労働省の統計や、自治体の公式サイトを基本にしてください。当サイトは、特定の施設の評価や順位付けを行わず、公的資料をもとに情報を並列に紹介する方針です。詳しくはこのサイトの立ち位置をご覧ください。

まとめ

  • 老人福祉センターは、老人福祉法第20条の7に基づき、無料または低額で相談・健康増進・教養・レクリエーションを提供する、入所しない地域利用型の施設です。
  • 特A型・A型・B型の区分は昭和52年の通達で示され、規模と事業の幅が異なります。令和6年10月時点で全国に1,820か所(特A型207、A型1,181、B型432)あります。
  • 利用料は原則無料で、対象は「市内在住60歳以上」とする自治体が多い一方、年齢要件を置かない条例もあり、手続き・時間・浴室料金は自治体ごとに異なります。
  • デイサービスは介護保険、老人福祉センターは要介護認定不要の福祉施設です。通いの場や老人クラブ、地域包括支援センターとは目的が異なります。
  • 介護が必要な状態なら、センターだけで様子を見ず、地域包括支援センターに相談を。条件も柏市の見直し案のように変わりうるため、利用前に最新の公式情報を確認してください。

なお、この記事は制度の一般的な説明であり、個別の状況に応じた判断は、お住まいの自治体や地域包括支援センターにご相談ください。当サイトの編集方針はこのサイトの立ち位置にまとめています。

よくある質問

老人福祉センターとは何ですか?

老人福祉法第20条の7にもとづく施設で、無料または低額な料金で高齢者の相談に応じ、健康の増進・教養の向上・レクリエーションの場を提供します。入所施設ではなく、自宅から通う地域利用型です。特A型・A型・B型の3種類があり、令和6年10月1日時点で全国に1,820か所あります。

老人福祉センターは何歳から利用できますか?

国の通達はセンター本体の年齢を明記しておらず、自治体の運用では「市内在住の60歳以上」とする例が多く見られます。札幌市・大阪市・仙台市などがこの形です。一方、堺市の条例のように年齢要件を置かない例もあります。お住まいの自治体の条例や施設案内で確認してください。

老人福祉センターの利用料はいくらですか?

通達上は原則無料で、徴収する場合も利用に直接必要な経費を超えない額とされています。実際には、施設の利用は無料で、浴室や材料費・一部講座のみ別料金という自治体があります(札幌市は浴室1回250円、千葉市のいきいきプラザは浴室100円)。金額は改定されうるため、最新の案内を確認してください。

老人福祉センターとデイサービスの違いは何ですか?

デイサービス(通所介護)は介護保険サービスで、要介護1〜5の人が対象です。食事・入浴などの支援と機能訓練があり、1割負担で1回658〜1,148円(通常規模・7〜8時間未満の例)です。老人福祉センターは要介護認定が不要で原則無料または低額で、国の通達が定める事業に介護や送迎は含まれていません。

要介護認定を受けていなくても利用できますか?

利用できます。老人福祉センターは老人福祉法にもとづく福祉施設で、介護保険サービスではないため、要介護認定は必要ありません。ただし、年齢や住所などの要件は自治体ごとに決まっています。介護が必要になってきたときは、地域包括支援センターなどに相談してください。

特A型・A型・B型は何が違いますか?

昭和52年の通達にもとづく区分で、規模と事業の幅が異なります。規模の目安は特A型が800平方メートル以上、A型が495.5平方メートル以上、B型が165平方メートル以上495.5平方メートル未満です。特A型は健康増進指導や機能回復訓練まで含み、A型は健康増進指導を除き、B型は相談や教養講座が中心です。

参考・出典

  1. 老人福祉法(日本法令外国語訳データベースシステム) (法務省・日本法令外国語訳DB)
  2. 堺市老人福祉センター条例 (堺市)
  3. 老人福祉法による老人福祉センターの設置及び運営について(昭和52年8月1日社老第48号) (厚生労働省)
  4. 多摩市資料(老人福祉センター設置運営要綱の抜粋) (多摩市)
  5. 介護サービス情報公表システム(通所介護) (厚生労働省)
  6. 令和6年社会福祉施設等調査の概況 (厚生労働省)
  7. 札幌市 老人福祉センター (札幌市)
  8. 横浜市 老人福祉センター (横浜市)
  9. 大阪市 老人福祉センター (大阪市)
  10. 京都市 老人福祉センター (京都市)
  11. 仙台市 資料(老人福祉センター) (仙台市)
  12. 千葉市 いきいきプラザ・いきいきセンター (千葉市)
  13. 文京区 湯島高齢者在宅サービスセンター等(老人福祉センター) (文京区)
  14. 相模原市 津久井老人福祉センター (相模原市)
  15. 西宮市 老人福祉センター(鳴尾) (西宮市)
  16. 令和5年度福祉行政報告例の概況 (厚生労働省)
  17. 通いの場の令和5年度実施状況調査の概要 (厚生労働省)
  18. 地域包括支援センターの概要 (厚生労働省)
  19. 柏市 老人福祉センター条例改正案に関する資料 (柏市)