介護予防訪問入浴介護は、要支援1・2の人が、病気などのやむを得ない理由で入浴の介護が必要なときに、自宅へ浴槽を持ち込んで入浴を手伝ってもらえる介護保険のサービスです。「予防給付」とは、要支援の人向けに用意された介護保険の給付のことで、要介護の人向けの訪問入浴介護とは別の仕組みとして定められています。この記事では、対象者、1回の流れ、人員・設備の基準、費用、加算、利用の流れ、統計までを、厚生労働省や自治体の資料にもとづいて整理します。
- 対象は、要支援1・2で、疾病などのやむを得ない理由により入浴の介護が必要な人です。
- 1回の訪問は看護職員1人と介護職員1人の2人体制で、基本は1回856単位です(自己負担1割で約856円の試算。地域の単価によって変わります)。
- 相談の窓口は、お住まいの地域の地域包括支援センターです。
先にお伝えしておくと、このサービスに対応している事業所は全国的に多くありません。介護予防を算定した事業所は219、請求事業所数は278という数字が出ています(詳しくは統計の章で説明します)。まずは地域包括支援センターで、お住まいの地域に対応できる事業所があるかどうかを確認するのが近道です。
介護予防訪問入浴介護とは
定義と法令上の根拠
介護予防訪問入浴介護は、介護保険法第8条の2第2項に定められた介護予防サービスの一つです。同項では、居宅で支援を受ける要支援者に対して、厚生労働省令で定める場合に、その居宅を訪問し、浴槽を提供して行う入浴の介護、と規定されています。つまり「自宅に浴槽を持ち込んで入浴を手伝う」ことが、法律上の中心的な内容です。
ここでいう「厚生労働省令で定める場合」について、介護保険法施行規則第22条の4では「疾病その他のやむを得ない理由により入浴の介護が必要なとき」とされています(熊本市の手引きにも同趣旨の記載があります)。要支援の人なら誰でも自由に使えるわけではなく、入浴の介護が必要な理由があることが前提になっています。
事業所が守るべき基準は、平成18年厚生労働省令第35号(指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準など)に、報酬の算定の基準は平成18年厚生労働省告示第127号に定められています。基準省令の基本方針では、利用者が可能な限り自宅で自立した生活を営めるよう入浴の支援を行い、清潔の保持や心身機能の維持回復を図り、生活機能の維持向上を目指すとされています。
要介護の訪問入浴介護との違い
要介護1〜5の人が使う訪問入浴介護は、介護保険法第8条第3項の「居宅サービス」です。一方、介護予防訪問入浴介護は第8条の2第2項の「介護予防サービス」で、給付の種類でいえば予防給付に当たります。浴槽を積んだ入浴車で訪問して入浴の介護を行う点は共通していますが、人員の基準も報酬も、それぞれ別に定められています。要介護側の仕組みは、訪問入浴介護の基本を解説した記事で説明しています。
図の内容に、根拠条文とケアプランの窓口を加えて表にまとめると、次のとおりです。
| 項目 | 予防(要支援1・2) | 要介護(1〜5) |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 介護保険法第8条の2第2項 | 介護保険法第8条第3項 |
| 1回の訪問に入る職員 | 看護職員1人+介護職員1人(計2人) | 看護職員1人+介護職員2人(計3人) |
| 基本単位(1回) | 856単位 | 1,266単位 |
| ケアプランの窓口 | 一般に地域包括支援センター(委託により居宅介護支援事業所が関わる場合もある)。詳しくは市区町村・地域包括支援センターに確認 | 一般に居宅介護支援事業所のケアマネジャー。詳しくは市区町村に確認 |
「単位」とは、介護保険のサービス料金を表す共通の数え方で、地域ごとの単価(1単位あたりの円)を掛けると金額になります。
よくある誤解
よくある誤解の一つが「要支援なら訪問入浴は使えない」というものです。要支援1・2の人も、やむを得ない理由があるときは対象になります。ただし、実際に利用している人は全国でも多くありません。
もう一つは「要介護の訪問入浴と同じ内容を安く使える」という理解です。単位数や人員体制が異なるため、同じ内容の割引版ではありません(違いは前述の表のとおりです)。入浴の目的も、基本方針にあるとおり、生活機能の維持向上を目指して清潔を保つという位置づけです。
対象者と「やむを得ない理由」
利用できる人の条件
利用できるのは、次の条件をすべて満たす人です。
- 要介護認定で「要支援1」または「要支援2」と認定され、自宅で生活していること。
- 「疾病その他のやむを得ない理由により入浴の介護が必要なとき」に当たること。
- 介護保険の被保険者で、認定の有効期間内であること(他の介護保険サービスと同じ前提です)。
要介護認定をまだ受けていない場合は、先に市区町村への申請が必要です。申請から認定までの流れは、市区町村の介護保険担当窓口か、地域包括支援センターで案内を受けられます。
「やむを得ない理由」の考え方
「やむを得ない理由」に当たる具体例は、今回確認できた国の公的資料には見当たりませんでした。そのため、どのような状況が該当するかは、この記事では断定できません。該当するかどうかは、市区町村、担当のケアマネジャー、地域包括支援センターに確認してください。具体例が示されていない以上、自己判断せず、まず地域包括支援センターに状況を伝えるのが確実です。
主治医の意見との関係
入浴は、体調の変化や皮膚の状態に配慮が必要な行為です。そのため、利用にあたって主治医の意見を確認することは、運営の基準の面でも重視されています。後の章で触れるように、看護職員の代わりに介護職員が入浴を担当できる場合も、主治医の意見にもとづく判断が条件です。
利用を考え始めたら、かかりつけ医に「自宅で入浴の介護を受けても支障がないか」を相談しておくと、ケアプランを作る際の話が進みやすくなります。
サービス内容と1回の流れ
訪問から入浴までの流れ
看護職員と介護職員が、浴槽を積んだ入浴車などで利用者の自宅を訪問します。基本の流れは、利用者の状態の確認、浴槽の設置、入浴の介護、入浴後の整え、浴槽の片付けの順です。事業所側には、専用の区画、浴槽、車両、感染症予防のための設備が必要とされています。
入浴の可否は、その日の状態をふまえて判断されます。入浴してよいかどうかについて、国の資料では数値基準を確認できませんでした。当日入浴できるかは事業所やケアマネジャーに確認してください。
清拭・部分浴になる場合
清拭(せいしき)とは、湯につかるのではなく、体を拭いて清潔にすることです。部分浴は、洗髪や足の洗浄など、体の一部だけを洗うことをいいます。全身入浴が難しい日は、これらに切り替わることがあります。
算定の基準では、全身入浴が困難で、利用者の希望により、洗髪、陰部、足部などの洗浄を行った場合に、清拭または部分浴として100分の90で算定する扱いがあります(算定とは、報酬を請求できる扱いにすることです)。体調などの理由で入浴を見合わせた場合は、算定できないとされています。当日の体調によって、全身入浴、部分浴、見合わせのいずれかになりうるサービスです。見合わせになったときの連絡や料金の扱いは、事業所の重要事項説明書(サービス内容や料金などを説明する書面)に書かれています。
安全への配慮と禁止事項
病状が急に変わったときは、速やかに主治医等へ連絡することが求められています。利用者の身体拘束は、緊急やむを得ない場合を除いて禁止されています。サービスの提供記録は、サービスが完結した日から2年間保存するものとされており、気になる点があるときは、事業所やケアマネジャーに相談できます。
管理者は常勤の専従で、他の業務との兼務が認められる場合もあります。1回の訪問は、通常は看護職員1人と介護職員1人で行います(状態により介護職員2人で行う場合もあります)。
人員・設備の基準
この章は事業所側の基準の話です。家族が知っておくとよい点に絞って説明します。
人員の基準(予防は2人体制)
事業所には、看護職員(看護師または准看護師)1人以上と介護職員1人以上の配置が必要で、うち1人以上は常勤とされています。1回の訪問に入るのは、予防では看護職員1人と介護職員1人の計2人、要介護では看護職員1人と介護職員2人の計3人です。予防と要介護の違いは前述の表のとおりです。
介護職員が看護職員の代わりになる場合
主治医の意見により、利用者の状態が安定していて入浴で健康上支障を生じるおそれがないと認められる場合は、看護職員の代わりに介護職員が入浴の介護を行えます。予防の場合は介護職員2人で訪問し、100分の95で算定されます。
これは、看護職員の都合がつかないことを理由に使えるものではありません。山梨県の資料では、看護職員の都合のみを理由にすることが運営指導の指摘事項に挙げられています。
設備と衛生の基準
事業所には専用の区画、浴槽、車両、感染症予防に必要な設備が求められます。自宅側では、浴槽を置く場所と給排水を確保できるかが、後で触れる初回加算の確認事項になっています。家のつくりによって実施できるかどうかが変わりうるので、相談の段階で自宅の状況を伝えておきましょう。
費用の仕組みと自己負担の目安
基本の単位数
基本は1回856単位です(令和6年6月以降。厚生労働省の第259回介護給付費分科会資料や、山梨県の令和8年度の資料でも確認できます)。要介護の訪問入浴介護は1回1,266単位です。
単位数はそのまま金額にはなりません。サービスの種類と地域で決まる1単位の単価(訪問入浴介護では地域区分により10円から11.40円)を掛けて、費用の総額が決まります。
1割負担の目安(計算例)
自己負担は費用の1割が原則で、所得に応じて2割または3割になる人もいます(福岡市の資料に利用者負担割合が1〜3割と記載されています)。基本の856単位を1回利用した場合の試算は、次のとおりです。
| 1単位の単価 | 費用の総額 | 1割負担の目安 |
|---|---|---|
| 10円 | 856単位×10円=8,560円 | 約856円 |
| 11.40円 | 856単位×11.40円=約9,758円 | 約976円 |
これは出典に記載された金額ではなく、単位数と単価からの試算です。端数の扱いや加算の有無で、実際の請求額は変わります。
清拭・部分浴や介護職員2人での訪問では、基本の単位数が下がります。856単位に当てはめた概算は、次の表のとおりです。
| 場合 | 算定率 | 856単位に当てはめた概算 |
|---|---|---|
| 全身入浴(通常) | 100% | 856単位 |
| 清拭・部分浴 | 90% | 約770単位 |
| 介護職員2人で訪問 | 95% | 約813単位 |
| 体調などで入浴を見合わせ | — | 算定なし |
実際の請求は事業所が行います。利用票・請求書の内訳で確認してください。
請求の内訳は、事業所から届く利用票・請求書で確認できます。基本の単位数のほかに、初回加算などの加算が載っている月があります。分からない項目があれば、その月のうちに事業所かケアマネジャーに聞いておくと、後から確かめやすくなります。
追加で自己負担になる費用
介護保険の給付の対象とならず、追加で自己負担になる費用があります。通常の事業の実施地域の外へ訪問する場合の交通費や、特別な浴槽水を使う場合の費用は、事業所が別に受け取れるとされています。金額や条件は事業所ごとに異なり、重要事項説明書に書かれます。区分支給限度基準額(月に保険で使える上限)を超えた分も、全額が自己負担です。
減算・加算の種類
減算は報酬が減る仕組み、加算は一定の条件を満たすと報酬が上乗せされる仕組みです。事業所の体制にかかわるものが多いため、ここでは家族が明細で見かけることがある加算を中心に説明します。
減算
減算は主に事業所側の体制にかかわるもので、利用者が何かをする必要はありません。請求書の内訳に載ることがあるため、種類だけ知っておくと明細を読みやすくなります。
- 高齢者虐待防止措置が実施されていない場合:1%の減算
- 業務継続計画(BCP、災害や感染症が起きても事業を続けるための計画)が策定されていない場合:1%の減算(訪問入浴では令和7年4月から適用)
- 事業所と同一の建物に住む利用者へ提供する場合:10%または15%の減算
主な加算
家族が明細で見かけることがある加算を表にまとめます。
| 加算名 | 単位・率 | 算定条件 | 限度額の枠外か |
|---|---|---|---|
| 初回加算 | 月200単位 | 初回のサービス提供前に、事業所の職員が居宅を訪問し、浴槽の設置場所や給排水の状況を確認した場合 | 枠外 |
| サービス提供体制強化加算 | Ⅰ44単位・Ⅱ36単位・Ⅲ12単位(1回あたり) | 要件を満たす事業所が算定 | 枠外 |
| 認知症専門ケア加算 | Ⅰ1日3単位・Ⅱ1日4単位 | 要件を満たす事業所が算定 | 枠外 |
| 特別地域加算など | 特別地域加算15%、中山間地域等の小規模事業所加算10%、中山間地域等に居住する利用者へのサービス提供加算5% | 対象地域での提供など | 資料では確認できず |
このほか、介護職員の給与改善にあてる処遇改善加算が加わります。率は確認した資料の間で記載に食い違いがあったため、この記事では記載しません。最新の率は厚生労働省の資料や事業所の説明で確認してください。
要介護側にあって予防にない加算
令和6年度の改定で新設された看取り連携体制加算(1回64単位)は要介護側のみで、介護予防は対象外です。要介護の記事や制度解説を読むときは、予防にも当てはまる内容かを分けて確認しましょう。
区分支給限度基準額との関係
要支援1・2の上限
介護保険では、要介護度ごとに、1か月に保険を使える上限の単位数(区分支給限度基準額)が決まっています。要支援1は月5,032単位、要支援2は月10,531単位です(世田谷区、広島市の資料)。上限を超えた分は全額が自己負担になります。介護予防訪問入浴介護は、訪問看護や通所系サービス、福祉用具貸与など他の介護予防サービスと合算して、この上限の中で管理されます。
上限との関係の目安(計算例)
基本の856単位だけで考えると、要支援1の上限5,032単位には5回分(4,280単位)、要支援2の上限10,531単位には12回分(10,272単位)が収まる計算です。ただし他のサービスを使えば、その分だけ入浴に回せる単位数は減ります。これは単純な目安で、実際の頻度はケアプランの中で必要性にもとづいて決まります。
月に何回位置づけるかについて、国の資料に一律の回数は示されていません。回数は、地域包括支援センターの担当者と相談して決めます。
限度額の枠外になる加算
厚生労働省の資料(スライド)では、初回加算、サービス提供体制強化加算、認知症専門ケア加算、処遇改善に関する加算などが、区分支給限度基準額の枠外とされています。これらの分は限度額の計算に含まれませんが、基本部分の単位数は含まれます。限度額に対してどのくらい使っているかは、毎月のサービス利用票で確認できます。
利用の流れ
対応する事業所が少ないため、最初の一歩は地域包括支援センターへの相談です。事業所を自分で探し回る前に、対応できる事業所があるかどうかを聞いてください。
相談窓口は地域包括支援センター
要支援1・2の人が使うときの窓口は、お住まいの地域の地域包括支援センターです。厚生労働省のページによれば、令和7年4月末時点で全国に5,487か所(ブランチ等を含めると7,374か所)あり、総合相談、権利擁護、介護予防に必要な援助などを行っています。一般的な制度の説明として、要支援の人のケアプラン(介護予防サービス計画)の窓口も地域包括支援センターで、委託により居宅介護支援事業所が関わる場合もあります。詳しくは市区町村・地域包括支援センターに確認してください。
相談のときは、次の内容を整理して伝えるとスムーズです。
- 入浴が難しくなっている理由(体の状態、浴室の事情など)
- 主治医の意見(かかりつけ医に確認した内容)
- 浴室や給排水の状況、浴槽を置けそうな場所
そして、地域包括支援センターには次の点を聞いてください。
- お住まいの地域に、介護予防訪問入浴介護に対応する事業所があるか
- 月に何回の利用を想定できるか
- 追加で自己負担になる費用(交通費など)があるか
相談から利用開始までの手順
一般的な流れは、図のとおりです。まず地域包括支援センターに「入浴の介護が必要で、自宅での入浴が難しい」状況を伝えます。必要に応じて主治医の意見を確認し、ケアプランに訪問入浴を位置づけます。そのうえで、事業所の選定、事業所による居宅の確認(浴槽の設置場所や給排水)、重要事項の説明と利用者の同意を経て、サービスが始まります。
事業所を調べるときは、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で、地域ごとの事業所の所在地、運営主体、職員体制などの基本情報を検索できます。
契約時に確認したいこと
契約前に、重要事項説明書で次の点を確認してください。分からないところは、事業所やケアマネジャー、地域包括支援センターに質問できます。
- サービスの内容と利用料
- 通常の事業の実施地域と、交通費の扱い
- キャンセルや、入浴を見合わせたときの対応と料金
- 家族の同席の可否、当日使う部屋、家具を動かす必要があるか
- 苦情の窓口
同意は、説明を受けたうえで行うものとされています。家族の同席や当日の準備など実務的な運用は事業所によって異なり、制度の資料からは一律に示せません。
利用状況(統計から)
受給者数と費用額
令和6年度介護給付費等実態統計の概況によると、介護予防訪問入浴介護の利用状況は次のとおりです。
| 項目 | 令和6年度 | 令和5年度 |
|---|---|---|
| 年間累計受給者数 | 4.6千人 | 4.7千人 |
| 年間実受給者数 | 1.0千人 | 1.1千人 |
| 費用額の累計 | 180百万円 | 177百万円 |
なお、累計受給者数はのべ人数、実受給者数は実人数です。同じ統計で、要介護の訪問入浴介護は年間累計受給者数が793.3千人、費用額の累計が56,351百万円です。予防は要介護と比べて桁が違うほど少ない、非常に小さな規模のサービスだと分かります。
事業所数と利用者像
厚生労働省の第259回介護給付費分科会(令和8年6月29日)の資料から、事業所数と利用者像を整理します。
- 請求事業所数(令和7年4月審査分):介護予防278、訪問入浴1,584、合計1,862(令和6年は合計1,893)
- 介護予防を算定した事業所:219(令和7年10月提供分)
- 訪問入浴の受給者:約66,200人で、要介護3以上が約9割
- 令和7年度の要介護度別の割合:要介護5が49.2%、要介護4が28.9%、要介護3が11.8%
訪問入浴は要介護度の重い人が中心に使うサービスで、介護予防に対応する事業所は限られていることが、数字からうかがえます。
1人あたり費用額とその意味
- 予防:約37,500円(1人1月あたり)
- 要介護:約70,289円(同)
数値は厚生労働省の第259回介護給付費分科会資料によるものです。
この金額は自己負担額ではありません。介護保険から給付される分を含む、費用額の総額です。1回あたり約856円という自己負担の試算とは別の指標なので、混同しないようにしてください。
注意点と他サービスとの違い
同じ時間帯のサービスの原則
家族として押さえておきたいのは、同じ時間帯に別の訪問サービスが入る場合の扱いです。同じ時間帯に訪問看護が入った場合は、別に訪問看護費を算定できないとされています(要介護側の看取り連携体制加算に関する、厚生労働省の令和6年度介護報酬改定Q&A Vol.1での整理)。訪問看護など他の訪問サービスと組み合わせるときは、時間帯の調整をケアマネジャーに確認してください。
訪問看護のしくみは、介護予防訪問看護の解説記事で説明しています。
デイサービスの入浴との違い
公的資料から言えるのは、提供形態の違いです。訪問入浴は自宅で入浴を受けるサービス、デイサービスなどの通所系は事業所に通って受けるサービスです。通所は送迎や外出の負担があり、事業所に通って入浴します。訪問は自宅の浴室環境や浴槽を置く場所の影響を受けます。どちらが適するかは体の状態や自宅の環境によって異なるため、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。介護予防サービス全体の種類は、介護予防サービスの種類を解説した記事にまとめています。
家族が確認したい点
- 自宅に浴槽を置く場所と給排水が確保できるか
- 主治医に入浴の可否を確認しているか
- 他サービスとの合計が限度額に収まるか
- キャンセル時の取り決め
体の状態や自宅の環境は、時間とともに変わります。要支援の認定期間の途中でも、状態が変われば区分変更の申請ができますので、状況が変わったら、一般に窓口となる地域包括支援センターに相談してください(詳しくは市区町村・地域包括支援センターに確認してください)。
訪問入浴は、入浴という生活の一場面を支えるサービスです。利用を始めたあとも、体調や自宅の環境が変われば、回数や内容を見直せます。見直しの相談も、同じ窓口で受け付けています。
令和6年度改定と今後
令和6年度改定のポイント
令和6年度の介護報酬改定は4月と6月の2段階で実施され、改定率は+1.59%(処遇改善が+0.98%、その他が+0.61%)でした(厚生労働省)。訪問入浴介護に関する主な変更は次のとおりです。
- 看取り連携体制加算の新設(1回64単位・要介護側のみ)
- 認知症専門ケア加算の要件の見直し
- 高齢者虐待防止措置とBCPの未策定に対する減算の導入
- 処遇改善加算の一本化
介護予防訪問入浴介護の基本の856単位は、この改定を経た令和6年6月以降の単位数です。
今後の制度改定の可能性
厚生労働省のウェブサイトには「令和8年介護保険法改正」に関する項目があり、制度が今後も変わりうることが示されています。介護報酬の改定があった場合、単位数、減算・加算、人員基準が変わる可能性があります。
まとめ
- 対象は、要支援1・2で、疾病などのやむを得ない理由により入浴の介護が必要な人です。1回の訪問は看護職員1人と介護職員1人の2人体制で、基本は856単位(1割負担で約856円の試算)です。
- 自己負担は原則1割(所得により2〜3割)で、要支援1は月5,032単位、要支援2は月10,531単位の上限の中で、他のサービスと合算して管理されます。
- 対応する事業所は全国的に少なく、介護予防を算定した事業所は219にとどまります。近くにあるかどうかを最初に確認することが大切です。
- 次の行動は、地域包括支援センターへの電話です。入浴が難しい理由、主治医の意見、浴室や給排水の状況を伝え、対応事業所の有無、月の回数、追加で自己負担になる費用を聞いてください。
この記事の内容は2026年11月時点で確認できた公的資料にもとづきます。制度は改定されることがあるため、最新の情報は市区町村や地域包括支援センターでご確認ください。当サイトの方針はこのサイトの立ち位置をご覧ください。