地域密着型特定施設入居者生活介護とは|特定施設との違いと費用の目安を解説

地域密着型特定施設入居者生活介護の定義、通常型との定員・指定権者・住所地特例の違い、入居条件と費用の目安を公的資料にもとづき解説します。

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目次

施設探しをする中で「地域密着型特定施設入居者生活介護」という名称を見かけ、通常の特定施設入居者生活介護と何が違うのか気になった方もいるでしょう。地域密着型特定施設入居者生活介護とは、入居定員29人以下の小規模な「介護専用型特定施設」(有料老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホーム)で提供される、地域密着型サービスの一類型です。通常の特定施設入居者生活介護との違いは定員の規模だけでなく、指定権者が市区町村長になる点、利用できる住民の範囲が原則その市区町村内に限られる点、住所地特例が適用されない点にもあります。本記事では、厚生労働省・東京都・各自治体の公的資料にもとづき、制度の仕組み・入居条件・費用の目安・人員配置基準・全国の事業所数の推移までを整理します。

地域密着型特定施設入居者生活介護とは何か

地域密着型特定施設入居者生活介護は、どのような制度の中に位置づけられるサービスなのでしょうか。まず全体像から見ていきます。

特定施設入居者生活介護との関係

「特定施設入居者生活介護」とは、特定施設(有料老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホーム)に入居する要介護者に対し、特定施設サービス計画にもとづき、入浴・排せつ・食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練及び療養上の世話を行うサービスです。根拠は介護保険法第8条第11項、第8条の2第9項、介護保険法施行規則第16条・第17条・第22条の15・16で、東京都福祉局「特定施設入居者生活介護事業者指定等事務手引き」に整理されています。

「地域密着型特定施設入居者生活介護」は、このうち入居定員29人以下の小規模な「介護専用型特定施設」(入居者が要介護者・その配偶者等に限定される特定施設)を対象とする、地域密着型サービスの一類型です。「地域密着型特定施設」は介護保険法第8条第21項に規定されています。通常の特定施設入居者生活介護の制度全体像は、特定施設入居者生活介護とはを解説した記事で詳しく説明しています。

地域密着型サービスに分類される理由

厚生労働省の最新資料(社会保障審議会介護給付費分科会 第260回・令和8年7月9日開催、資料4)は、「定員29人以下の小規模な介護専用型特定施設は『地域密着型特定施設』として区市町村等の指定を受けられる」と明記しています。地域密着型サービスは、指定権者が市区町村長になり、原則として利用できる住民の範囲がその市区町村内に限られるという特徴を持つ枠組みです。地域密着型特定施設入居者生活介護も、この枠組みの中で運用されています(詳細は次の見出しで比較します)。

対象となる施設(有料老人ホーム・軽費老人ホーム・養護老人ホーム)

「特定施設」は有料老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホーム(ケアハウス)の3種類です(介護保険法第8条第11項、施行規則第15条)。サービス付き高齢者向け住宅のうち、有料老人ホームの定義(食事・介護・家事・健康管理のいずれかを提供すること)に該当するものも、特定施設に含まれます。このうち、入居者が要介護者等に限定され、かつ定員29人以下の「介護専用型特定施設」が、地域密着型特定施設となります。軽費老人ホーム(ケアハウス)の制度概要については軽費老人ホームとはを解説した記事でも解説しています。

通常の特定施設入居者生活介護との違い

地域密着型特定施設入居者生活介護は、通常の(広域型の)特定施設入居者生活介護と比べて、定員・指定権者・利用できる住民の範囲という3つの点で異なります。まず全体像を比較表で確認します。

項目特定施設入居者生活介護(通常型)地域密着型特定施設入居者生活介護
定員30人以上(上限規定なし)29人以下
指定権者都道府県知事(政令市・中核市は市長)市区町村長(特別区は区長)
利用できる住民の範囲制限なし(広域)原則、施設が所在する市区町村の住民
住所地特例対象対象外
基本報酬(1日あたり、要介護1〜5)542〜813単位546〜820単位
全国事業所数(令和6年10月時点)5,969事業所369事業所

定員29人以下という基準

通常の特定施設入居者生活介護には定員の上限規定がなく、30人以上の大規模な施設も対象になります。これに対し、地域密着型特定施設入居者生活介護は、入居定員29人以下の小規模な施設に限られます。この定員の違いを図にすると、次のようになります。

地域密着型特定施設 29人以下 定員に上限がある 通常型(広域型) 30人以上 上限の定めなし →

地域密着型特定施設入居者生活介護は入居定員29人以下、通常の特定施設入居者生活介護は定員30人以上として区分され、通常型には定員の上限は定められていません(右側の帯は上限がないことを示しています)。

指定権者が市区町村長になる

指定権者は、通常型と地域密着型で異なります。地域密着型特定施設入居者生活介護の指定権者は、施設が所在する市区町村長(特別区では区長)です(介護保険法第78条の2第1項)。これに対し、通常の特定施設入居者生活介護の指定権者は都道府県知事です(政令指定都市・中核市では市長が指定を行います。介護保険法第70条第1項)。中核市では、市が地域密着型サービスの指定事務を行います。指定権者が異なることは、後述する「利用できる住民の範囲」の違いにも関わってきます。

利用できる住民の範囲が原則市区町村内に限られる

利用できる住民の範囲にも、通常型と地域密着型で違いがあります。地域密着型特定施設入居者生活介護は、原則として施設が所在する市区町村の住民(被保険者)のみが利用対象です。他の市区町村の被保険者が入居する場合は、施設の所在地の市区町村長等が認める特別な事情が必要になります。これに対し、通常の特定施設入居者生活介護は、都道府県内に住む人など、広く利用対象になります。転居や広域での施設探しを検討している場合は、この利用制限を事前に確認しておくことが重要です。

住所地特例が適用されない点に注意

地域密着型特定施設入居者生活介護を検討するうえで、特に見落としやすいのが「住所地特例」の扱いです。

住所地特例の適用有無と保険者の違い 通常の特定施設入居者生活介護は住所地特例が適用され前住所地の市区町村が保険者になるが、地域密着型特定施設入居者生活介護は住所地特例が適用外で施設が所在する市区町村が保険者になる。 通常の特定施設入居者生活介護 住所地特例:適用 保険者は前住所地の市区町村 地域密着型特定施設入居者生活介護 住所地特例:適用外 保険者は施設が所在する市区町村
通常の特定施設入居者生活介護は住所地特例が適用され前住所地の市区町村が保険者になりますが、地域密着型特定施設入居者生活介護は住所地特例の対象外で、施設が所在する市区町村が保険者になります。

住所地特例とは

住所地特例とは、介護保険施設等に入居するために住所を移した場合でも、入居前に住んでいた市区町村(前住所地)が引き続き保険者となる制度です(介護保険法第13条第1項)。京都市・目黒区・名古屋市など各自治体の案内ページでも、この制度の仕組みが説明されています。

地域密着型特定施設が対象外になる理由

地域密着型特定施設入居者生活介護は、この住所地特例の適用除外とされています。京都市「住所地特例制度について」、目黒区「介護保険の資格に関する特例(住所地特例制度・適用除外制度)」、名古屋市「住所地特例とは」のいずれのページでも、地域密着型特定施設(地域密着型のサービス付き高齢者向け住宅を含む)は住所地特例の対象外であると明記されています。つまり、地域密着型特定施設に入居して住所を移した場合、前住所地の市区町村ではなく、施設が所在する市区町村が保険者になります。これは、地域密着型特定施設入居者生活介護そのものが「原則、施設所在市区町村の住民が対象」という制度設計になっていることとも整合しています。

引っ越しを伴う入居で確認すべきこと

他の市区町村にある地域密着型特定施設への入居を検討する場合、原則として施設が所在する市区町村の住民でなければ利用できません。他市区町村の被保険者が入居するには、所在地の市区町村長等が認める特別な事情が必要です。あらかじめ、入居を希望する施設が所在する市区町村と、現在お住まいの市区町村の両方の介護保険担当窓口に、住民票の異動や利用の可否について相談してください。

入居条件と対象者

地域密着型特定施設入居者生活介護を利用できるのは、どのような人なのかを整理します。

要介護1〜5が対象(要支援は対象外)

地域密着型特定施設入居者生活介護の対象は、要介護1〜5の認定を受けた人です。要支援1・2の認定を受けている人は、地域密着型特定施設入居者生活介護の対象にはなりません(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」)。

介護専用型特定施設の定義

地域密着型特定施設入居者生活介護の対象となる「介護専用型特定施設」は、「入居者が要介護者、その配偶者その他厚生労働省令で定める者に限られる」施設と定義されています(介護保険法第8条第21項、施行規則第17条の6)。つまり、要介護認定を受けていない自立した高齢者を広く受け入れる施設は、介護専用型特定施設にはあたりません。

配偶者の同居に関するルール

介護専用型特定施設に同居できる対象は、介護保険法第8条第21項・施行規則第17条の6により、次の範囲に限られます。

  • 入居者本人(要介護者)
  • 入居者の配偶者
  • その他厚生労働省令で定める者

同居できる者の具体的な範囲や要介護認定の有無による扱いの違いは施設ごとの契約内容にも関わるため、配偶者との同居を希望する場合は、具体的な同居可否を入居を検討している施設に個別に確認してください。

サービス内容(包括型と外部サービス利用型)

地域密着型特定施設入居者生活介護のサービス提供の形は、「包括型(一般型)」と「外部サービス利用型」の2つに区分されます。

包括型で提供される内容

サービスは、特定施設サービス計画にもとづき、入浴・排せつ・食事等の介護その他の日常生活上の世話(洗濯・掃除等の家事、生活相談・助言を含む)、機能訓練、療養上の世話として提供されます。要介護状態となっても、入居者がその能力に応じて自立した日常生活を営めるようにすることが、基準省令上の目的とされています。包括型(一般型)では、施設の従業者がこれらのサービスを包括的に提供します。

外部サービス利用型の仕組み

外部サービス利用型は、平成18年度の介護報酬改定で創設された区分です。施設は特定施設サービス計画の作成・安否確認・生活相談・緊急時対応のみを行い、実際の入浴・排せつ・食事等の介護は、施設が委託契約を結んだ訪問介護・訪問看護・通所介護等の事業者が提供します。外部サービス利用型特定施設入居者生活介護費は84単位/日の定額報酬部分にとどまり、実際に提供された介護サービスは出来高で別途算定されます。

特定施設サービス計画に基づく提供

包括型・外部サービス利用型のいずれも、サービスは特定施設サービス計画にもとづいて提供される点は共通です。また、平成24年度の制度改正により、一定の要件を満たす特定施設では、空室を利用した要介護者向けの短期利用(包括型のみが対象)も可能になりました。

費用の目安(自己負担額・介護報酬)

費用の負担割合は所得に応じて1〜3割です。ここでは1割負担の場合の目安を紹介します。

要介護度別の1日あたり自己負担額

要介護度単位数(1日あたり)1割負担額の目安(1日あたり)
要介護1546単位546円
要介護2614単位614円
要介護3685単位685円
要介護4750単位750円
要介護5820単位820円

これは、地域密着型特定施設入居者生活介護費(介護専用型・包括型、令和6年6月以降の単位数)にもとづく目安です。所得に応じて自己負担割合が2〜3割になる場合は、この金額の2〜3倍が目安になります。なお、1単位あたりの金額は全国一律10円ではなく、地域区分に応じて10.00〜11.40円程度の幅があります。上の表は1単位=10円で計算した目安のため、実際の負担額は施設の所在地によってこれよりやや高くなる場合があります。

要介護度別の1日あたり自己負担額(1割負担) 地域密着型特定施設入居者生活介護の1日あたり自己負担額(1割負担)は、要介護1が546円、要介護2が614円、要介護3が685円、要介護4が750円、要介護5が820円である。 要介護度別の1日あたり自己負担額 要介護1 546円 要介護2 614円 要介護3 685円 要介護4 750円 要介護5 820円
地域密着型特定施設入居者生活介護の1日あたり自己負担額(1割負担)は、要介護1の546円から要介護5の820円まで、要介護度が上がるほど高くなります。

通常型との単位数の違い

通常の特定施設入居者生活介護費は542〜813単位/日で、地域密着型特定施設入居者生活介護費(546〜820単位/日)のほうがわずかに高い単位数設定になっています。要介護度ごとの差は数円〜数十円程度で、大きな差ではありません。

食費・居住費等の別途負担

ここまでの単位数にもとづく費用とは別に、食費・居住費・日常生活費等は入居者の自己負担になります。これらの金額は施設ごとに異なるため、具体的な月額の見込みを知りたい場合は、入居を検討している施設に直接確認する必要があります。なお、外部サービス利用型を利用する場合は、84単位/日の定額部分に加えて、実際に利用した介護サービスの費用が出来高で別途発生します。

人員配置基準・設備基準

地域密着型特定施設入居者生活介護の人員・設備基準は、「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年3月14日厚生労働省令第34号)に定められています。

生活相談員・看護介護職員の配置基準

職種ごとの配置基準は、次のとおりです。

職種配置基準
管理者1人(兼務可)
生活相談員要介護者等100人につき1人(常勤)
看護・介護職員要支援者に対して10対1、要介護者に対して3対1
看護職員要介護者等30人までは1人、30人を超える場合は50人ごとに1人(夜間帯は1人以上)
機能訓練指導員1人以上(兼務可)
計画作成担当者介護支援専門員1人以上(兼務可)。要介護者等100人につき1人を標準

実際の配置人数は、これらの基準より手厚くしている施設もあります。具体的な配置状況は、施設見学の際に確認するとよいでしょう。

機能訓練指導員・計画作成担当者

機能訓練指導員・計画作成担当者の配置基準も上の表のとおりです。計画作成担当者は、介護支援専門員(ケアマネジャー)でなければならない点に注意が必要です。

個室化などの設備基準

設備基準は、次のとおり定められています。

  • 介護居室は原則個室とし、プライバシーに配慮すること(地階には設けない)
  • 一時介護室の設置
  • 身体の不自由な人が入浴するのに適した浴室の設置
  • 居室のある階ごとの便所の設置
  • 食堂・機能訓練室の設置
  • 施設全体が車椅子で円滑に移動できる構造であること

全国の事業所数と近年の傾向

地域密着型特定施設入居者生活介護は全国にどのくらいあるのでしょうか。事業所数の推移とあわせて確認します。

令和6年時点の事業所数

厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」(令和6年10月1日現在)によると、地域密着型特定施設入居者生活介護の事業所数は全国369事業所で、前年から1事業所(+0.3%)増加しました。参考として、通常型の特定施設入居者生活介護は全国5,969事業所で、前年から100事業所(+1.7%)増加しています。

通常型との規模の違い

地域密着型(369事業所)は、通常型(5,969事業所)の16分の1程度の規模にとどまります。特定施設入居者生活介護の多くは、通常型(広域型)として運営されていることが分かります。事業所数が少ない分、希望する市区町村に地域密着型特定施設がない場合は、選択肢が限られる点に留意が必要です。

増減の推移

厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会の資料にある、介護給付費等実態統計にもとづく請求事業所数の推移を見ると、地域密着型特定施設入居者生活介護は平成23(2011)年の165事業所から、平成27(2015)年283事業所、平成30(2018)年324事業所、令和4(2022)年354事業所、令和7(2025)年366事業所と、一貫して増加してきました。同じ期間の通常型(広域型)は3,476事業所から6,017事業所へと増加しています。

事業所数の推移を図にすると、次のようになります。

H23年 H27年 H30年 R4年 R7年 165 283 324 354 366 請求事業所数(単位:事業所)

地域密着型特定施設入居者生活介護の請求事業所数は、平成23年の165事業所から令和7年の366事業所まで、一貫して増加しています。

なお、介護サービス施設・事業所調査(令和6年10月時点で369事業所)と、介護給付費等実態統計にもとづく請求事業所数(令和7年時点で366事業所)は、調査方法・集計時点が異なるため若干の差があります。ただし、いずれの調査でも「全国で360〜370事業所程度で推移し、近年は微増〜横ばい傾向にある」という大きな傾向は一致しています。

令和6年度介護報酬改定での変更点

令和6年度の介護報酬改定では、地域密着型特定施設入居者生活介護を含む特定施設サービスについて、次のような変更が行われました。

協力医療機関連携加算の新設

協力医療機関との実効性のある連携体制を構築する観点から、「協力医療機関連携加算」が新設されました。入居者の現病歴等の情報共有を行う会議を定期的に開催することなどが評価の対象です。

処遇改善加算の一本化

従来の介護職員処遇改善加算等3加算は、「介護職員等処遇改善加算」(4段階)として一本化されました。

次期改定に向けた議論(3年ごとの制度改定がありうる旨を明記)

令和8(2026)年7月9日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会(第260回)では、特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護の現状と課題が資料として示され、次期改定に向けた論点整理が進められています。介護保険制度は原則として3年ごとに見直しが行われるため、本記事で紹介した単位数・加算の内容は今後変更される可能性があります。最新の基準額や加算内容は、厚生労働省の公表資料や、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口で確認してください。

介護報酬改定のサイクル(3年ごと) 令和6年度に処遇改善加算の一本化などの改定が行われ、令和8年7月に次期改定の論点整理が始まり、介護保険制度は原則3年ごとに次の改定が行われる。 介護報酬改定のサイクル(3年ごと) 令和6年度改定 処遇改善加算の一本化など 令和8年7月 次期改定の論点整理が開始 次期改定(3年ごと) 時期・内容は今後の議論で決定
令和6年度の改定では処遇改善加算の一本化などが行われ、令和8年7月には次期改定に向けた論点整理が始まりました。介護保険制度は原則3年ごとに見直しが行われます。

注意点・よくある誤解

地域密着型特定施設入居者生活介護を検討するうえで、誤解しやすい点や確認しておきたい点にはどのようなものがあるのでしょうか。

「地域密着型=小規模だから質が低い」わけではない

地域密着型特定施設入居者生活介護は、定員が29人以下という規模の基準や、指定権者が市区町村長になる点、利用できる住民の範囲が原則市区町村内に限られる点で、通常型と異なります。しかし、提供されるサービスの内容(入浴・排せつ・食事等の介護、機能訓練、療養上の世話)や、人員配置基準の考え方の枠組み自体は、通常型と共通の基準にもとづいています。規模や利用エリアの違いは、そのままサービスの優劣を意味するものではない点に注意が必要です。

転居を検討する際に確認すべき点

地域密着型特定施設入居者生活介護は、住所地特例が適用されない点、利用できる住民の範囲が原則施設所在市区町村内に限られる点の2つが、通常型と大きく異なります。他の市区町村への転居を伴う入居を検討する場合は、入居を希望する施設が所在する市区町村と、現在お住まいの市区町村の両方の窓口に、事前に確認しておくことが重要です。他の地域密着型施設サービスとの違いについては、地域密着型特別養護老人ホームとはを解説した記事もあわせてご覧ください。

情報は法改正で変わりうる

介護保険制度は原則として3年ごとに見直しが行われ、報酬改定によって単位数や加算の内容が変わることがあります。本記事の情報は執筆時点の公的資料にもとづくものであり、実際に利用を検討する際は、最新の基準額・加算内容を厚生労働省や市区町村の窓口で確認してください。

まとめ

ここまでの内容を整理します。

  • 地域密着型特定施設入居者生活介護とは、入居定員29人以下の小規模な「介護専用型特定施設」で提供される、地域密着型サービスの一類型である
  • 通常の特定施設入居者生活介護との違いは、定員(29人以下か30人以上か)、指定権者(市区町村長か都道府県知事か)、利用できる住民の範囲(原則市区町村内か広域か)にある
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護は住所地特例の適用対象外で、施設が所在する市区町村が保険者になる
  • 対象は要介護1〜5で、要支援1・2は対象外。費用は1割負担で1日546円〜820円が目安(食費・居住費等は別途)
  • 全国369事業所(令和6年10月時点)で近年は微増〜横ばい傾向にあり、介護保険制度は3年ごとに見直されるため最新情報の確認が必要

入居を検討する際は、入居を希望する施設が所在する市区町村と、現在お住まいの市区町村の両方の介護保険担当窓口に確認しておくとよいでしょう。

介護保険制度は3年ごとに見直され、報酬改定によって単位数や加算の内容が変わることがあります。このサイトは特定の施設や事業者を評価・推奨するものではなく、公的資料にもとづく中立的な情報提供に努めています。運営方針の詳細はこのサイトの立ち位置をご覧ください。

よくある質問

地域密着型特定施設入居者生活介護と通常の特定施設入居者生活介護の違いは何ですか?

定員・指定権者・利用できる住民の範囲が異なります。地域密着型は定員29人以下で市区町村長が指定し、原則その市区町村の住民のみが利用できます。通常型は定員30人以上で都道府県知事が指定し、利用できる住民の範囲に制限はありません。

他の市区町村に住んでいても地域密着型特定施設に入居できますか?

原則は施設が所在する市区町村の住民のみが対象ですが、施設の所在地の市区町村長等が認める特別な事情があれば、他市区町村の被保険者でも入居できる場合があります。事前に両方の市区町村の窓口に確認が必要です。

地域密着型特定施設入居者生活介護に住所地特例は適用されますか?

適用されません。地域密着型特定施設入居者生活介護は住所地特例の適用除外とされており、入居して住所を移した場合は、施設が所在する市区町村が保険者になります。通常型の特定施設入居者生活介護では住所地特例が適用される点と異なります。

費用はどのくらいかかりますか?

1割負担の場合、地域密着型特定施設入居者生活介護費の目安は1日あたり要介護1で546円、要介護5で820円です。これとは別に食費・居住費・日常生活費等が自己負担として加わります。所得により自己負担割合は2〜3割になる場合があります。

要支援でも地域密着型特定施設入居者生活介護を利用できますか?

利用できません。地域密着型特定施設入居者生活介護の対象は要介護1〜5の認定を受けた人に限られ、要支援1・2の認定を受けている人は対象外です。

自分が住む市区町村に地域密着型特定施設があるかどうかは、どうすれば調べられますか?

厚生労働省「介護サービス情報公表システム」で地域を指定して検索するか、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターに問い合わせると確認できます。地域密着型サービスは原則その市区町村の住民のみが利用対象のため、まず自分の住所地で探すことが重要です。

参考・出典

  1. 特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護(社会保障審議会介護給付費分科会 第260回資料4) (厚生労働省老健局)
  2. 特定施設入居者生活介護事業者指定等事務手引き(令和6年度版) (東京都福祉局)
  3. どんなサービスがあるの?-地域密着型特定施設入居者生活介護 (厚生労働省「介護サービス情報公表システム」)
  4. 令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況 (厚生労働省)
  5. 住所地特例制度について (京都市)
  6. 介護保険の資格に関する特例(住所地特例制度・適用除外制度) (目黒区)
  7. 住所地特例とは (名古屋市)
  8. 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準 (厚生労働省法令等データベース)
  9. 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準|e-Gov法令検索 (デジタル庁)
  10. 令和6年度介護報酬改定の主な事項について(社会保障審議会介護給付費分科会 第239回資料1) (厚生労働省老健局)
  11. 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準 (厚生労働省)
  12. 令和6年度介護報酬改定について (厚生労働省)