介護保険料の連帯納付義務は、65歳以上の人の保険料を普通徴収で納める場合に、世帯主と配偶者が本人と連帯して負う義務です(介護保険法132条)。
普通徴収は納付書や口座振替で自分で納める方法、特別徴収は年金からの天引きです。特別徴収にはこの規定がありません。世帯主・配偶者に当たらない子や親族(別世帯の子など)は対象外ですが、同じ世帯で世帯主になっている子は対象になりえます。この記事では、条文、厚生労働省、自治体の公開情報にもとづき、義務を負う人の範囲、滞納した場合の流れ、時効と給付制限、減免や相談先までを順に整理します。運用が自治体によって異なる部分や、公的資料で確認できなかった部分は、断定せずその旨を記しています。
介護保険料の連帯納付義務とは何か
条文での定義と対象範囲
連帯納付義務とは、65歳以上の人(第1号被保険者)の介護保険料が普通徴収で納められないとき、世帯主や配偶者が、本人と連帯して保険料を納める義務を負う仕組みです。根拠は介護保険法132条の1〜3項にあります。
| 項 | 定められていること |
|---|---|
| 1項 | 第1号被保険者は、普通徴収の場合、自分の保険料を納付しなければならない。 |
| 2項 | 世帯主は、普通徴収で保険料を徴収しようとする場合、当該世帯に属する第1号被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。 |
| 3項 | 配偶者の一方は、普通徴収の場合、第1号被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。(2項にある「当該世帯に属する」の文言はない) |
押さえたいのは、対象が「第1号被保険者の保険料」に限られること、そして義務を負う人が「世帯主」と「配偶者」だけであることです。40〜64歳の第2号被保険者の保険料は、加入している医療保険の保険料と一緒に納める仕組みで、この条文の対象ではありません。
「連帯」とはどういう意味か
「連帯して納付する義務」とは、本人だけでなく、義務を負う人にも保険料の請求がありうるという意味です。今治市や茂木町の案内では、被保険者が保険料を滞納した場合、連帯納付義務者に請求や滞納処分が行われる場合があると説明されています。
一方で、本人が滞納したからといって、自動的に全額が世帯主や配偶者の負担へ移るわけではありません。実際の運用は自治体ごとに異なります。岐阜市の外部監査措置状況では、現状はまず本人への納付指導を行い、連帯納付義務の周知方法を検討中とされています。具体的な運用は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口で確認してください。
この記事で使う用語の整理
- 第1号被保険者
- 65歳以上の人。
- 普通徴収
- 納付書や口座振替で、被保険者が自分で納める方法。
- 特別徴収
- 年金から保険料が天引きされる方法。
- 督促
- 納期限までに納めない人に、市町村が出す納付の催促。
- 滞納処分
- 財産の差押えなど、強制的に徴収する手続き。
個別の世帯が義務の対象になるかどうかの判断や、納付方法の相談は、各市区町村の介護保険担当窓口で行ってください。
誰が連帯納付義務を負うのか
世帯主が負う義務の範囲
法132条2項により、世帯主は、普通徴収の対象となる当該世帯の第1号被保険者の保険料について、連帯して納付する義務を負います。たとえば、世帯主である子と同じ世帯で暮らす65歳以上の親が普通徴収の対象で、保険料を納めていない場合、世帯主である子が義務者になりえます。
岐阜市の外部監査措置状況には、住民票の世帯主と実際に生計を維持している人が異なる場合に、生計維持者を132条2項の「世帯主」と認定する案が意見として出ているものの、市は検討中と記されています。住民票上の世帯主かどうか等の認定は、自治体に確認してください。
配偶者が負う義務の範囲
法132条3項では、配偶者の一方は、普通徴収の場合、第1号被保険者である他方の保険料を連帯して納付する義務を負うとされています。世帯主の規定(2項)にある「当該世帯に属する」という文言は、3項にはありません。このため、別居している配偶者の扱いは、条文だけでは読み取りにくい部分です。
調べた範囲では、別居配偶者の扱いを明示した公的資料は確認できませんでした。単身赴任や入院、施設入所などで別居している夫婦は少なくありませんが、「別居だから対象外」「別居でも対象」のどちらも断定はできません。市区町村の窓口で、自分たちのケースを具体的に伝えて確認してください。
対象にならない人
条文に義務者として書かれているのは、世帯主と配偶者だけです。世帯主・配偶者に当たらない子や親族(別世帯の子など)は、132条に基づく連帯納付義務者ではありません。ただし、同じ世帯で世帯主になっている子は、世帯主として対象になりえます。
図のとおり、条文上の義務者は世帯主と配偶者で、別世帯の子は含まれません。
なお、本人が亡くなった場合は別の話になります。太子町の案内では、本人死亡後は相続によって保険料の債務が承継されるとされています。連帯納付義務とは別の仕組みで、相続人が未納の保険料を引き継ぐ可能性があるということです。相続の手続き全般は、窓口や専門家に相談してください。
ケースで考える義務の有無
条文の読み方を、典型的な3つの家族の形で整理します。いずれも普通徴収の対象で、保険料が未納になっている場合の話です。
- 世帯主の子が、普通徴収の対象である65歳以上の親と同じ世帯で暮らしている場合: 子は世帯主として132条2項の義務者になりえます。
- 夫婦のうち一方が65歳以上で普通徴収の場合: 他方の配偶者は132条3項の義務者になりえます。別居の場合の扱いは自治体に確認が必要です。
- 子が別世帯で、親とは別に暮らしている場合: 世帯主でも配偶者でもないため、条文上の義務者には当たりません。
これらはあくまで条文の読み方です。実際に請求を受けるかどうかや、請求の順序は、各市区町村の運用で決まります。迷う場合は、通知書を手元に置いて窓口で相談してください。
連帯納付義務が生じる場面と生じない場面
普通徴収の場合に限られる
連帯納付義務の規定(132条2項・3項)は、いずれも「普通徴収の場合」を前提にしています。介護保険料の徴収方法は法131条で特別徴収か普通徴収かに分けられており、この違いが連帯納付義務の有無を左右します。
普通徴収とは、市町村から届く納付書や口座振替で、被保険者が自分で納める方法です。仕組みの詳細は、介護保険料の普通徴収を解説した記事でも整理しています。
特別徴収(年金天引き)には連帯義務の規定がない
132条は、普通徴収の場合のみ連帯納付義務を定めています。年金から保険料が天引きされる特別徴収については、連帯納付義務の規定がありません。法135条では、年金保険者から通知のある人は原則として特別徴収の対象とされています。
特別徴収の対象条件や、仮徴収・本徴収の仕組みは、お住まいの市区町村の案内で確認してください。
どんな人が普通徴収になるのか
西脇市の案内では、年金年額が18万円以上の人は特別徴収、18万円未満などの人は普通徴収とされています。明石市の案内では、普通徴収になるのは、65歳に到達した直後、他の市町村から転入した直後、年金が停止されている間などとされています。普通徴収か特別徴収かは、本人の希望で選ぶことはできません。
つまり、親の年金額が少ない、あるいは65歳になったばかりという場合は、連帯納付義務が関わる普通徴収の対象になりやすい、という見方ができます。
図のとおり、連帯納付義務の規定があるのは普通徴収の側だけです。
納付のスケジュールを把握する
明石市の例では、普通徴収は7月から翌年3月までの9期に分けて納め、特別徴収は4・6・8月が仮徴収、10・12・2月が本徴収です。年度の途中で65歳になったり、転入したりした場合は、普通徴収から始まる場合があり、いきなり納付書が届いて戸惑う人もいます。年金が一時的に止まると、その期間は普通徴収に切り替わるため、本来は天引きだった人でも納付書が届くことがあります。
納付書が届いたら、納期限と金額を家族で共有しておくと、滞納の予防になります。
よくある誤解を整理する
「年金が少ない親の滞納は子や配偶者が払う」は条文と合わない
インターネット上には、「年金が年額18万円以下の親が滞納したら、配偶者や世帯主が代わりに支払う義務がある」といった説明があります。しかし、これは条文と整合しません。第一に、年金額18万円は特別徴収と普通徴収を分ける目安であって、連帯納付義務の発生条件ではありません。第二に、義務者は世帯主と配偶者に限られ、普通徴収の場合に限られます。
子が別世帯であれば、132条の義務者には該当しません。同じ世帯の世帯主であれば該当しうる、というのが条文の整理です。
「滞納すると自動で全額が移る」わけではない
連帯納付義務は、本人の債務が自動的に世帯主や配偶者に付け替えられる制度ではありません。本人にも義務が残ったまま、義務者にも請求されうる、という構造です。今治市などの案内では、連帯納付義務者に請求や滞納処分が行われる場合があるとされており、請求が来る可能性はあります。
請求の時期や順序は自治体の運用によります。請求を受けたときは、放置せずに、保険料の内訳(どの期の分か、延滞金がいくらか)を窓口で確認することが大切です。
医療保険・年金の納付義務とは別の話
介護保険料の連帯納付義務は、あくまで介護保険法132条に基づくものです。医療保険や年金の保険料の納付義務とは、別の法律に基づく別の話です。名前が似ているため混同されやすいのですが、それらの話を聞いたときも、介護保険料にそのまま当てはまるとは限りません。
介護保険料について知りたいときは、介護保険法と、お住まいの市区町村の案内を確認してください。
情報を読むときの注意点
連帯納付義務については、条文を簡略化した説明が出回っています。確認のポイントは次の3つです。
- 「普通徴収の場合」という前提が書かれているか。
- 義務者が世帯主と配偶者に限られると書かれているか。
- 根拠として介護保険法132条や自治体の案内が示されているか。
これらが欠けた説明は、実際の制度より義務の範囲を広く、あるいは狭く伝えている可能性があります。制度に関わる判断は、e-Govの条文と、お住まいの市区町村の案内で確かめてください。
保険料の金額と所得段階の基本
全国平均の月額と基準額
連帯納付義務は、納めるべき保険料があって初めて問題になります。厚生労働省が令和6年5月14日に公表した資料によると、第9期(令和6〜8年度)の第1号保険料の基準額は、全国の加重平均で月額6,225円です。第8期は6,014円で、差は211円でした。基準額は市町村ごとに決められるため、実際の金額は全国平均と異なります。
所得段階で年額が大きく変わる
保険料は所得に応じた段階に分かれます。段階数や金額は自治体ごとに異なります。文京区の令和8年度は20段階で、基準額(第5段階)が年額73,300円、第1段階が20,900円、第20段階が285,900円(軽減後を含む)です。
図のとおり、同じ区でも第1段階と第20段階では年額に10倍以上の開きがあります。お住まいの地域の額は、各市区町村の案内で確認してください。
保険料段階は世帯の課税状況で決まる
文京区の案内では、保険料の段階は世帯の課税状況で決まります。本人が住民税非課税でも、同じ世帯に住民税課税者がいれば、第4段階や第5段階になる場合があります。
連帯納付義務を考えるうえで、ここは重要です。たとえば子が世帯主の場合は、同居の子が働いて住民税を課税されていると、文京区の例では親の保険料段階が上がることがあります。そして世帯主として、その子が連帯納付義務者になりうる、という関係です。世帯の構成は、保険料の額にも、納付義務にも関わっています。
保険料を滞納した場合の流れ
納期限後の督促と催告
納期限までに納めない場合、市町村は督促を行います。督促の根拠は地方自治法231条の3第1項です。練馬区の案内では、督促状、催告書、電話催告の順に連絡が来て、それでも納まらない場合は預貯金などの差押えがありうるとされています。荒川区では督促状、催告書、電話、SMS、訪問が挙げられています。
西脇市では、督促手数料が1通100円かかり、督促状の発送から10日を経過しても完納されない場合は滞納処分に進むとされています。納付してから確認が取れるまで2週間程度かかり、督促状と行き違いになることがある点にも注意が必要です(練馬区)。また、分割納付をしている間でも、現年度分が未納であれば督促が出ます。
延滞金の計算
納期限を過ぎると、延滞金がかかります。船橋市の令和8年の案内では、納期限の翌日から3か月以内は年2.8%、3か月を経過すると年9.1%です。計算式は「保険料額×割合×日数÷365」で、割合は毎年変わります。
たとえば、1万円の未納が3か月以内の期間で30日続いた場合は、10,000円×2.8%×30日÷365で、目安として約23円です。少額に見えても、期間が長くなるほど、また3か月を超えるほど負担が増えます。計算の詳細は、お住まいの市区町村の通知を確認してください。
滞納処分(強制徴収)
法144条により、地方自治法231条の3第3項の歳入に当たる介護保険料は、地方税の滞納処分の例によって強制的に徴収できます。つまり、督促を受けても納めない場合、財産の差押えなどの手続きに進みうるということです。
滞納処分は、本人に対してだけでなく、連帯納付義務者に対しても行われる場合があります(今治市・茂木町)。滞納の詳しい仕組みは、介護保険料の滞納を扱った記事もあわせて参考にしてください。
滞納から給付制限までの時間の目安
納期限から督促、滞納処分、延滞金、給付制限までを時間の流れで並べると、次の図のようになります。給付制限の中身は、次の章で詳しく説明します。
図のとおり、滞納が長引くほど延滞金の割合が上がり、1年を超えると介護サービスの給付に影響が出ます。
時効と給付制限の仕組み
徴収権の時効は2年
法200条により、保険料を徴収する権利は、行使できるときから2年で時効により消滅します。督促には時効を更新する効力があります。起算日の表現は自治体で異なり、納期限からとする案内や、督促状が届いた翌日からとする案内などがあります。詳細は、お住まいの市区町村に確認してください。
注意したいのは、時効が成立しても、それで問題が解消するわけではないことです。時効消滅した期間は、後述するように給付の面で影響が残ります。
滞納期間に応じた給付制限
滞納が続くと、介護サービスを使うときの給付に制限がかかります。法66条・67条・69条に基づく内容は次のとおりです。
| 滞納期間 | 措置 | 根拠条 |
|---|---|---|
| 1年以上 | 支払方法の変更(償還払い化)。いったんサービス費用の全額を自己負担し、後で申請して払い戻しを受ける。北九州市では払い戻しまで約2か月かかるとされている。 | 66条 |
| 1年6か月以上 | 保険給付の一時差止め。滞納が続けば、差し止められた額を滞納保険料に充てることができる。 | 67条(充当は3項) |
| 時効消滅(2年)を超えた滞納 | 給付額の減額。 | 69条 |
償還払いの仕組みは、お住まいの市区町村の案内で確認してください。
給付額減額の中身
時効で消滅した期間がある場合の減額(69条)は、サービスを利用したときの自己負担割合が上がる形になります。負担割合が1〜2割の人は3割に、3割の人は4割になります。さらに、高額介護サービス費などが支給されなくなります。
時効にかかった保険料は、さかのぼって納めることができません。災害など特別の事情がある場合は、制限されない場合もあります。滞納の期間と給付への影響が気になる場合は、早めに窓口で確認してください。
連帯納付義務を負ったときの対応
請求を受けたらまず確認すること
市町村から納付の通知や督促状が届いたら、まず次の点を確認しましょう。
- 誰の、いつの期の保険料か
- 本人宛の通知か、連帯納付義務者としての通知か
- 延滞金や督促手数料が含まれているか
- 納期限と、すでに納付済みかどうか(行き違いの可能性)
督促状が来ても、納付後であれば行き違いの場合があります。確認が取れるまで時間がかかる点は、練馬区の案内でも触れられています。
図の流れで、確認のあとは早めに窓口へ相談し、必要なら減免・徴収猶予も尋ねてください。
早めに窓口へ相談する
目黒区、船橋市、荒川区の案内では、納付が難しいときは早めに介護保険課などの窓口に相談するよう求めています。相談先は自治体ごとに異なるため、各市区町村の公式サイトや通知書で確認してください。
家族で事前に話し合っておく
親が65歳を迎える、あるいは年金額が少ない、といった場合は、あらかじめ誰が納付書を管理するか、口座振替の設定が済んでいるかを家族で確認しておくと安心です。口座振替の手続き方法は自治体で異なります。
世帯主や配偶者は、保険料の滞納が起きていないかを、通知書や納付状況で把握しておくとよいでしょう。本人が認知症などで管理が難しい場合は、地域包括支援センターなどにも相談できます。
相談前の準備
窓口に相談するときは、次のものを用意するとスムーズです。
- ☐ 届いた納付書や督促状
- ☐ 本人の被保険者証
- ☐ 世帯の状況が分かる情報(同居の有無、収入の状況)
- ☐ すでに納付した分の領収書
- ☐ 減免を相談する場合は、事情を示す書類(罹災証明、離職の事実が分かる書類など)
必要書類は自治体ごとに異なるため、事前に窓口の案内を確認してください。
減免・徴収猶予を使える場合
市町村の条例による減免と猶予
法142条により、市町村は条例で、特別の理由がある人の保険料を減免したり、徴収を猶予したりできます。内容は自治体によって異なります。減免制度の詳細は、介護保険料の減免制度を解説した記事で整理しています。
新宿区では、災害や収入の大幅な減少などが理由に挙げられています。
申請期限に注意
申請期限は自治体で異なります。西宮市の令和7年度の案内では、次のとおりです。
| 事由 | 期限(西宮市の例) |
|---|---|
| 災害 | 事由が発生した日から1年以内 |
| 失業・廃業など | 年度末日または退職日等から4か月以内のうち、遅い日まで |
| 国外に1年以上滞在する場合 | 減免の制度がある(期限は案内で確認) |
期限を過ぎると申請できなくなるため、事情が生じたらなるべく早く窓口に連絡しましょう。各自治体の案内を確認してください。
徴収猶予の範囲
鹿児島市の案内では、徴収猶予の期間は6か月以内で、納付できないと認められる金額が限度とされています。猶予は支払いを免除するものではなく、納期を先に延ばすものです。減免と猶予は別の制度で、どちらが使えるかは事情によります。制度の内容や基準は自治体ごとに異なります。
減免・猶予を使うと義務はどうなるか
減免が認められて保険料そのものが減れば、連帯納付義務の対象となる金額も小さくなります。一方、減免や猶予の決定が連帯納付義務者への請求に与える影響については、公的資料では確認できませんでした。
住所地特例・世帯分離との関係
住所地特例とは
法13条により、施設に入所して住所を移した人は、入所前の住所地の市町村の被保険者のままとなります(住所地特例)。北九州市の案内では、サービス付き高齢者向け住宅などは対象になり、グループホームなど地域密着型サービスは対象外とされています。新潟県の案内にも住所地特例の説明があります。
連帯納付義務との関係は確認が必要
住所地特例で施設に入所した場合に、連帯納付義務がどう扱われるかを直接説明した公的資料は、調べた範囲では確認できませんでした。世帯の考え方がどうなるかは、断定せず、元の住所地の市町村窓口で確認してください。
世帯分離と連帯納付義務
世帯分離をすれば連帯納付義務を避けられるのでは、と考える人もいます。しかし、世帯分離と連帯納付義務の関係を明記した公的資料は確認できませんでした。配偶者について定めた132条3項には、「当該世帯に属する」という文言がありませんが、それが世帯分離との関係でどうなるかも、公的資料では確認できていません。窓口で確認してください。
義務を免れる目的の世帯分離は、勧められません。また、保険料段階は世帯の課税状況で決まるため、世帯分離が保険料に影響するかどうかも、手続きの前に窓口で確認してください。
制度改定と確認先の注意
介護保険は3年ごとに見直される
介護保険制度は3年ごとに見直されます。第9期は令和6〜8年度で、保険料の基準額や段階設定は期ごとに見直されます。この記事の金額や数字は、記事作成時点の公開情報に基づくものです。法改正や条例の変更により、内容が変わる場合があります。必ず最新の情報を、厚生労働省や市区町村の公式ページで確認してください。
相談先の探し方
市町村の介護保険担当課(介護保険課、高齢者支援課など名称は自治体で異なります)が、保険料の窓口です。通知書に記載の連絡先を確認するのが確実です。地域包括支援センターでは、介護全般の相談を受け付けています。
公的資料で確認できなかった事項
この記事では、公的資料で確認できた内容だけを書いています。次の事項は、調べた範囲では確認できませんでした。いずれも断定せず、自治体窓口で確認してください。
- 同居していない配偶者(別居、単身赴任、施設入所など)が、132条3項の義務者になるかどうか
- 住所地特例で施設に入所した場合の連帯納付義務の扱い
- 世帯分離をした場合の連帯納付義務への影響
- 減免・徴収猶予が連帯納付義務者への請求に与える影響
- 時効の起算日の細かな取扱い(自治体で表現が異なります)
まとめ
この記事の要点
- 連帯納付義務は介護保険法132条2項・3項に基づき、普通徴収の場合に世帯主と配偶者が負う義務です。
- 対象は65歳以上の第1号被保険者の保険料で、特別徴収(年金天引き)には規定がありません。
- 世帯主・配偶者に当たらない子や親族(別世帯の子など)は対象外ですが、同じ世帯で世帯主になっている子は対象になりえます。別居配偶者や住所地特例、世帯分離の扱いは自治体窓口で確認が必要です。
- 滞納すると督促、延滞金、滞納処分があり、1年以上で償還払い化、1年6か月以上で給付の一時差止め、時効2年超で自己負担割合の引き上げに進みます。
- 納付が難しいときは、減免や徴収猶予(法142条)も含め、早めに市区町村の窓口へ相談してください。
- 本人が亡くなった場合は、相続により未納の保険料債務が承継されることがあります(太子町の案内)。
この記事の立ち位置
制度は改定されることがあり、運用は自治体で異なります。最新情報は市区町村と厚生労働省の公式ページで確認してください。かいごの窓の編集方針はこのサイトの立ち位置で説明しています。