シルバーハウジングとは|LSAの役割・入居条件・家賃の仕組みを公的資料で解説

公営住宅等に生活援助員(LSA)の見守りを組み合わせた住宅です。対象、LSAの業務、家賃の考え方、サ高住など他の住まいとの違いを整理しました。

目次

シルバーハウジングは、バリアフリー化された公営住宅等に、生活援助員(LSA)による見守りと生活相談を組み合わせた高齢者向けの住宅で、昭和62年度(1987年度)に始まった国の事業です。住宅は国土交通省、LSAの派遣は厚生労働省と、二つの行政分野にまたがります。介護サービス付きの住まいではなく、入居条件や家賃、LSAの勤務時間は自治体ごとに異なります。

シルバーハウジングとは

まず、事業の定義と成り立ち、よくある誤解を整理します。

定義と事業の枠組み

シルバーハウジングは、高齢者の生活特性に配慮した設備・仕様を備えた公営住宅等と、生活援助員を派遣して生活指導・相談や安否確認などを行うサービスを、一体で提供する事業です。正式には「シルバーハウジング・プロジェクト」と呼ばれ、「高齢者世話付き住宅」と表記されることもあります。

住宅の側は、緊急通報装置などを備えた公営住宅等、入居者の相談に応じる高齢者生活相談所、LSAが入る専用の住戸で構成されます。この枠組みは、国土交通省や内閣府の資料に示されています。

事業を行うのは、地方公共団体、都市再生機構(UR)、地方住宅供給公社などの住宅供給主体です。個人の大家や民間事業者が自由に名乗れる名称ではなく、公的な住宅供給の事業として位置づけられています。

創設から現在までの沿革

国の資料によると、事業は昭和62年度(1987年度)に、生活援助員が常駐する形で創設されました。平成5年度には福祉施設と連携する型が加わり、平成8年度には、必要と認められる場合に障害者世帯も対象に加えられています。

運営の根拠となる通知として、平成13年付けの「シルバーハウジング・プロジェクトの実施について」(社老発第114号・国住備発第51号)が示されています。厚生労働省と国土交通省が連名で出した通知で、住宅と福祉の両部局が連携する考え方が、ここに表れています。

創設から約40年が経つため、住宅の古さや、入居者の高齢化に合わせた運営の見直しが各地の課題になっています。この点は後半の章で、国土交通省の調査結果にもとづいて触れます。

よくある誤解

名称から「介護が受けられる住宅」と受け取られることがありますが、そうではありません。新潟市の募集資料には「シルバーハウジングは介護サービス等のサービス付住宅ではありません」と明記されています。

LSAの業務は、生活相談や安否確認、緊急時の連絡といった見守りが中心です。山口市の要綱に挙げられた業務には、身体介護や医療行為は含まれていません。介護が必要になったときは、介護保険の要介護認定を受け、訪問介護などのサービスを別に契約して使う形になります。

もう一つの誤解は「全国どこでも同じ条件」という見方です。入居の収入基準、LSAの利用者負担、家賃の減免は自治体が決めるため、同じ名称でも内容が異なります。

住宅と福祉の役割分担

住宅と見守りを、国のどの分野と、どんな主体が支えているのかを見ていきます。

事業主体と国の関わり

建物の整備と入居者の管理は、地方公共団体などの住宅供給主体が担います。国の資料では、住宅部分の整備や家賃の考え方は国土交通省が、LSAの派遣に関する部分は厚生労働省が所管する形で整理されています。

シルバーハウジングの住宅と福祉の役割分担住宅部分は国土交通省、LSAの派遣は厚生労働省が所管し、両者を一体で提供する。昭和62年度創設。事業主体は地方公共団体、UR、地方住宅供給公社。介護サービス付きの住まいではない。シルバーハウジングの仕組み住宅(公営住宅等)国土交通省見守り(LSA派遣)厚生労働省一体で提供昭和62年度(1987年度)創設事業を行うのは地方公共団体都市再生機構(UR)地方住宅供給公社介護サービス付きの住まいではない
住宅(国土交通省)と見守り(厚生労働省)の二つを組み合わせた事業です。

LSAの派遣は、厚生労働省の地域支援事業の枠組みで行われると説明されています。費用の負担の仕方は自治体で異なる場合があるため、運営する自治体に確認してください。

住戸と共用部の構成

シルバーハウジングの団地は、入居者が暮らす住戸のほかに、LSAが勤務する専用住戸と、相談や交流のための高齢者生活相談所を備えるのが基本の形です。LSA室には、各住戸の緊急通報や火災報知器の信号が届く仕組みが設けられている例があります。

戸数の規模は団地によってさまざまです。単独の棟として建つ場合もあれば、大規模な公営住宅団地の一角に、シルバーハウジングの住戸がまとまって配置される場合もあります。

常駐型と福祉施設連携型

国の資料には、LSAが団地に常駐する形と、近隣の福祉施設と連携して見守りを行う形が示されています。後者は平成5年度に加わった形です。

どちらの型で運営されているかは団地ごとに異なります。募集時に示される資料で、LSAの勤務日・勤務時間や緊急時の対応体制を確認してください。

生活援助員(LSA)の役割

LSAが具体的に何をするのか、配置や勤務時間はどうなっているのかを、自治体の資料から確認します。

LSAが行う6つの業務

LSAの業務は、自治体の要綱で具体的に定められています。山口市の要綱(制定年は資料から確認できません)では、次の6つが挙げられています。

  • 生活指導・相談
  • 安否の確認
  • 一時的な家事援助
  • 緊急時の対応
  • 関係機関との連絡
  • その他、日常生活上必要な援助

ここでいう家事援助は「一時的な」ものとされています。継続的な掃除や買い物の代行は、介護保険の訪問介護や自治体の生活支援サービスなど、別の制度で受ける位置づけになります。

山口市要綱の例:LSAの業務と含まれないもの山口市の要綱では、LSAの業務として生活指導・相談、安否の確認、一時的な家事援助、緊急時の対応、関係機関との連絡、その他日常生活上必要な援助の6つが挙げられている。身体介護は業務に含まれず、必要な場合は介護保険サービスを別に利用する。山口市要綱の例:LSAの業務の範囲LSAの業務(要綱の6項目)生活指導・相談安否の確認一時的な家事援助緊急時の対応関係機関との連絡その他、日常生活上必要な援助要綱の業務に含まれないもの身体介護介護保険サービスを別に利用
山口市の要綱に挙げられた6つの業務の例です。身体介護は含まれず、介護保険サービスを別に利用します。

配置の目安と利用者負担

山口市の要綱では、LSAの配置の目安はおおむね30戸に1人とされています。資格として社会福祉士、介護福祉士、ホームヘルパー2級以上の記載がありますが、ホームヘルパー2級は現在は使われていない旧名称です。現行の資格要件は自治体に確認してください。

LSAのサービスを受けるための利用者負担は、自治体で異なります。山口市の資料では月額0〜4,900円、尼崎市の平成30年(2018年)の資料では月額0〜2,800円と、収入に応じた段階が設けられています。いずれも資料が作られた時点の例で、現在の金額とは異なる可能性があります。

勤務時間と夜間の対応

LSAが24時間いるとは限りません。新潟市の資料では、LSAの対応は月曜から金曜の日中で、夜間と土日祝日は業務時間外とされています。

時間外に体調が急変した場合の連絡先は、団地ごとに異なります。緊急通報ボタンを押したときに、どこへ通報が届くのかは、入居前に確認しておきたい点です。国土交通省の平成18年の調査でも、同調査の自由記述に挙げられた課題の一つに「24時間体制の確保」があります。

住戸の設備と緊急時の仕組み

緊急時にどんな設備が使えるのか、新潟市の募集資料の例を中心に紹介します。

緊急通報と安否確認の設備

新潟市の募集資料では、緊急通報ボタンが和室・浴室・トイレの3か所に設けられている例が示されています。このほかに、在室を知らせる在室確認ボタン、緊急用インターホン、火災報知器、ガス漏れ警報器があり、火災報知器とガス漏れ警報器はLSA室へ通報される仕組みです。

設備の種類や数は、建設年代や団地によって異なります。古い団地では、設備が更新されていない場合もあるため、見学や募集資料で確認することが大切です。

バリアフリーの仕様

住戸は、手すりの設置や段差の解消など、高齢者が暮らしやすい仕様とされています。新潟市の資料にも、手すりと段差解消が挙げられています。

ただし、バリアフリー化は「車いすでの生活が前提」という意味ではありません。住戸の広さや間取りは団地ごとに異なり、新潟市 令和8年度募集(シルバーハウジング早川町)では、1DK(41平方メートル)が募集されています。

安否確認方法についての国の事務連絡

厚生労働省の資料(WAM NET掲載の参考資料)によれば、平成18年4月20日付の事務連絡で、安否確認の方法を明確にすることと、緊急時の体制を整えることが求められています。LSAの業務が、日々の見守りの方法や緊急時の連絡体制と結びついていることがわかります。

具体的な方法は自治体や団地で異なります。入居前に確認しておきたい点として、「どのように安否を確認するのか」「異変があったときに誰が動くのか」があります。

入居できる人と収入の基準

年齢や世帯の条件、収入基準、自治体独自の要件を整理します。

対象となる世帯

国の資料では、対象は高齢者の単身世帯と夫婦世帯とされ、単身は60歳以上、夫婦世帯は一方が60歳以上であればよいとされています。必要と認められる場合は、障害者世帯も対象になります。

これに加えて、シルバーハウジングは公営住宅等の一部であるため、公営住宅としての入居資格を満たす必要があります。収入が自治体の定める基準以内であることなどが条件になります。

収入基準は自治体の条例で決まる

入居収入基準は、条例に委ねられていて自治体で異なります。次の2つは、時点も出典も別の資料で、全国の現行基準ではありません。比べるための参考として見てください。

資料時点収入基準の内容
愛知県の資料平成23年本来階層は月額158,000円以下、裁量階層は214,000円以下の範囲で設定する旨
新潟市の募集令和8年度60歳以上の単身または夫婦世帯で、所得月額が259,000円以下

実際に申し込む際は、募集を行う自治体の最新の案内を必ず確認してください。

身元引受人や面接など自治体独自の要件

新潟市の令和8年度の例では、身元引受人など2名が必要とされています。また、抽選のあとに面接と健康診断書の提出があります。

求められる書類や手続きは自治体ごとに異なるので、募集要項で確認してください。

東京都のシルバーピアとの違い

東京都内の自治体の案内には「シルバーピア」という名称が出てきます。新宿区や太田区の案内によると、東京都が独自に進めてきた制度で、対象は65歳以上と案内されています。

国の「シルバーハウジング・プロジェクト」とは別枠の制度なので、名称が似ていても、年齢などの条件は同じではありません。東京都内で調べるときは、どちらの制度の案内を見ているのか区別してください。

家賃の仕組みと減免

家賃は公営住宅の仕組みで決まります。国の算定基礎額、実際の家賃の例、減免の順に見ます。

家賃算定基礎額の仕組み

公営住宅の家賃は、入居者の収入に応じて決まる仕組みで、国の「公営住宅等家賃対策補助金交付要領」(最終改正は令和8年4月7日)に、収入区分ごとの家賃算定基礎額が定められています。収入区分と家賃算定基礎額は次のとおりです。

収入区分(月額)家賃算定基礎額
104,000円以下34,400円
104,000円超〜123,000円39,700円
123,000円超〜139,000円45,400円
139,000円超〜158,000円51,200円
158,000円超〜186,000円58,500円
186,000円超〜214,000円67,500円
214,000円超〜259,000円79,000円
259,000円超91,100円

この金額に、住宅の立地条件を表す立地係数、広さを表す規模係数、建築後の年数を表す経過年数係数などを掛けて、実際の家賃が算出されます。ただし、近傍の同種の住宅の家賃を上回らないものとされています。

なお、この基礎額は国の補助金の算定に用いる区分で、実際の家賃は各自治体が定めます。たとえば新潟市の例では、月額18,900〜43,600円です。

公営住宅の家賃の決まり方収入区分ごとに決まる家賃算定基礎額(月額34,400〜91,100円)に、立地係数・規模係数・経過年数係数などを掛けて実際の家賃が算出される。ただし近傍の同種の住宅の家賃を上回らない。実際の家賃は各自治体が定め、新潟市の例では月額18,900〜43,600円。公営住宅の家賃の決まり方①収入区分で決まる家賃算定基礎額月額34,400〜91,100円(8区分)×②住宅ごとの係数を掛ける立地係数立地条件規模係数広さ経過年数係数建築後の年数など③実際の家賃(各自治体が定める)上限:近傍の同種の住宅の家賃を上回らない例:新潟市 月額18,900〜43,600円
公営住宅等家賃対策補助金交付要領(最終改正 令和8年4月7日)に基づく家賃の決まり方です。実際の家賃は各自治体が定めます。

実際の家賃の例

新潟市 令和8年度募集(シルバーハウジング早川町)では、1DK(41平方メートル)の家賃が、収入に応じて月額18,900〜43,600円とされています。このほか共益費が別にかかります。実際の金額は、募集する自治体の資料で確認してください。

家賃の減免

家賃の減免制度は自治体ごとに異なります。鹿児島市の例では、収入月額が25,000円以下の場合に家賃の2分の1、50,000円以下の場合に4分の1を減額する旨が示されています。

減免の対象や割合は条例や規則で定められ、改正されることもあります。申請の窓口や必要書類も自治体で異なるため、入居後に収入が下がった場合の手続きは、住宅の管理者に相談することになります。

申込から入居までの流れ

募集の流れと、どこに問い合わせればよいか、入居前の確認点をまとめます。

募集と選考の流れの例

募集は自治体などが行います。新潟市の令和8年度の例では、次のような日程でした。

  • 受付:6月8日〜18日
  • 公開抽選:6月26日
  • 面接:7月6日
  • 結果通知:7月17日ごろ
  • 入居:8月1日

募集のたびに、時期や戸数は変わります。募集の時期は自治体の広報や住宅担当課のページで確認する必要があります。

申込から入居まで(新潟市 令和8年度)新潟市の令和8年度の例。受付6月8日〜18日(身元引受人など2名が必要)、公開抽選6月26日(抽選のあとに面接と健康診断書)、面接7月6日、結果通知7月17日ごろ、入居8月1日。申込から入居まで(新潟市 令和8年度)1受付6月8日〜18日身元引受人など2名が必要2公開抽選6月26日抽選のあとに面接・健康診断書3面接7月6日健康診断書の提出もある4結果通知7月17日ごろ住宅の供給主体が入居を決定5入居8月1日家賃のほか共益費が別にかかる
新潟市の令和8年度の日程の例です。時期は募集ごとに異なります。

入居の決定を行う主体

国の資料などでは、申込・入居・退去は、住宅を供給する主体が決定するものとされています。LSAを派遣する福祉部局ではなく、住宅部局やURなどの管理者が窓口になります。

このため、「どこに問い合わせればよいか」は、団地を管理している自治体の住宅担当課かUR、住宅供給公社が基本の窓口です。一般的な案内として、介護や生活全般の相談先には地域包括支援センターもあります。

入居前に確認しておきたい点

入居前に確認しておきたい点を挙げます。

  • LSAの勤務日と勤務時間、夜間・休日の連絡先
  • 緊急通報が届く先と、その後の対応の流れ
  • LSAの利用者負担の有無と金額
  • 家賃と共益費、減免の条件
  • 介護が必要になったときの退去の取り扱い

特に最後の点は、団地や自治体で異なるため、募集時の資料や窓口で確認してください。

介護が必要になったとき

要介護になった場合の暮らし方と、国土交通省の調査から見えることを整理します。

介護サービスとの関係

前述のとおり、シルバーハウジングは介護サービス付きの住まいではありません。入居後に介護が必要になった場合は、要介護認定を受けたうえで、訪問介護や通所介護などの介護保険サービスを、事業者と契約して利用する形になります。

訪問介護などを併用する場合、介護保険は3年ごとに見直されるため、利用時点の制度や負担額を確認してください。住まいの中で介護や食事の提供まで受けられる施設とは、仕組みが異なります。

国土交通省の入居者調査から

国土交通省が平成18年12月に行った調査(210団地のうち165団地が回答)では、入居者の状況が次のように報告されています。

  • 健常:70.1%
  • 要支援:12.0%
  • 要介護1:9.0%

調査は約20年前のもので、現在の入居者の状況は異なる可能性があります。当時の傾向をみる参考資料として読んでください。

退去の理由と運営上の課題

同じ調査では、退去の理由として、死亡が45.4%、親族等との同居が17.9%、介護が必要になったことが17.1%、入院が5.6%と報告されています。

これは退去した人の理由の内訳です。「介護が必要になった人の3人に1人近くが退去する」という意味ではありません。入居者全体のうちの割合でもない点に注意してください。

同調査の自由記述では、課題として「24時間体制の確保」などが挙げられていました。入居者の高齢化が進むなかで、見守りの体制をどう保つかは、継続的な課題とされています。

重くなったときの住み替えと相談先

介護が必要になっても、住み続けられる例と、退去になる例の両方があります。団地や自治体で扱いが異なるため、入居前に確認しておくと安心です。

介護の程度が重くなった場合の次の住まいとしては、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームなどが候補になります。違いは次章の表で整理します。

入居中に心身の状態が変わってきたら、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに早めに相談してください。

供給戸数の推移と地域

供給戸数は資料によって数字が異なるため、時点を添えて紹介します。

資料ごとの供給戸数

供給戸数は、資料によって次のように示されています。

  • 平成15年度:698か所、18,984戸(高齢社会白書)
  • 平成19年3月末:821団地、21,994戸
  • 平成20年度末:837団地、22,561戸
  • 平成21年度末:869団地、23,298戸
  • 平成30年度まで:1,052団地、25,455戸(令和元年版国土交通白書)

集計の基準が資料ごとに異なる可能性があるため、時点を示して並べるにとどめ、増減の割合は示していません。最新の戸数は、国土交通省などの公表資料で確認してください。

資料ごとのシルバーハウジング供給戸数平成15年度698か所18,984戸(高齢社会白書)、平成19年3月末821団地21,994戸、平成20年度末837団地22,561戸、平成21年度末869団地23,298戸、平成30年度まで1,052団地25,455戸(令和元年版国土交通白書)。集計の基準が資料ごとに揃っているか確認できていない。!集計基準が揃っているか未確認数字の増減は比べられません平成15年度698か所18,984戸出典:高齢社会白書平成19年3月末821団地21,994戸平成20年度末837団地22,561戸平成21年度末869団地23,298戸平成30年度まで1,052団地25,455戸出典:令和元年版国土交通白書■白書の数字■その他の資料
各資料に示された時点の数字を並べたものです。集計の基準が揃っているか確認できていないため、増減は断定しません。

大都市圏を中心に供給

国の資料では、供給は大都市圏を中心に進められてきたとされています。お住まいの地域に団地があるかどうかは、自治体の住宅担当課に確認してください。

団地がない場合は、ほかの高齢者向けの住まいについても、自治体の窓口で案内してもらえます。

他の高齢者向けの住まいとの違い

名前が似た住まいが多いため、対象年齢・入居の決まり方・見守りサービスの3点で比べます。

住まい対象年齢入居の決まり方見守りサービス
シルバーハウジング単身は60歳以上、夫婦は一方が60歳以上自治体などが募集し、住宅供給主体が決定LSAによる生活相談・安否確認など
サービス付き高齢者向け住宅自治体・施設により異なる賃貸借契約安否確認・生活相談が必須
有料老人ホーム自治体・施設により異なる自治体・施設により異なる自治体・施設により異なる
軽費老人ホーム60歳以上利用者が施設と直接契約自治体・施設により異なる
養護老人ホーム65歳以上市町村が決める措置自治体・施設により異なる
生活支援ハウス原則60歳以上の単身・夫婦世帯市町村が実施自治体・施設により異なる

サービス付き高齢者向け住宅との違い

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、登録制度にもとづく賃貸住宅で、安否確認と生活相談が必須のサービスです。

シルバーハウジングは公営住宅等として公的な主体が供給し、家賃も公営住宅の仕組みで決まります。詳しくはサービス付き高齢者向け住宅の解説記事で整理しています。

有料老人ホーム・軽費・養護との違い

有料老人ホームは、老人福祉法第29条にもとづく届出が必要な施設です。軽費老人ホームは60歳以上で、利用者が施設と直接契約します。養護老人ホームは65歳以上で、市町村が入所を決める措置の施設です。

いずれも食事や生活支援などを提供する「施設」であり、住戸を借りて暮らすシルバーハウジングとは性質が異なります。軽費老人ホームは軽費老人ホームの記事、養護老人ホームは養護老人ホームの記事で説明しています。

生活支援ハウスとの違い

生活支援ハウスは平成12年度に創設された、市町村が実施する事業です。原則として60歳以上の単身または夫婦世帯が対象です。

シルバーハウジングが「公営住宅等に見守りを付ける」仕組みであるのに対し、生活支援ハウスは福祉施策の一つです。

利用を考えるときの注意点

申し込む前に確認したい点と、期待しすぎないほうがよい点をまとめます。

確認すべきこと

検討するときは、次の順に確認すると整理しやすくなります。

  • お住まいの自治体に団地があるか
  • 募集の時期と、収入・年齢などの条件
  • LSAの勤務時間と夜間の対応
  • 家賃・共益費・LSA利用者負担の総額
  • 介護が必要になったときの選択肢

わからない点は、一般的に、自治体の住宅担当課や地域包括支援センターで相談できます。

できないこと・期待しすぎない点

山口市の要綱に挙げられた業務には、身体介護や医療行為は含まれていません。新潟市の資料のように、夜間や土日祝日は業務時間外とされている例もあります。見守りは、日常の安否確認と相談、緊急時の連絡が中心です。

また、公営住宅であるため、収入が基準を超えた場合の扱いなどは、公営住宅の仕組みにしたがいます。

制度改正がありうること

この記事の内容は、記載した資料の時点の情報です。公営住宅の家賃算定基礎額や、収入基準、LSAの仕組みは、制度の見直しや条例の改正で変わることがあります。

申し込む際は、必ず募集する自治体の最新の案内と、国の最新の通知で確認してください。

まとめ

  • シルバーハウジングは、公営住宅等とLSAによる見守りを組み合わせた、昭和62年度創設の公的な住宅事業で、介護サービス付きの住まいではありません。
  • 山口市の要綱に挙げられたLSAの業務は生活相談・安否確認・緊急時の対応などで、勤務時間は自治体で異なります。
  • 入居には公営住宅としての資格が必要で、収入基準や身元引受人の要件は自治体が決めています。
  • 家賃の基礎額は国の補助金算定用の区分で、実際の家賃や減免は自治体が定めます。
  • 介護が重くなったときの扱いは団地ごとに異なるため、入居前に確認し、早めにケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。

最初の一歩:お住まいの自治体の住宅担当課に、団地の有無と次回の募集時期を聞いてみましょう。

この記事の編集方針はこのサイトの立ち位置をご覧ください。特定の事業者を評価・推奨するものではなく、公的資料にもとづく情報の整理です。

よくある質問

シルバーハウジングとは何ですか。

バリアフリー化された公営住宅等に、生活援助員(LSA)による生活相談や安否確認を組み合わせた高齢者向けの住宅です。昭和62年度に始まった国の事業で、地方公共団体やURなどが供給します。介護サービス付きの住まいではありません。

シルバーハウジングの入居条件は何歳からですか。

国の資料では、単身は60歳以上、夫婦は一方が60歳以上であればよいとされています。公営住宅の入居資格も必要で、収入基準は自治体の条例で決まります。新潟市の令和8年度募集では、所得月額259,000円以下などの条件でした。

LSAは何をしてくれますか。

山口市の要綱では、生活指導・相談、安否の確認、一時的な家事援助、緊急時の対応、関係機関との連絡などが挙げられており、身体介護や医療行為は含まれていません。勤務時間は自治体で異なり、新潟市では月〜金の日中です。

シルバーハウジングの家賃はいくらですか。

公営住宅の仕組みで、収入に応じて自治体が定めます。新潟市 令和8年度募集(シルバーハウジング早川町)の例では、1DK(41平方メートル)が月額18,900〜43,600円で、共益費は別です。減免は自治体で異なります。

申し込むにはどうすればいいですか。

団地を管理する自治体の住宅担当課、UR、住宅供給公社が窓口です。募集は時期が決まっており、新潟市の令和8年度は6月に受付と抽選、7月に面接でした。まず住んでいる自治体に、団地の有無と次回の募集時期を確認してください。

認知症や要介護でも入居できますか。

入居時の扱いは自治体や団地で異なるため、募集要項や住宅担当課への確認が前提です。入居後に介護が必要になった場合は、介護保険サービスを別に契約して利用します。住み続けられる例も退去になる例もあり、国土交通省の平成18年12月の調査では退去理由の17.1%が介護の必要でした。

参考・出典

  1. シルバーハウジング・プロジェクトについて(平成20年11月) (国土交通省)
  2. シルバーハウジング・プロジェクト 資料 (国土交通省近畿地方整備局)
  3. 山口市 生活援助員派遣事業に関する要綱 (山口市)
  4. 安否確認等に関する参考資料(平成18年) (厚生労働省(WAM NET掲載))
  5. 高齢社会白書(平成17年版) (内閣府)
  6. シルバーハウジング入居者募集案内(早川町・令和8年度) (新潟市)
  7. 公営住宅の入居収入基準に関する資料(平成23年) (愛知県)
  8. シルバーハウジング・プロジェクトに関する資料 (内閣府男女共同参画局)
  9. 公営住宅等家賃対策補助金交付要領 (国土交通省)
  10. 尼崎市 生活援助員派遣事業に関する資料 (尼崎市)
  11. 令和元年版 国土交通白書 (国土交通省)
  12. シルバーピアについて (新宿区)
  13. 都営住宅(シルバーピア等)の案内 (大田区)
  14. 市営住宅 家賃の減免について (鹿児島市)
  15. 高齢者向けの住まい・施設に関する資料(有料老人ホーム・軽費・養護) (厚生労働省)
  16. サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム 制度の概要 (国土交通省・厚生労働省)
  17. 高齢者生活福祉センター(生活支援ハウス)に関する資料 (厚生労働省)