介護予防小規模多機能型居宅介護とは|対象者・定員・費用の基準を解説

要支援1・2の人が「通い・訪問・泊まり」を組み合わせて使える地域密着型サービスの対象者・定員・費用を厚労省令にもとづき解説します。

目次

要支援1・2の認定を受けた人向けの「介護予防小規模多機能型居宅介護」は、通い・訪問・泊まりを1つの事業所で組み合わせて利用できる地域密着型サービスです。要介護者向けの通常の小規模多機能型居宅介護と似た仕組みですが、対象者・根拠法令・定員・報酬水準が異なります。この記事では、厚生労働省令や告示にもとづき、対象者、サービス内容、登録定員・利用定員の基準、費用の目安、通常型との違い、ケアマネジメントの扱い、2024年度介護報酬改定のポイントまで解説します。

介護予防小規模多機能型居宅介護とは

介護予防小規模多機能型居宅介護は、介護保険法第8条の2第16項に定義されるサービスで、居宅の要支援者に対し、通所(通い)を中心としながら、訪問・宿泊(泊まり)を組み合わせて、入浴・排せつ・食事等の介護その他日常生活上の支援及び機能訓練を行うものです。「地域密着型介護予防サービス」に区分され、同じ区分には介護予防認知症対応型通所介護、介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)があります。

「通い・訪問・泊まり」を組み合わせる地域密着型介護予防サービス

1つの事業所と契約すれば、その日の体調や家族の予定に応じて、通いだけの日、訪問を頼む日、急な事情で泊まりを利用する日、というように柔軟に組み合わせて使えます。デイサービス・訪問介護・ショートステイをそれぞれ別の事業所と契約するのに比べ、事業所間の調整が要らない点が特徴です。

根拠法令:厚生労働省令第36号

指定基準は「指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」(平成18年3月14日厚生労働省令第36号)に定められています。同省令第43条には、心身機能の維持回復や生活機能の維持・向上を目指す基本方針が、第47条には登録定員・利用定員の基準が規定されています。

地域密着型サービスであるため市町村長が指定・監督

地域密着型サービスは、介護保険法にもとづき、都道府県ではなく市町村長が指定・指導監督を行う仕組みです。原則として、事業所が指定を受けている市区町村の住民のみが利用対象となります。

対象者と利用できないケース

介護予防小規模多機能型居宅介護を利用できる人には、要介護度と居住地の両面から条件があります。

要支援1・2の認定を受けた人が対象

対象となるのは、要支援1・2の認定を受けた「居宅要支援者」です(介護保険法第8条の2第16項)。要介護1〜5の人は対象外で、その場合は根拠省令の異なる通常の小規模多機能型居宅介護を利用します。独立行政法人福祉医療機構(WAM NET)によると、令和6年10月1日時点で介護予防小規模多機能型居宅介護は全国5,037事業所です。

要介護1以上に区分変更された場合の扱い(ケアプラン作成主体の変更)

利用中に区分変更申請を行い要介護1以上に認定されると、それまで地域包括支援センターが作成していたケアプラン(介護予防支援)から、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが作成するケアプランへと切り替わります。介護予防小規模多機能型居宅介護のままでは利用を続けられないため、通常の小規模多機能型居宅介護への移行手続きが必要になります。

事業所と同じ市区町村に住民票があることが原則

地域密着型サービスであるため、事業所が指定を受けている市区町村に住民票があることが利用の原則です。まず自分の住所地の市区町村にどのような事業所があるかを確認するところから検討を始めることになります。

要介護1以上への区分変更は、担当のケアマネジャーや家族が申し出るだけで自動的に行われるものではなく、要介護認定と同様の手続きを経る必要があります。おおまかな流れは次のとおりです。

  • 市区町村の窓口で「要介護認定・要支援認定区分変更申請書」を提出する
  • 認定調査員による訪問調査を受ける
  • 主治医意見書が作成される
  • 介護認定審査会で審査・判定される
  • 市区町村から認定結果が通知される(申請から結果通知まで通常1か月程度が目安)

心身の状態が急に悪化してサービスの見直しが必要になった場合は、できるだけ早めに地域包括支援センターやケアマネジャーへ相談し、区分変更申請の要否を確認することが実務上のポイントになります。区分変更の結果が出るまでの間も、暫定的な利用計画のもとで通い・訪問・泊まりのサービス自体は継続して利用できるのが一般的です。

サービス内容(通い・訪問・泊まり)

提供されるサービスの枠組みは要介護者向けの通常型と共通ですが、目的は「心身機能の維持回復」「生活機能の維持・向上」という介護予防・機能訓練に重点が置かれています(厚労省令第36号第43条)。

通い・訪問・泊まりの関係図 1つの事業所を中心に、通いサービス・訪問サービス・泊まりサービスの3つを利用者の状況に応じて組み合わせて利用できることを示す関係図 1つの事業所で組み合わせて利用 登録事業所 通い 日中の介護 機能訓練 訪問 自宅での 介護・援助 泊まり 短期の 宿泊対応 体調や家族の予定に応じて柔軟に組み合わせる
1つの登録事業所を中心に、通い・訪問・泊まりの3つのサービスを、本人の体調や家族の予定に応じて組み合わせて利用します。

通いサービスの内容

日中に事業所へ通い、入浴・排せつ・食事等の介護や、生活機能を維持するための機能訓練、レクリエーションなどを受けます。送迎も行われます。

訪問サービスの内容

事業所の職員が自宅を訪問し、入浴・排せつ・食事などの介護や、調理・洗濯・掃除といった生活援助を行います。時間単位のプランに縛られにくく、短時間の見守り訪問なども組み込みやすい柔軟さがあります。

泊まりサービスの内容

事業所内の宿泊室に短期間宿泊できるサービスです。家族の急な用事や体調不良など、あらかじめ予定していなかった宿泊にも対応できる点が在宅生活を支える強みになります。

登録定員・利用定員の基準

小規模であることを保つため、登録定員・利用定員には厚労省令で上限が定められています(厚労省令第36号第47条)。

介護予防小規模多機能型居宅介護の定員基準 登録定員は29人以下、通いサービスの利用定員は登録定員の2分の1〜15人、泊まりサービスの利用定員は通いの3分の1〜9人という基準を横棒グラフで示す 1事業所あたりの定員基準(上限) 登録定員 29人 通いサービス 15人 泊まりサービス 9人 単位は上限人数(利用定員は登録定員に連動)
登録定員は29人以下(サテライト型は18人以下)。通いサービスの利用定員は登録定員の2分の1〜15人、泊まりサービスの利用定員は通いサービスの利用定員の3分の1〜9人と定められています。

登録定員は29人以下(サテライト型は18人以下)

1事業所が受け入れられる登録者数は29人以下です。本体事業所と一定の連携関係にあるサテライト型事業所の場合は18人以下とされています(厚労省令第36号第47条第1項)。

通いサービスの利用定員は登録定員の2分の1〜15人

1日あたりの通いサービスの利用定員は、登録定員の2分の1以上15人までの範囲で設定します(厚労省令第36号第47条第2項第1号)。登録定員が25人を超える場合の算定は告示の表に基づき設定されます。なお、介護サービス情報公表システムの解説には一定の要件を満たす場合に上限が拡大される旨の記載もあり、事業所の登録定員や運営基準によって上限が広がるケースがあります。実際の利用定員は事業所ごとに指定申請時の内容で確認する必要があります。

泊まりサービスの利用定員は通い利用定員の3分の1〜9人

泊まりサービスの1日あたりの利用定員は、通いサービスの利用定員の3分の1から9人までの範囲で設定します(厚労省令第36号第47条第2項第2号)。

通常の小規模多機能型居宅介護との違い

通常の小規模多機能型居宅介護とは、対象者・根拠省令・報酬水準の3点で違いがあります。

介護予防型と通常型の比較 介護予防小規模多機能型居宅介護は対象が要支援1・2で根拠省令が第36号、通常の小規模多機能型居宅介護は対象が要介護1〜5で根拠省令が第34号であることを示す比較図 介護予防型と通常型の違い 介護予防型 対象 要支援1・2 根拠省令 第36号 報酬 要支援区分別 (低め) 通常型 対象 要介護1〜5 根拠省令 第34号 報酬 要介護度別 (高め)
登録定員29人以下など定員の基本枠組みは共通ですが、対象者・根拠省令・報酬水準が異なります。

対象者の違い(要支援1・2限定 vs 要介護1〜5)

介護予防型は要支援1・2に限定される一方、通常型は要介護1〜5の人が対象です。要支援・要介護のいずれになるかは要支援と要介護の違いを判定する認定調査によって決まります。

根拠省令の違い(第36号 vs 第34号)

介護予防型の指定基準は厚生労働省令第36号、通常型の指定基準は厚生労働省令第34号に定められており、条文上も別のサービスとして扱われています。

報酬水準の違い

介護報酬は要支援区分別・要介護区分別のそれぞれで月額包括報酬が設定されており、要支援向けの介護予防型は要介護向けの通常型より報酬水準が低く設定されています(社会保障審議会介護給付費分科会 第218回資料)。

費用の目安(支給限度基準額と月額包括報酬)

介護予防小規模多機能型居宅介護は月額包括報酬制のサービスで、利用者ごとの区分支給限度基準額の枠内で算定されます。

介護予防サービス費等区分支給限度基準額(要支援1:5,032単位、要支援2:10,531単位)

厚生省告示第33号(平成12年2月10日)に定める介護予防サービス費等区分支給限度基準額は、要支援1が5,032単位、要支援2が10,531単位です。この単位数の枠内で、介護予防小規模多機能型居宅介護の月額包括報酬や、他の在宅サービスの利用分を合算して管理します。

介護予防サービス費等区分支給限度基準額 要支援1は5,032単位、要支援2は10,531単位という区分支給限度基準額を横棒グラフで示す 区分支給限度基準額(月) 要支援1 5,032単位 要支援2 10,531単位(要支援1の約2.1倍)
介護予防サービス費等区分支給限度基準額は、要支援1が5,032単位、要支援2が10,531単位です(厚生省告示第33号)。

単位から円への換算の目安と自己負担割合1〜3割

1単位の単価はサービスの種類や地域区分によって異なり、おおむね10〜11.4円程度の幅があります。目黒区の資料を目安に、支給限度基準額の枠を満額利用した場合の月額目安と、自己負担割合ごとの概算額を示すと次のとおりです。

区分支給限度基準額(枠の目安)1割負担の目安2割負担の目安3割負担の目安
要支援1約50,320〜57,364円約5,032〜5,736円約10,064〜11,473円約15,096〜17,209円
要支援2約105,310〜120,053円約10,531〜12,005円約21,062〜24,011円約31,593〜36,016円

実際の自己負担額は、この枠内の利用額に対し所得に応じた自己負担割合(1〜3割)を掛けた金額です。負担割合は市区町村から届く介護保険負担割合証で確認できます。地域や事業所によって単価・実際の請求額は異なるため、あくまで目安として捉えてください。介護予防小規模多機能型居宅介護は月額包括報酬制のため、この支給限度基準額の枠のうち大部分を1つのサービスで使い切る形になり、他の在宅サービスを上乗せする余地は限られます。区分支給限度基準額を超えて利用した分は全額自己負担になるため、通いや泊まりの利用頻度をどの程度見込むかは、事業所の担当者やケアマネジャーと事前によく相談しておく必要があります。

食費・宿泊費などの実費は別途

通いサービスの食費、泊まりサービスの食費・宿泊費、おむつ代などの日常生活費は、介護保険の給付対象外の実費負担です。金額は事業所ごとに設定されているため、契約前に重要事項説明書で確認する必要があります。

ケアマネジメントと併用制限

介護予防小規模多機能型居宅介護は、ケアプラン作成の主体や他サービスとの併用に、通常のケアマネジメントとは異なる制約があります。

介護予防支援(ケアプラン作成)は事業所のケアマネジャーが担当

利用計画(介護予防支援)は、事業所に配置された介護支援専門員が一元的に作成する仕組みです。地域包括支援センターがケアプランを作成していた人が利用を開始する場合、事業所所属のケアマネジャーへ担当が変わります。

他の訪問介護・通所介護等は原則併用不可

月額包括報酬のサービスであるため、他の訪問介護・通所介護(デイサービス)・介護予防短期入所生活介護等との併用は原則できません(社会保障審議会介護給付費分科会資料)。福祉用具貸与は例外的に併用可能です。

訪問看護は原則不可だが医療保険の訪問看護に限り例外あり

訪問看護も原則として併用できませんが、主治医が特別な医療的管理を要すると判断した場合には、医療保険の訪問看護に限って併用が認められる取り扱いがあります。他の主なサービスとの併用可否を整理すると次のとおりです。

サービス種別併用可否備考
訪問介護・通所介護(デイサービス)原則不可通い・訪問は本サービス内で完結する設計のため
介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)原則不可泊まりは本サービス内で完結する設計のため
福祉用具貸与併用可例外的に併用が認められている
訪問看護(介護保険)原則不可—
訪問看護(医療保険)例外的に併用可主治医が特別な医療的管理を要すると判断した場合に限る

医療的なケアが必要な場合は、担当のケアマネジャーや主治医に相談することが必要です。要支援者は病状が比較的安定していることが前提のサービスであるため、こうした例外的な併用が認められる場面は、要介護者向けの通常型に比べると限られます。持病の管理状況に変化が出てきた場合は、早めに主治医と地域包括支援センターへ相談し、必要なサービスの見直しを検討することが大切です。

要介護1以上になった場合の移行手続き

要支援から要介護へ状態が変化した場合は、サービスの区分そのものを切り替える手続きが必要になります。

区分変更申請とケアプランの引き継ぎ

区分変更申請により要介護認定に切り替わると、ケアプラン作成主体が地域包括支援センター(介護予防支援)から居宅介護支援事業所へ移ります。月の途中で区分が変わった場合の請求方法については地域ごとに実務上のルールがあり、担当のケアマネジャーが手続きを案内します。

同一事業所内で通常型に切り替えるケースが一般的

介護予防型と通常型を併設している事業所であれば、契約を切り替えることで、住み慣れた事業所・顔なじみの職員のまま利用を継続できるケースが一般的です。併設していない事業所の場合は、通常型の指定を受けた別の事業所を探す必要があります。多くの小規模多機能型居宅介護事業所は、要支援向け・要介護向けの両方の指定を同時に受けて一体的に運営しているため、実務上は要介護区分の変更に伴って契約書・重要事項説明書を結び直す手続きが中心になります。契約先の事業所や登録定員に空きがあるかどうかによっては、切り替えのタイミングで一時的に他の在宅サービスと併用しながら調整が行われる場合もあるため、担当のケアマネジャーとよく相談しながら進めることが大切です。

2024年度(令和6年度)介護報酬改定のポイント

介護報酬は原則3年ごとに見直されており、直近の令和6年度改定でも介護予防小規模多機能型居宅介護に関わる変更がありました(社会保障審議会介護給付費分科会 第239回資料)。

総合マネジメント体制強化加算の見直し

事業所の運営推進会議の実施やケアマネジメントの質を評価する総合マネジメント体制強化加算について、より手厚い体制を評価する区分が新設されるなどの見直しが行われました。地域の関係機関との連携や、利用者の状態変化に応じたケアプランの見直しなど、事業所の運営体制全体の質を評価する趣旨の加算で、上位区分の新設は、地域包括ケアの一翼を担う事業所としてより積極的な取り組みを促す狙いがあるとされています。

科学的介護推進体制加算(LIFE)のデータ提出頻度統一

科学的介護情報システム(LIFE)へのデータ提出頻度が「3月に1回」に統一されました。事業所が収集した利用者のケア情報を全国データベースへ提出し、フィードバックを受けて自事業所のケアの質向上に活用する加算です。従来はサービス種類ごとに提出頻度が異なり事業所の事務負担が大きいという指摘があったため、提出頻度を統一することで、記録・報告にかかる事務作業を軽減しつつ、全国的なデータ蓄積を進める狙いがあります。

口腔・栄養スクリーニング加算の見直し

利用者の口腔機能・栄養状態を定期的にスクリーニングし、必要に応じて専門職へつなぐ取り組みを評価する口腔・栄養スクリーニング加算について、対象や算定要件の見直しが行われました。要支援段階から口腔機能の低下や低栄養の兆候を早期に把握し、要介護状態への進行を防ぐ「介護予防」の考え方に沿った加算といえます。介護報酬は今後も原則3年ごとに見直されるため、実際に事業所を利用する際は、契約時点での最新の加算・料金体系を重要事項説明書で確認することが欠かせません。

利用開始までの流れと事業所の探し方

実際の利用検討は、地域包括支援センターへの相談から始めるのが一般的な流れです。相談から実際の利用開始までは、おおむね「相談」「認定」「ケアプラン作成」「契約」「利用開始」という5つの段階を踏みます。

利用開始までの流れ 地域包括支援センターへの相談、要支援認定、介護予防支援によるケアプラン作成、事業所との契約、利用開始という5つのステップを示すフロー図 ① 地域包括支援センターへ相談 ② 要支援認定の申請・認定 ③ ケアプラン(介護予防支援)作成 ④ 事業所の見学・契約 ⑤ 利用開始 既に認定済みの場合は②を省略して進みます
地域包括支援センターへの相談から利用開始までは、認定・ケアプラン作成・事業所との契約という段階を経て進みます。

地域包括支援センターへの相談から始まる

要支援認定を受けた人の相談窓口は、原則として住所地を担当する地域包括支援センターです。介護予防小規模多機能型居宅介護の利用を検討している旨を伝えると、地域の事業所の状況や、介護予防支援(ケアプラン作成)の進め方について説明を受けられます。既に介護予防サービスを利用している場合も、担当のケアマネジャーに相談するところから始めます。まだ要支援認定を受けていない場合は、この相談と並行して市区町村の窓口で要支援・要介護認定の申請を行う必要があります。認定調査や主治医意見書の作成を経て認定結果が出るまでには、通常1か月程度を見込んでおく必要があります。

介護サービス情報公表システムでの探し方

お住まいの市区町村にどのような事業所があるかは、厚生労働省が運営する介護サービス情報公表システムで検索できます。事業所の人員体制、通い・泊まりの利用定員、運営推進会議の開催状況など、契約前に確認したい基本情報が公表されています。地域密着型サービスであるため掲載件数自体は他の在宅サービスより少ないことが多く、住所地に事業所が見つからない場合は、地域包括支援センターに他の在宅サービスの選択肢も含めて相談することになります。

見学・体験利用で確認したいポイント

気になる事業所が見つかったら、見学や体験利用を申し込みましょう。介護予防支援のケアプランは、実際に見学・体験して本人が事業所の雰囲気に納得したうえで作成されるのが望ましいとされています。確認しておきたいポイントは次のとおりです。

  • 通い・泊まりの実際の利用状況(定員に対する空き具合)
  • 訪問サービスの対応可能な時間帯
  • 食費・宿泊費などの実費の金額
  • 要介護1以上になった場合の事業所内での移行方法
  • 地域包括支援センターや現在のケアマネジャーからの引き継ぎ方法

メリットとデメリット

これまでの内容を踏まえると、介護予防小規模多機能型居宅介護には次のようなメリット・デメリットが整理できます。

顔なじみの関係と柔軟な組み合わせ

通い・訪問・泊まりのすべてを同じ事業所の職員が担当するため、顔なじみの関係が保たれやすく、環境の変化による不安が少なくて済みます。急な用事や体調不良にも、契約している1つの事業所への連絡だけで対応してもらいやすい点も利点です。

併用制限とケアマネ変更という制約

一方で、ケアマネジャーの変更が必要になることや、他の訪問介護・通所介護等と原則併用できなくなることは、人によっては制約と感じられます。また地域密着型サービスであるため、住所地の市区町村に事業所がなければそもそも利用できません。

まとめ

介護予防小規模多機能型居宅介護は、要支援1・2の人が通い・訪問・泊まりを1つの事業所でまとめて利用できる地域密着型の予防サービスです。最後にポイントを整理します。

  • 対象は要支援1・2の人。要介護1以上に区分変更された場合は通常の小規模多機能型居宅介護への移行手続きが必要になる
  • 登録定員は29人以下(サテライト型18人以下)、通いの利用定員は登録定員の2分の1〜15人、泊まりの利用定員は通いの3分の1〜9人という基準がある
  • 費用は月額包括報酬制で、区分支給限度基準額は要支援1が5,032単位、要支援2が10,531単位。自己負担割合1〜3割に応じた金額に加え、食費・宿泊費は実費
  • ケアプラン作成は事業所のケアマネジャーが担当し、他の訪問介護・通所介護等は原則併用できない
  • 制度・報酬は3年ごとの介護報酬改定などで見直されるため、利用を検討する際は地域包括支援センターやケアマネジャーに最新の情報を確認する

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よくある質問

介護予防小規模多機能型居宅介護は誰が利用できますか?

要支援1・2の認定を受けた居宅要支援者が対象です(介護保険法第8条の2第16項)。要介護1〜5の人は対象外で、その場合は通常の小規模多機能型居宅介護を利用します。

利用中に要介護1以上になったらどうなりますか?

区分変更申請により要介護認定に切り替わると、ケアプラン作成主体が地域包括支援センターから居宅介護支援事業所へ移り、通常の小規模多機能型居宅介護への移行手続きが必要になります。介護予防型と通常型を併設する事業所であれば、同一事業所内で切り替えて利用を継続できるケースが一般的です。

登録定員や利用定員に上限はありますか?

厚労省令第36号第47条により、登録定員は29人以下(サテライト型は18人以下)、通いサービスの利用定員は登録定員の2分の1〜15人、泊まりサービスの利用定員は通いの利用定員の3分の1〜9人と定められています。

費用の目安はどれくらいですか?

介護予防サービス費等区分支給限度基準額は要支援1が5,032単位、要支援2が10,531単位です。1単位単価は地域・サービスで異なり10〜11.4円程度の幅があるため、月額の目安には幅があります。自己負担割合(1〜3割)に応じた金額に加え、食費・宿泊費などの実費が別途かかります。

デイサービスやショートステイと何が違いますか?

デイサービス(通所介護)やショートステイ(短期入所生活介護)は単独のサービスとして利用回数に応じた報酬が積み上がる仕組みですが、介護予防小規模多機能型居宅介護は通い・訪問・泊まりを1つの事業所でまとめて利用でき、費用は月額包括報酬制です。利用開始後は原則としてデイサービス・ショートステイ等の併用ができなくなります。

看護小規模多機能型居宅介護との違いは何ですか?

看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)は訪問看護を組み合わせた要介護1〜5向けのサービスで、要支援の人は利用できません。介護予防小規模多機能型居宅介護は要支援1・2が対象で、訪問看護は原則含まれず、主治医が認めた場合に医療保険の訪問看護を例外的に併用できるにとどまります。

参考・出典

  1. 介護保険法(e-Gov法令検索) (厚生労働省)
  2. 指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第36号) (厚生労働省)
  3. 介護報酬の算定構造等に関する告示(平成12年厚生省告示第33号) (厚生労働省)
  4. 区分支給限度額 (目黒区)
  5. 小規模多機能型居宅介護(社会保障審議会介護給付費分科会 第218回資料) (厚生労働省)
  6. 社会保障審議会介護給付費分科会(第179回)資料 (厚生労働省)
  7. 令和6年度介護報酬改定の主な事項について(社会保障審議会介護給付費分科会 第239回資料) (厚生労働省)
  8. 介護予防小規模多機能型居宅介護|高齢・介護ハンドブック (独立行政法人福祉医療機構(WAM NET))
  9. 小規模多機能型居宅介護|高齢・介護ハンドブック (独立行政法人福祉医療機構(WAM NET))
  10. 小規模多機能型居宅介護|介護サービス情報公表システム (厚生労働省)
  11. 介護給付費等実態統計 (厚生労働省)