要支援1・2と認定されたとき、ケアプランは誰が作り、お金はかかるのでしょうか。介護予防支援は、要支援の人のケアプラン作成から見直しまでを支える仕組みで、作成にかかる利用者の自己負担はありません。担当は地域包括支援センターで、令和6年4月からは市町村の指定を受けた居宅介護支援事業所も担当できます。流れ、費用、セルフプラン、要介護に変わったときの手続きを公的資料にもとづいて解説します。
介護予防支援とは
親や配偶者が要支援1・2と認定されると、「誰がケアプランを作るのか」「お金はかかるのか」が気になります。要支援の人のケアプランづくりを担う制度が介護予防支援です。まず定義と対象、考え方、費用の基本を見ていきましょう。
定義と対象者
介護予防支援は、介護保険の「予防給付」(要支援1・2の人向けの給付)に位置づけられたサービスで、対象は要支援1または要支援2の認定を受けた人です。WAM NETの介護保険サービス情報では、要支援者が介護予防サービスなどを適切に利用できるよう、心身の状況や環境、本人や家族の希望をふまえて計画を作り、事業者などとの連絡調整を行うサービスとして整理されています。厚生労働省の介護サービス情報公表システムでも、要支援1・2と認定された人は地域包括支援センターにケアプランの作成を依頼できると案内されています。
サービスを使い始めるには、まず市区町村で要介護認定を受け、要支援1・2という結果が出たあとにケアプランの作成を依頼します。結果が要介護1以上なら、担当する事業所や計画の呼び名が変わります。
自立支援と目標指向という考え方
介護予防支援は「自立支援」と「目標指向」を軸にしています。不足している家事を代行するだけでなく、本人ができることを維持・向上させ、「どんな暮らしを続けたいか」という目標に向けてサービスを組み合わせる考え方です。厚生労働省の解釈通知でも、利用者の状態にあわせて目標を設定し、その達成に向けた支援内容や期間を計画に盛り込むことが前提とされています。
たとえば「買い物に自分で行けるようにしたい」「趣味の集まりに出かけ続けたい」といった希望を、評価できる目標としてことばにし、どのサービスをどれくらいの期間使うかを決めます。ご家族は、本人の気持ちをことばにする手助けをする立場になります。
ケアプラン作成の利用者負担はない
介護予防支援の保険給付率は10割で、ケアプランの作成や連絡調整・見直しに対して利用者が費用を支払う必要はありません。ただし、これは「ケアプランを作る部分」の話です。プランにもとづいて使う訪問介護や通所介護、福祉用具貸与などのサービス費用は別で、原則として費用の1割(一定以上の所得がある人は2割または3割)が自己負担になります。
誰が担当するのか|地域包括支援センターと居宅介護支援事業所
介護予防支援を実施できる事業者を「指定介護予防支援事業者」といいます。この範囲が令和6年4月の制度改正で広がりました。
従来は地域包括支援センターが担当
これまで、指定介護予防支援事業者になれるのは、地域包括支援センターを設置している者に限られていました。地域包括支援センターは高齢者の暮らしを総合的に支える公的な相談窓口で、厚生労働省によると全国に5,487か所(令和7年4月末)、支所にあたるブランチなどを含めると7,374か所あります。要支援の人のケアプランは、基本的にこの地域包括支援センターが作る仕組みでした。
令和6年4月から居宅介護支援事業所も担当できる
令和6年4月1日施行の改正により、指定居宅介護支援事業者(要介護の人のケアプランを作る事業所)も、市町村の指定を受ければ介護予防支援を直接行えるようになりました。要介護の人を担当してきたケアマネジャーが、要支援の人にも同じ事業所で対応できる道が開かれたことになります。大田区、長野市、板橋区などの自治体が、指定を希望する事業所向けに申請の案内を公表しています。
利用する側から見ると、担当先の選択肢に、お住まいの地域の居宅介護支援事業所が加わる可能性があるということです。ただし、すべての事業所が指定を受けているわけではありません。担当してもらえるかどうかは、事業所の指定の有無や自治体の運用で変わるため、地域包括支援センターや市区町村の窓口で確認が必要です。
居宅介護支援事業所が指定を受けるための要件
自治体の案内に示されている、居宅介護支援事業所が介護予防支援の指定を受ける際の要件の例は次のとおりです。
- 居宅介護支援事業者としての指定を受けていること
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)を配置していること
- 管理者が主任介護支援専門員であること
- 要支援者からの利用申込みを、正当な理由なく断れないこと
- 法人格を有していること
指定の申請にかかる手数料は自治体によって異なります。たとえば長野市では、新規の指定が2万円、更新が1万円とされています。細かな要件や手数料は自治体ごとに違うため、ここに挙げたものはあくまで例です。「要支援者の受入れを正当な理由なく断れない」とされている点は、利用者にとって大切なルールといえます。
担当する職員の資格
ケアプランづくりを担当する職員についても基準があります。厚生労働省の解釈通知では、保健師、介護支援専門員、社会福祉士、経験のある看護師、高齢者の保健福祉に関する相談業務に3年以上従事した社会福祉主事のいずれかとされています。どちらの事業所の職員でも、医療や福祉の専門資格や経験が求められます。
介護予防ケアプランと居宅サービス計画の違い
「ケアプラン」は一つのものと思われがちですが、要支援の人の計画と要介護の人の計画は、制度上は別のものです。名前や担当者、考え方はどう違うのでしょうか。
計画書の名称と様式
要支援の人のケアプランは、正式には「介護予防サービス・支援計画書」といい、厚生労働省が様式例を公表しています。要介護1〜5の人のケアプランは「居宅サービス計画書」で、居宅介護支援という別のサービスの中で作られます。書類の表題が「介護予防」で始まっていれば、要支援向けの計画と見分けられます。
| 認定区分 | 計画の名称 | 担当する事業所 |
|---|---|---|
| 要支援1・2 | 介護予防サービス・支援計画書 | 地域包括支援センター(指定を受けた居宅介護支援事業所も可) |
| 要介護1〜5 | 居宅サービス計画書 | 居宅介護支援事業所 |
計画に盛り込む内容と考え方の違い
運営基準では、介護予防の計画の原案に、利用者や家族の希望、目標、目標を達成するための支援内容、支援を行う期間などを盛り込むこととされています。「いつまでに、何を目指すか」がはっきり書かれる点が特徴です。
要介護側の居宅サービス計画の作り方や担当者の要件はケアプランとはで解説しています。
担当する事業所の違い
上の表のとおり、担当は認定区分で変わります。そのため、状態が変わって認定区分が変わると、ケアプランの担当者も交代する可能性があります。手続きは、後述の「要介護に変わったとき」の章で説明します。
総合事業の介護予防ケアマネジメントとの違い
要支援の人のケアプランには、もう一つ似た名前の仕組みがあります。市町村が実施する総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の「介護予防ケアマネジメント」です。窓口も同じ地域包括支援センターなので混同しやすい点です。総合事業そのものは介護予防・日常生活支援総合事業とはで説明しているので、ここでは「ケアプランの作り方」の違いに絞ります。
対象者と実施主体の違い
総合事業の介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)は、要支援1・2の人に加えて、基本チェックリスト(25項目の質問票)で「事業対象者」と判定された人が対象です。事業対象者とは、要介護認定を受けなくても総合事業のサービスを使えるとされた人のことです。実施するのは、住所地を担当する地域包括支援センターです。一方、介護予防支援は要支援1・2の人だけが対象で、基本チェックリストだけで事業対象者になった人は含まれません。
どちらのケアプランになるかの考え方
厚生労働省の資料にもとづくと、どちらの名称になるかは「どのサービスを使うか」で整理できます。
| 使うサービス | ケアプランの呼び名 |
|---|---|
| 予防給付のサービスだけ | 介護予防支援 |
| 予防給付と総合事業のサービスを併用 | 介護予防支援 |
| 総合事業のサービスだけ | 介護予防ケアマネジメント |
予防給付には訪問看護や福祉用具貸与などが、総合事業には市町村独自の訪問型・通所型サービスなどが含まれます。「今回のプランは介護予防ケアマネジメントです」と言われたら、総合事業のサービスだけを使う計画だと理解できます。
介護予防ケアマネジメントの3つの類型
介護予防ケアマネジメントには、手続きの手厚さによる類型A・B・Cがあります。Aは原則の形(アセスメントからモニタリングまで通常どおり)、BとCは手続きを簡略化した形で、Cは初回のみ行います。どれになるかは使うサービスや本人の状態で決まります。また、居宅介護支援事業所は、総合事業のサービスだけを使う人については地域包括支援センターから委託(再委託を含む)を受けて関わる形になり、介護予防支援のように直接の担当者にはなれません。
介護予防支援の流れ|アセスメントから評価まで
ご家族が立ち会う場面が多い順に、アセスメントから評価までの流れを見ていきましょう。手順は運営基準(厚生労働省令第37号、第30条)に沿っており、全体像は次の図のとおりです。
図の各ステップを、順に詳しく見ていきます。
アセスメント(居宅訪問での面接)
最初に、担当職員が利用者の居宅を訪問し、本人と面接して状況を把握します。これをアセスメントといいます。運営基準では、次の4つの領域について、現在の状況と、改善・維持の可能性を確認することとされています。
- 運動および移動
- 家庭生活を含む日常生活
- 社会参加、対人関係およびコミュニケーション
- 健康管理
面接では、同席したご家族から普段の様子を伝えることが役立ちます。「最近、歩く速度が落ちた」「外出が減った」といった変化は、本人が話しにくいこともあるため、事前にメモしておくとよいでしょう。
原案の作成とサービス担当者会議
アセスメントの結果から、担当職員がケアプランの原案を作ります。原案には、利用者や家族の希望、目標、目標を達成するための支援内容、期間などが記載されます。続いて、原案に位置づけたサービスを担当する事業者や関係者を集めた「サービス担当者会議」を開き、専門的な立場から意見を聞きます。運営基準では、会議はテレビ電話などを使って行うことも可能で、日程の調整がつかないなどやむを得ない場合には、会議に代えて関係者への照会で意見を求める方法も認められています。
説明・文書での同意と交付
原案は、会議での意見も反映して調整され、利用者に説明されます。このとき、計画に含まれるサービスが保険給付の対象になるものか、そうでないものかを区分して示し、利用者の同意を文書で得ることが求められます。同意を得た計画は、利用者と、計画に位置づけられたサービスの担当者に交付されます。
ご家族にとっては、保険給付の対象外の費用がないか、サービスの回数や時間、期間が希望に合っているかを確認する機会です。不明な点は同意の前に質問して構いません。
モニタリング(少なくとも3か月に1回)
ケアプランが決まってサービスが始まったあとも、担当職員が状況を確認します。これがモニタリングです。運営基準(第30条)では、サービス提供を開始した月の翌月から起算して、少なくとも3か月に1回、原則として利用者の居宅を訪問して面接を行うこととされています。3か月に1回が主な頻度ですが、サービスの評価期間が終了する月や、利用者の状況に著しい変化があったときにも訪問して面接を行うこととされています。あわせて、結果の記録は少なくとも月に1回行う必要があります。
モニタリングでは、目標に近づいているか、サービスが本人に合っているか、生活に変化がないかを確認します。体調の変化や、サービスへの不満、転倒などがあった場合は、次の定期的な訪問を待たずに担当者へ連絡して構いません。
計画期間終了時の評価と更新・区分変更時の見直し
計画に定めた期間が終わるときには、目標をどこまで達成できたかを評価し、その結果が次の計画の目標や内容に反映されます。また、要支援の更新認定を受けたときや、状態の変化で区分変更の認定を受けたときには、サービス担当者会議を開き、計画の変更が必要かどうかを検討することとされています。
介護予防支援の費用と報酬
費用で迷いやすいのは、自己負担がない「ケアプランの作成」と、自己負担がある「サービスの利用」の区別です。それぞれ見ていきます。
ケアプラン作成は利用者負担なし
介護予防支援の保険給付率は10割です。アセスメントの訪問、サービス担当者会議、計画の作成、モニタリングといった一連の業務に対して、利用者が窓口で支払う費用はありません。事業所には、介護保険から報酬が支払われます。
令和6年度改定で決まった報酬の単位数
単位は事業所への報酬の話で、利用者が払う金額ではありません。なお、介護報酬では1単位は約10円で換算され、地域区分によって単価は異なります。令和6年度の介護報酬改定で、事業所側の報酬は次のように定められています。
図の数字を、実施する事業者ごとの表にまとめると次のとおりです。
| 実施する事業者 | 区分 | 単位数 |
|---|---|---|
| 地域包括支援センター | 介護予防支援費(Ⅰ) | 442単位(改定前は438単位) |
| 指定居宅介護支援事業者 | 介護予防支援費(Ⅱ) | 472単位(新設) |
どちらの事業者に担当してもらっても、利用者の自己負担は変わりません。
加算と委託料は自治体の通知で確認する
基本の報酬のほかに加算があり、地域包括支援センターが業務を居宅介護支援事業所に委託する場合の委託料は、自治体が定めます。いずれも事業所と自治体の間のお金の話ですが、利用者の負担が増えるかどうかは、念のためお住まいの自治体で確認してください。
サービス費用と区分支給限度基準額
ケアプランにもとづいて利用する介護予防サービスの費用は、介護予防支援とは別に必要です。自己負担は原則として費用の1割で、一定以上の所得がある人は2割または3割です。また、1か月に保険を使って利用できるサービスの上限(区分支給限度基準額)は、次のとおり決まっています。限度額を超えた部分は全額自己負担になります。
| 認定区分 | 限度額(単位) | 1単位10円換算の目安 |
|---|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位 | 50,320円 |
| 要支援2 | 10,531単位 | 105,310円 |
地域区分で単価は異なるため、金額はあくまで目安です。限度額の仕組みは区分支給限度基準額とはで詳しく解説しています。
委託とセルフプラン
地域包括支援センターが担当者になる場合でも、実際には外部の事業所が関わることや、利用者自身がプランを作ることもあります。それぞれの仕組みと確認点は何でしょうか。
地域包括支援センターから居宅介護支援事業所への委託
地域包括支援センターは、介護予防支援の業務の一部を、居宅介護支援事業所に委託できます。指定を受けていない居宅介護支援事業所は、地域包括支援センターの委託を受けるかたちで、要支援の人を担当します。この場合、ケアプラン作成の責任は地域包括支援センターにあり、実際の訪問などの業務を委託先のケアマネジャーが行います。委託料の水準は、前述のとおり自治体が定めています。
要介護の時期に付き合いがあったケアマネジャーに、要支援になったあとも担当してほしい場合は、その事業所が指定を受けているか、または委託を受けられるかを地域包括支援センターに確認してみましょう。
セルフプラン(自己作成)という選択肢
ケアプランを事業所に頼まず、利用者自身(あるいは家族)が作成して、市区町村に届け出る方法もあります。これを一般にセルフプラン(自己作成)といいます。届出の方法や運用は自治体ごとに異なるため、事前に必ず窓口で確認してください。
セルフプランの自治体による扱いの違い
公表されている自治体の例は次のとおりです。
| 自治体 | 公表されている扱い |
|---|---|
| 新宿区 | 毎月のサービス利用票の届出が必要で、届出がないと全額自己負担になる場合がある |
| 熊本市 | サービス費用はいったん全額を支払ってあとで払い戻しを受ける「償還払い」になる。総合事業のサービスは自己作成では利用できない |
これらは各自治体の取扱いであり、全国共通ではありません。セルフプランは、事業者との調整を自分で担う負担が大きくなる可能性があります。選ぶ場合は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口で、届出の方法、払い戻しの有無、利用できるサービスの範囲を事前に確認してください。
要介護に変わったとき・要支援に戻ったとき
体調の変化や病気で要介護認定を受けることもあれば、リハビリなどで改善して要支援に変わることもあります。認定区分が変わるときの担当者と手続きは、ご家族が迷いやすいところです。
区分ごとの担当者
泉南市の手引きに整理されている、認定区分が変わったときの担当者の移り方は次の図のとおりです。
同じ要支援の中で区分が変わっても、担当者はそのままです。要支援と要介護をまたぐ変化の場合は担当が替わるため、認定結果の通知が届いたら、まず今の担当者(ケアマネジャーや地域包括支援センター)に連絡してください。後述の届出書は、多くの場合、担当のケアマネジャーが代わりに手続きしてくれます。
必要な届出書とケアプランの写し
要支援と要介護の間で区分が変わる場合は、市区町村に「居宅(介護予防)サービス計画作成・介護予防ケアマネジメント依頼届出書」などと、ケアプランの写しを提出する必要があるとされています。書類の名称は自治体で異なります。提出書類や期限も自治体によって異なるため、担当者に確認しましょう。
届出の時期とプラン作成の空白に注意
熊本市の運用例では、届出を認定の決定日から30日以内に行った場合には認定の開始日にさかのぼって扱われ、暫定ケアプラン(認定結果が出る前後などに仮に作るケアプラン)を作っていない月は介護予防支援費を請求できないとされています。利用者の側から見ると、届出やプラン作成が遅れると、その期間のサービスが使えない、あるいは全額自己負担になりうるということです。取扱いは自治体で異なるため、お住まいの自治体で確認してください。
統計で見る介護予防支援の利用状況
どれくらいの人が介護予防支援を使い、状態はどう推移しているのでしょうか。厚生労働省の公表データで確認します。
受給者数
- 約120万人が利用:令和6年度の介護給付費等実態統計の概況によると、介護予防支援の年間の実受給者数(年度中に1回でも受けた人)は1,203.7千人で、前年度の1,148.0千人から4.8%増えました
要支援度の維持・変化
同じ統計に、要支援度(令和6年4月〜令和7年3月の年間継続受給者)の変化が示されています。
約8割が同じ要支援度を維持しており、要支援1の22.9%、要支援2の16.3%は重度化、要支援2の4.4%は軽度化しています。この統計は、重度化の原因や介護予防支援との因果関係を示すものではありません。
認定者数と地域包括支援センターの数
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 要介護(要支援)認定者数(令和7年3月末) | 721万人(認定率19.7%) |
| うち要支援1 | 約106万人(14.7%) |
| うち要支援2 | 約103万人(14.3%) |
| 地域包括支援センター(令和7年4月末) | 5,487か所(ブランチ等を含め7,374か所) |
出典は令和6年度の介護保険事業状況報告(年報)などです。要支援は認定者の3割近くを占め、決して少数ではありません。
よくある誤解と注意点
ご家族からよく出る誤解は何でしょうか。3つ挙げます。
「ケアプランは有料」という誤解
ケアプランの作成は無料で、サービスの利用には原則1〜3割の自己負担がかかります(詳しくは前述の費用の章)。
「要支援でも自由に居宅のケアマネに頼める」という誤解
要介護の人は自分で居宅介護支援事業所を選んで契約できますが、要支援の人は事情が異なります。市町村の指定を受けた居宅介護支援事業所であれば直接担当できますが、指定を受けていない事業所は、地域包括支援センターの委託を受けるかたちでしか関われません。さらに、総合事業のサービスだけを使う場合は、地域包括支援センターが担当する介護予防ケアマネジメントになります。「頼みたいケアマネジャーがいる」場合は、まず地域包括支援センターに相談し、その事業所の関わり方を確認するのが確実です。
「どこでも同じ運用」という思い込み
この記事では、長野市、新宿区、熊本市、泉南市など、複数の自治体の運用例を取り上げました。指定の手数料、セルフプランの届出、区分変更時の届出の期限、委託料の水準などは、自治体ごとの違いが大きい分野です。他の地域の事例をそのままあてはめず、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。
相談先と依頼のしかた
実際に利用するには、どこに、何を伝えればよいのでしょうか。
まず地域包括支援センターに連絡する
要支援1・2と認定されたら、まずは住所地を担当する地域包括支援センターに連絡しましょう。担当のセンターが分からない場合は、市区町村の介護保険担当窓口に問い合わせれば案内を受けられます。直近の手順は次のとおりです。
- 認定結果が届く
- 地域包括支援センターへ電話する(被保険者証と認定結果通知書を手元に)
- 訪問日を調整する
- ケアプランを作成する
- サービスを開始する
窓口で確認しておきたいこと
相談の際は、次の点を確認しておくと、その後の手続きがスムーズです。
- 自分のケアプランを担当するのは、地域包括支援センターか、指定を受けた居宅介護支援事業所か
- これまで付き合いのあるケアマネジャーに、引き続き担当してもらえるか
- 使いたいサービスは、予防給付か総合事業か(どちらの名称のケアプランになるか)
- セルフプランを選ぶ場合の届出方法と、費用の扱い
- 区分変更があったときの届出の期限
ご家族が準備しておくとよいこと
アセスメントの4領域(運動・移動、日常生活、社会参加・対人関係、健康管理)に沿って、普段の様子をメモしておくと、面接の場で伝えやすくなります。たとえば、通院の頻度、服薬の管理、買い物や調理の様子、外出の機会、食事や睡眠の状況などです。本人の希望を聞いておくことも大切です。ケアプランの目標は、本人の「こうしたい」を出発点に作られるためです。
まとめ
- 介護予防支援は、要支援1・2の人のケアプランを作る予防給付で、保険給付率は10割のため、ケアプラン作成の自己負担はありません(サービス費は別に1割・2割・3割負担)
- 担当は地域包括支援センターで、令和6年4月からは市町村の指定を受けた居宅介護支援事業所も担当できます
- 流れは、アセスメント、原案、サービス担当者会議、同意・交付、モニタリング(少なくとも3か月に1回)、評価の順です
- 総合事業のサービスだけを使う場合は「介護予防ケアマネジメント」となり、地域包括支援センターが担当します
- セルフプラン、委託料、区分変更時の届出などは自治体で運用が異なるため、お住まいの市区町村や地域包括支援センターに確認してください
介護保険制度は3年ごとに見直されており、報酬や手続き、基準が変更される可能性があります。実際の利用にあたっては、最新の情報を担当窓口でご確認ください。このサイトは特定の事業者や施設の評価や推奨は行わず、公的データにもとづく中立的な情報提供に努めています。運営方針の詳細はこのサイトの立ち位置をご覧ください。