夫婦で入居できる老人ホームとは|施設の種類ごとの可否と費用・確認点を解説

夫婦で入居できる老人ホームの種類ごとの条件、居室の広さ、費用の確認点を国と自治体の公的資料で整理しました。

目次

夫婦で入居できるかどうかは、老人ホームの種類で大きく変わります。

国や自治体の資料を確認すると、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は配偶者が同居者として入居対象に含まれ、軽費老人ホームは自治体の条例の例で配偶者の年齢要件が緩められています。一方、特別養護老人ホームは入居者本人ごとに要介護度などで判断されます。この記事では、種類ごとの夫婦入居の考え方、居室の広さ、費用の確認点を公的資料で整理します。

制度・基準・条例は改定されることがあります(介護保険は3年ごとに見直されます)。実際の条件や費用は、検討中の施設の重要事項説明書(施設の運営方針・費用・職員体制・契約解除条件などを記した書面)と、お住まいの市区町村・都道府県の最新の案内で必ず確認してください。

夫婦で入居できる老人ホームの全体像

まず、夫婦入居を考えるときの見方と、施設数の大まかな規模を押さえます。

「夫婦で入居」を考えるときの3つの視点

夫婦での入居を考えるときは、次の3点を分けて確認すると整理しやすくなります。

  • 入居資格:夫婦それぞれが、その施設の入居条件(年齢・要介護度・認知症の有無など)を満たすか、同居者として入れる仕組みがあるか
  • 居室:2人で入れる居室があるか、1人用の居室を2部屋借りる形か
  • 費用:2人分の費用がどう積み上がるか(介護保険の自己負担、家賃・管理費、2人入居時の加算の有無)

どの視点も、施設の種類によって国や自治体の基準が異なります。以降の章で種類ごとに見ていきます。

夫婦入居を考えるときの3つの視点入居資格、居室、費用の3点を分けて確認する。どの視点も施設の種類によって基準が異なる。夫婦入居を考える3つの視点1入居資格夫婦それぞれが条件を満たすか同居者として入れる仕組みか2居室2人で入れる居室があるか1人用を2部屋借りる形か3費用2人分がどう積み上がるか介護保険の自己負担・加算の有無基準は施設の種類ごとに異なる
入居資格・居室・費用を分けて確認すると、施設の種類ごとの違いが整理しやすくなります。

施設の数と規模の目安

厚生労働省の令和6年介護サービス施設・事業所調査(令和6年10月1日時点)では、特別養護老人ホームは8,621施設・定員604,469人、利用率94.5%でした。有料老人ホーム(サ高住以外)は、令和5年社会福祉施設等調査(令和5年10月1日時点)で17,833施設・定員689,810人です。

有料老人ホームについては、2025年9月16日の厚生労働省の検討会資料にも件数が載っていますが、集計の区分や時点が上記の調査とは異なるため、数字を直接は比べられません。施設数が多いことと夫婦で同じ施設に入れるかどうかは別の話で、空き状況や居室の種類は施設ごとに確認が必要です。

特別養護老人ホーム(特養)で夫婦は入れるか

特養は、入所の優先度を本人ごとに判断する仕組みです。夫婦だからという理由での取扱いがあるかを、指針から確認します。

入所条件は本人ごとに判断される

特養は、原則として要介護3以上の方が対象です。要介護1・2の方は、やむを得ない事情がある場合に限って入所を認める「特例入所」の対象になります。国の指針や自治体の入所指針に示された特例入所の事由は、次のとおりです。

  • 認知症で日常生活に支障がある場合
  • 知的障害・精神障害などがある場合
  • 家族等による深刻な虐待が疑われる場合
  • 単身または同居家族が高齢・病弱などで支援が期待できず、地域サービスの供給も不十分な場合

特例入所の詳しい考え方は特別養護老人ホームの特例入所の解説記事で整理しています。

夫婦同時入所を優遇する規定は見当たらない

確認できた範囲では、国の指針や千葉市の入所指針に、夫婦が同時に申し込んだ場合に優先する規定は見当たりませんでした。入所の可否は、施設に設けられる入所検討委員会(入所の優先度を合議で判定する委員会)などで、本人ごとの要介護度や介護の必要性、家族の状況などをもとに決める仕組みです。

特別養護老人ホームの入所判定の流れ原則要介護3以上が対象で、要介護1・2は特例入所。入所検討委員会などが本人ごとに合議で判定し、夫婦はそれぞれ判定される。夫婦同時入所を優先する規定は見当たらない。特養の入所判定の流れ要介護3以上原則の対象要介護1・2特例入所のみ入所検討委員会など本人ごとの状況をもとに合議夫の判定要介護度・家族状況妻の判定要介護度・家族状況夫婦同時入所の優先規定は見当たらない入れる時期が夫婦で異なることも
夫婦でもそれぞれの状況で判定されるため、入所の時期がずれることがあります(個別の運用は自治体・施設で異なります)。

したがって、夫婦で要介護度が異なる場合は、それぞれが各自の状況で判定される、と考えるのが自然です(これは指針の構造からの推論であり、個別の運用は自治体・施設で異なる可能性があります)。夫婦で同じ時期に同じ施設へ入れる保証はなく、順番が来る時期が異なることがあります。夫婦での入所を希望する場合は、申込先の施設や市区町村の窓口に、考慮の有無を直接確認してください。

居室の定員と広さ

特養の居室は、滋賀県の条例では定員1人が原則で、サービスの提供上必要と認められる場合は2人とできる、とされています。1人当たりの床面積は10.65平方メートル以上です。多床室(2人部屋など)は条例上の例外的な扱いであり、夫婦で同室にできるかどうかは、その施設の居室構成と運用次第です。国の指針にも、夫婦同室を前提とした規定は見当たりません。施設ごとに確認が必要です。

介護老人保健施設(老健)の場合

老健は在宅復帰を目的とする施設で、長く暮らす住まいとは位置づけが異なります。

要介護1〜5が対象で、要支援は不可

介護サービス情報公表システムの説明では、老健は要介護1〜5の方が対象で、要支援の方は利用できません。目的は在宅復帰に向けたリハビリや看護・介護です。

夫婦で長く暮らす場としては前提が異なる

老健は在宅復帰を目的とする施設であり、夫婦で入って暮らし続ける住まいとは性格が違います。夫婦での利用に関する規定は、確認できた範囲では国の指針に見当たらないため、施設に確認してください。

有料老人ホームで夫婦入居を考える

有料老人ホームは国の指針で契約や費用の保護が示されていますが、夫婦入居に特化した規定は多くありません。

介護付きと住宅型の違い

有料老人ホームには、介護サービスを施設の職員が提供する介護付きと、生活支援付きの住まいで、介護は外部の事業者と契約する住宅型があります。住宅型は、施設の中で介護サービスが一体で付くわけではない点が大きな違いです。人員配置や費用の違いは介護付きと住宅型の違いを解説した記事で詳しく説明しています。

契約書に当事者追加を明示する指針

国の有料老人ホーム設置運営標準指導指針には、契約書に、契約当事者を追加する場合の取扱いを明示することなどが定められています。夫婦での入居は、この契約当事者や入居者の扱いに関わります。また、設置者から契約を解除できるのは、入居者が著しく信頼関係を害した場合など、限られた事由とされています。

重要事項説明書の読み方は有料老人ホームの重要事項説明書の解説記事にまとめています。

居室の広さの基準

国の指針では、個室は13平方メートル以上とされています(一定の条件を満たす場合の例外はあります)。2人で入居できる居室の広さについては、確認できた範囲では指針に具体的な規定が見当たりません。夫婦で入居できる居室があるかは、施設ごとに確認が必要です。

前払金・敷金などの保護ルール

前払金(入居一時金)の保全措置は法令上の義務で、指針でも示されています。そのほか、指針では次のような点が定められています。

  • 算定の根拠を書面で明示する
  • 想定居住期間をもとに算定する
  • 敷金は家賃の6か月分以内
  • 入居開始前に預かる内金は20%以内
  • 入居開始前の契約解除では、全額を返還する

夫婦の場合、前払金や月額費用が2人分でどう計算されるか、片方が退去・死亡したときの返還がどうなるかは、確認できた範囲では指針に具体的な規定が見当たらず、施設ごとに重要事項説明書で確認する必要があります。入院や死亡時に居室をどう扱うかも同様です。

介護保険の自己負担は夫婦それぞれ

介護付き有料老人ホームの介護保険サービスの自己負担は、夫婦それぞれの要介護度に応じて個別に決まります。2人で入居する場合の家賃・管理費などの加算方法は、指針に規定が見当たらず、施設が重要事項説明書に記載する内容によります。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の夫婦入居

サ高住は、夫婦での入居が制度上いちばん分かりやすい種類です。

同居者の入居が明記されている

サ高住の入居者は、60歳以上の方、または要支援・要介護認定を受けた方と、その同居者です。主な同居者は、配偶者、60歳以上の親族、要支援・要介護認定を受けた親族とされています。夫婦で入居する場合、配偶者は同居者として入居の対象になります。夫婦での入居が制度上明記されている点が、ほかの種類との違いです。

床面積と設備の基準

登録基準の主な内容は次のとおりです。ただし例外や緩和があるため、実際の物件は資料で確認してください。

  • 専用部分の床面積は原則25平方メートル以上
  • 共用部分に十分な設備がある場合は18平方メートル以上(大阪府・神奈川県・名古屋市の資料)
  • 段差のない構造
  • 廊下幅78センチメートル以上、出入口幅75センチメートル以上
  • 浴室は短辺120センチメートル以上かつ1.8平方メートル以上
  • 3階以上の建物にはエレベーターを設置

夫婦で入居する住戸に、より広い面積が必要かどうかは、各自治体の基準や物件ごとの仕様で異なるため、物件の資料で確認します。

サービス付き高齢者向け住宅の床面積の基準専用部分の床面積は原則25平方メートル以上、共用部分に十分な設備がある場合は18平方メートル以上。段差のない構造、廊下幅78cm以上、出入口幅75cm以上、浴室の基準、3階以上はエレベーター設置。サ高住の専用部分の床面積登録基準(原則と緩和)原則25㎡以上共用部分に十分な設備がある場合18㎡以上あわせて求められる主な基準段差のない構造廊下幅78cm以上・出入口幅75cm以上浴室は短辺120cm以上かつ1.8㎡以上3階以上の建物にはエレベーター
夫婦で入居する住戸に広い面積が必要かは、自治体の基準や物件の資料で確認します。

必須サービスと契約上の保護

サ高住に必ず付くサービスは、状況把握(安否確認)と生活相談です。介護サービスは、別途契約する外部事業者が提供する形が基本です。契約面では、長期入院を理由とした一方的な解約は禁止されており、入居者が死亡した場合や、入居後3か月以内に解約した場合の返金義務が定められています。選び方の全体像はサ高住の選び方の記事も参考になります。

軽費老人ホーム(ケアハウス等)

軽費老人ホームは、自治体の条例で夫婦を想定した規定が置かれている例がある種類です。

配偶者の年齢要件の緩和

軽費老人ホームは、自治体の条例で入所対象が定められています。札幌市条例の例では、第13条第2号で配偶者等は60歳未満でも入所できるとされています。大阪府の例では、夫婦のどちらか一方が60歳以上であれば入所できます。夫婦での入所を想定した規定がある点は、特養などと異なります。ただし条例は自治体ごとに異なるため、お住まいの自治体の基準を確認してください。

居室の広さ

札幌市条例の例では、居室は1人用で21.6平方メートル以上、2人用で31.9平方メートル以上です。この広さも自治体により異なります。

軽費老人ホームの居室面積(札幌市の条例の例)札幌市の条例の例では、居室は1人用21.6平方メートル以上、2人用31.9平方メートル以上。軽費老人ホームの居室面積札幌市の条例の例1人用21.6㎡2人用31.9㎡いずれも「以上」の基準
札幌市条例の例。自治体により異なる。

費用は収入に応じて変わる

大阪府の資料に、月額費用の例が年収別に示されています。ここで示されているのは1人分の目安で、夫婦の加算の有無は資料から確認できませんでした。夫婦の場合の計算方法は、施設に確認してください。

年収区分A型(月額)ケアハウス(月額)
150万円以下67,104円83,764円
240万円超250万円以下107,104円123,764円
330万円超340万円以下174,104円165,764円

養護老人ホームとグループホーム

この2つは、夫婦で選べる住まいというより、入る方の状況で対象が決まる種類です。

養護老人ホームは措置制度

養護老人ホームは、原則65歳以上で、環境上の理由や経済的な理由で在宅での生活が難しい方を、市町村が措置(行政が入所を決定する仕組み)として入所させる施設です。希望者が直接申し込んで入る形ではありません。夫婦での入所を明示した規定は、確認できた範囲では見当たりません。費用負担には、本人の所得に加え、扶養義務者の所得が関わる場合があるとされています(神戸市の案内)。

グループホームは認知症の方が対象

グループホームは、認知症の診断を受けた方が対象です。居室の数や広さなどの基準は自治体の条例や事業所の重要事項説明書で確認してください。夫婦がともに認知症の場合は考えられますが、居室や入居の可否は事業所の運営次第です。

種類ごとの違いを比べる

ここまでの内容を表にまとめ、夫婦の状態別に候補になりうる種類を整理します。

夫婦入居に関する整理

種類夫婦での入居の扱い居室・広さの規定根拠の種別
特養入所は本人ごとに判断。夫婦優遇の規定は見当たらない滋賀県条例の例:定員1人が原則、1人当たり10.65㎡以上国の指針・自治体条例
老健在宅復帰が目的。夫婦に関する規定は確認できず本記事では確認していない介護サービス情報公表システム
介護付き有料契約当事者の追加を契約書に明示する指針個室13㎡以上。2人居室の規定は確認できず国の指針
住宅型有料生活支援付きの住まい。介護は外部と契約。扱いは施設ごと個室13㎡以上。2人居室の規定は確認できず国の指針
サ高住配偶者は同居者として入居可専用部分25㎡以上が原則(緩和は18㎡以上)。例外あり国・自治体の登録基準
軽費老人ホーム配偶者の年齢要件が緩和される例あり(札幌市・大阪府の例)札幌市条例の例:1人用21.6㎡以上、2人用31.9㎡以上自治体条例
養護老人ホーム市町村の措置。夫婦入所の規定は確認できず確認できず市町村の案内(神戸市)
グループホーム認知症の方が対象。可否は事業所による自治体条例・事業所の重要事項説明書で確認介護サービス情報公表システム

夫婦の状態別の目安

夫婦の状態によって候補になりうる種類は変わります。次はあくまで目安で、入居の可否は施設ごとに異なるため、必ず個別に確認してください。

  • 夫婦とも自立・軽度:サ高住、有料老人ホーム、軽費老人ホームが候補になりうる。要介護度の条件は施設ごとに確認する
  • 片方だけ要介護:サ高住(配偶者が同居者として入居できる)や有料老人ホームが候補になりうる。要介護の方だけが特養の対象になる場合は、夫婦で入る時期がずれることがある
  • 双方要介護:特養は本人ごとの判定で、同時に入れる保証はない。有料老人ホームやサ高住(外部の介護サービスを契約)も候補になりうる。認知症があればグループホームも検討対象になる

どの組み合わせでも、夫婦で入れる居室があるか、片方の状態が変わったときにどうなるかを、施設に必ず確認してください。

夫婦入居・同居の規定があるかで分けた2グループ規定が確認できた種類はサ高住(同居者に配偶者)と軽費老人ホーム(札幌市・大阪府の例で配偶者の年齢緩和)。国の指針・条例で夫婦の優遇規定が見当たらない種類は特養・老健・有料・養護・グループホーム。夫婦入居の規定はある?規定が確認できたサ高住同居者に配偶者軽費配偶者の年齢緩和(札幌市・大阪府の例)夫婦の優遇規定は見当たらない(国の指針・条例)特養老健有料養護GH
夫婦入居・同居の規定が確認できたのはサ高住と軽費の一部。ほかは施設ごとに確認。

費用を2人分で考えるときの確認点

費用は、項目を分けて見ると比べやすくなります。

費用の内訳を分けて見る

2人分の費用は、次の項目に分けて確認します。

  • 入居一時金(前払金)や敷金:1人分か2人分か
  • 月額の家賃・管理費・食費:2人入居時の加算の有無
  • 介護保険の自己負担:夫婦それぞれの要介護度に応じて個別
  • 医療費・日用品費などの自己負担

今回確認した公的資料では、夫婦2人で入居した場合の費用の相場は確認できませんでした。複数の施設を見学し、同じ条件で見積もりを取り寄せて比べてください。

重要事項説明書で必ず確認すること

  • 2人で入居する場合の費用の算定方法
  • 片方が入院・退去・死亡したときの居室と費用の扱い
  • 前払金の返還条件と算定根拠
  • 契約当事者が夫婦それぞれになるのか

これらは国の指針に具体的な規定が見当たらないため、施設ごとの差が出やすい点です。書面で確認し、不明な点は説明を受けてから契約を判断します。

入居前に確認したいこと

見学や問い合わせの前に、聞くことを整理しておくと比較しやすくなります。

施設に聞くことのチェック

  • 夫婦で入れる居室があるか、空きの見通し
  • 夫婦の片方だけが入居条件を満たす場合の取扱い
  • どちらかの要介護度が重くなったときの住み替え条件
  • 入院や死亡時の居室・契約の扱い
  • 入居前に解除した場合の返金

夫婦の一方が亡くなった場合

夫婦の一方が亡くなったあとの扱いは、国の指針に具体的な規定が確認できず、施設ごとの契約書・重要事項説明書で決まります。サ高住では、入居者が死亡した場合の返金義務が定められています。契約書では、次の点の文言を確認してください。

  • 契約の継続:残った方が引き続き住み続けられるか、契約はどう引き継がれるか
  • 居室の変更:1人用の居室への住み替えを求められることがあるか
  • 前払金の返還:亡くなった時点での返還の有無と計算方法
  • 名義:契約当事者が夫婦それぞれか、一方のみか

相談先

相談先として、市区町村の高齢者福祉・介護保険の窓口や地域包括支援センターがあります。当サイトは特定の施設を評価・推薦せず、並列に情報を整理する立場です。立ち位置はこのサイトについてをご覧ください。

まとめ

夫婦入居の可否は施設の種類で異なります。要点は次のとおりです。

  • 特養は本人ごとに判定され、夫婦同時に入れる保証はない
  • サ高住は配偶者が同居者として入居対象に含まれる
  • 軽費老人ホームは、札幌市条例の例(2人用31.9㎡以上)や大阪府の例(夫婦の一方が60歳以上)のように、配偶者の年齢要件などが自治体により異なる
  • 有料老人ホームは2人入居時の費用や居室の扱いを重要事項説明書で確認する
  • 制度は改定されうるため、最新情報は市区町村・施設で確認する

次の一歩として、まず地域包括支援センターまたは市区町村の窓口に相談し、候補にした施設の重要事項説明書を取り寄せて、夫婦2人での扱いを書面で確認してください。

よくある質問

夫婦で入居できる老人ホームはありますか?

あります。サ高住は配偶者が同居者として入居対象に含まれ、軽費老人ホームは札幌市条例の例のように、自治体の条例で配偶者の年齢要件が緩められている場合があります(自治体により異なります)。有料老人ホームは2人居室の有無が施設ごとに異なります。特養は本人ごとの判定で、夫婦優遇の規定は確認できた範囲では見当たりません。

特養に夫婦で一緒に入れますか?

同時に入れる保証はありません。夫婦同時入所を優遇する規定は、国の指針・千葉市の指針に見当たらず、入所は本人ごとの要介護度や事情で検討委員会が判断します。夫婦で順番が異なることもあるため、申込先に確認してください。

夫婦で要介護度が違っても入れますか?

種類と施設によって異なります。特養は原則要介護3以上、老健は要介護1〜5で要支援は不可です。サ高住は配偶者が同居者として入居できますが、要介護度などの条件は施設ごとに異なるため、夫婦の状態に合う種類を個別に確認してください。

夫婦で入ると費用は2倍になりますか?

一概にはいえません。介護保険の自己負担は夫婦それぞれの要介護度に応じます。家賃や管理費の2人入居時の加算方法は国の指針に規定が見当たらず、公的資料で2人入居の相場も確認できませんでした。施設の重要事項説明書で確認し、複数施設で比べてください。

夫婦のどちらかが亡くなると、残った方はどうなりますか?

施設ごとの契約によります。有料老人ホームの国の指針には、確認できた範囲で具体的な規定が見当たりません。サ高住は入居者が死亡した場合の返金義務が定められています。契約の継続、居室の変更、前払金の返還、名義について、契約書と重要事項説明書で確認してください。

参考・出典

  1. サービス付き高齢者向け住宅の登録制度 (国土交通省)
  2. サービス付き高齢者向け住宅の登録基準 (神奈川県)
  3. サービス付き高齢者向け住宅の登録について (名古屋市)
  4. サービス付き高齢者向け住宅の登録基準の改正 (大阪府)
  5. 有料老人ホーム設置運営標準指導指針 (厚生労働省)
  6. 有料老人ホームに関する検討会資料(2025年9月16日) (厚生労働省)
  7. 札幌市軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例 (札幌市)
  8. 軽費老人ホーム・ケアハウス (大阪府)
  9. 特別養護老人ホーム入所指針 (千葉市)
  10. 特別養護老人ホームの入所に関する指針 (厚生労働省)
  11. 滋賀県条例(特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準) (滋賀県)
  12. 介護サービス情報公表システム 施設・サービスの種類 (厚生労働省)
  13. 養護老人ホームの入所 (神戸市)
  14. 令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況 (厚生労働省)
  15. 令和5年社会福祉施設等調査の概況 (厚生労働省)