訪問介護のヘルパーに「草むしりや大掃除はできません」と言われて戸惑った経験はないでしょうか。介護保険外サービスとは、こうした介護保険の給付対象とならない生活支援を、事業者との契約にもとづき全額自己負担で利用できるサービスです。本記事では、保険内サービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」のルール、自治体独自の「横出しサービス」の実例、ケアマネジャーへの相談方法を、厚生労働省の通知にもとづいて解説します。
介護保険外サービスとは何か
介護保険外サービスという言葉自体に、法令上の明確な定義規定があるわけではありません。ただし、厚生労働省老健局が発出した通知(平成30年9月28日付老推発0928第1号等)では、介護保険の給付対象とならないものの、高齢者やその家族のニーズに対応するサービスとして位置づけられています。訪問介護であれば身体介護・生活援助として介護報酬の対象となる行為と、対象とならない行為が国の通知で区分されており、対象外の行為を利用者が希望する場合は、事業者との別契約・全額自己負担のサービスとして提供されることになります。保険外サービスには公的な認可制度や統一の料金表があるわけではなく、実施主体も市区町村・民間事業者・NPOなど多様であるため、利用者側はどの窓口にどのようなサービスがあるのかを自分で確認する必要がある点に留意が必要です。
介護保険が適用される範囲との違い
介護保険サービスは、要介護認定を受けた本人に対し、ケアマネジャーが作成するケアプランに位置づけられたサービスを、原則1〜3割の利用者負担で受けられる仕組みです。一方、保険外サービスにはケアプランへの位置づけは必須ではなく、対象者の要介護度や所得にかかわらず、事業者と利用者の契約に基づいて全額自己負担で提供されます。介護保険サービスが「日常生活に必要な最低限の援助」を給付の考え方の軸としているのに対し、保険外サービスは掃除・調理・外出支援といった生活の質に関わる幅広いニーズに応えられる点が違いです。
混合介護とは
混合介護とは、介護報酬の対象となる保険内サービスと、対象外の保険外サービスを組み合わせて提供することを指します。たとえば訪問介護の生活援助の前後の時間や合間に草むしりやペットの世話を行ったり、外出介助のあとにそのまま趣味・娯楽の場への同行を続けたり、通院等乗降介助の後に保険外の院内介助を追加したりするケースが想定されています。こうした組み合わせ提供は、平成29年6月9日に閣議決定された規制改革実施計画を受け、厚生労働省が前述の通知で取り扱いを整理しました。
訪問介護の生活援助で対象外となる行為
訪問介護のうち、身体介護以外の掃除・洗濯・調理などを行うサービスは「生活援助」と呼ばれます。厚生労働省が示した老計第10号「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」では、生活援助は利用者が単身である場合、または家族が障害・疾病などのために家事を行うことが困難な場合に行われる、日常生活上の援助と定義されています。あわせて、平成12年11月16日付の老振第76号「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」の別紙で、生活援助として算定できない具体的な行為が示されています。
「直接本人の援助」に該当しない行為
前述の通知の別紙では、次のような行為は「直接本人の援助」に該当しないため生活援助として算定できないとされています。
- 利用者以外の家族の分の洗濯・調理・買い物・布団干し
- 利用者が主として使用する居室等以外の掃除
- 来客の応接(お茶や食事の準備など)
- 自家用車の洗車・清掃
同居家族の存在を前提とした家事や、利用者本人の日常生活に直接関わらない行為は、訪問介護の生活援助としては対象外という整理です。
「日常生活の援助」の範囲を超える行為
同じ別紙では、「日常生活の援助」の範囲を超える行為として、次のような例が挙げられています。
- 草むしりや花木の水やり、ペットの世話など「行わなくても支障が生じない」とされる行為
- 家具や電気器具の移動・修繕・模様替え
- 大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ
- 室内外家屋の修理やペンキ塗り、植木の剪定などの園芸
- 正月やお節句のために特別な手間をかけて行う調理
これらは日常的な家事の範囲を超える行為として、生活援助の対象外とされています。こうした行為を希望する場合は、事業者との保険外サービス契約が必要になります。
同居家族がいる場合の取り扱い
生活援助は、利用者本人の日常生活の援助を目的とするため、同居家族がいる場合は原則として算定できません。ただし、同居家族が障害や疾病などの「やむを得ない事情」により家事を行うことが困難な場合、たとえば長時間就労のため事実上独居に近い状態にある場合などは、ケアプランへの位置づけを前提に算定が認められることがあります。一方で「忙しい」「家事が苦手」「頼みづらい」といった理由は、やむを得ない事情として認められません。この取り扱いは複数の自治体が生活援助の留意事項として周知しています。
介護保険サービスの利用者負担・支給限度額との比較
保険外サービスの利用を検討する際は、まず介護保険サービス側の利用者負担の仕組みを押さえておくと判断がしやすくなります。介護保険サービスには「利用者負担割合」と「区分支給限度基準額」という2つの上限の考え方があります。
利用者負担割合(1〜3割)
介護保険サービスを利用した場合の利用者負担は、原則としてかかった費用の1割です。ただし、一定以上の所得がある方は2割、現役並み所得がある方は3割の負担となります。負担割合は所得に応じて判定され、負担割合証によって本人に通知されます。
区分支給限度基準額を超えた分は全額自己負担
介護保険サービスには、要介護度ごとに1か月あたりの利用限度額(区分支給限度基準額)が定められています。月額の目安は、要支援1が50,320円、要支援2が105,310円、要介護1〜5は167,650円から362,170円までの範囲です。この限度額の範囲内であれば1〜3割の自己負担で利用できますが、限度額を超えてサービスを利用した部分は、介護保険の給付対象外となり全額自己負担になります。保険外サービスは、この限度額を超えて追加のサービスを受けたい場合の選択肢のひとつにもなります。
出典:介護サービス情報公表システム(厚生労働省)「サービスにかかる利用料」をもとに作成。図は要支援1・2、要介護1、要介護5の4区分を示しています。要介護2〜4の限度額は、要介護1(167,650円)と要介護5(362,170円)の間で段階的に増加します。この限度額の範囲内は1〜3割の利用者負担で済みますが、超えた分は全額自己負担になります。
混合介護を利用する際の5つのルール(2018年厚労省通知)
前述の通知は、保険内サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する際、事業者が満たすべき要件を整理しています。具体的には、次の5点が事業者に求められています。
- 保険外サービスの目的・運営方針・利用料等を運営規程とは別に定めること
- 契約締結時に重要事項を文書で説明し利用者の同意を得ること(保険外サービスの提供時間は訪問介護の提供時間には含めないこと)
- 契約の締結前後にケアマネジャーへ報告すること
- 利用者の認知機能低下に配慮し、どこからが別サービスかを利用者に分かるようにすること
- 訪問介護の利用料とは別に費用を請求し、会計も区分すること
同一時間帯の同時一体的な提供は認められない
この通知では、利用者本人分の料理と同居家族分の料理を同時に調理するといった、保険内サービスと保険外サービスを同一時間帯に同時一体的に提供することは認められないと明確にされています。訪問介護の前後や合間に保険外サービスを続けて行うこと自体は可能ですが、ひとつの行為の中で保険内・保険外の作業を混在させることはできません。利用者から見てどこまでが介護保険の給付対象で、どこからが自費なのかが明確に区分されている必要があります。
契約・重要事項説明とケアマネジャーへの報告
保険外サービスを提供する場合、事業者は利用者との契約締結時に重要事項説明書などの文書で内容・料金・提供時間を説明し、同意を得る必要があります。あわせて、契約の締結前後にケアマネジャーへ内容を報告することが求められています。これは、ケアプラン全体の中で保険外サービスがどのように位置づけられているかをケアマネジャーが把握し、他のサービスとの重複や利用者の負担が過大にならないよう調整する役割を担っているためです。
上乗せ料金は現時点で認められていない
「特定の介護職員を指名する場合の指名料」や「繁忙期に時間を指定する場合の指定料」のような、保険内サービスに上乗せして徴収する料金については、公平性の観点から現時点では認められていません。混合介護というと、お金を払えば介護保険サービスの利用条件そのものが柔軟になるイメージを持たれることがあります。しかし、通知が認めているのはあくまで保険内・保険外サービスを時間的に区分して組み合わせる方法であり、保険内サービスの提供条件自体に上乗せ料金で融通を利かせる仕組みではない点に注意が必要です。
自治体独自の「横出しサービス」「上乗せサービス」とは
ここまでの混合介護は事業者との契約にもとづく仕組みですが、これとは別に、市区町村が独自に上乗せする公的な制度もあります。市区町村は、条例によって独自に「上乗せサービス」「横出しサービス」を実施できます。これらは市町村特別給付や保健福祉事業と呼ばれる仕組みで、財源は主に65歳以上の被保険者(第1号被保険者)が納める介護保険料です。全国一律の介護保険給付に地域の実情に応じた上乗せ・横出しを行うことで、地域包括ケアシステムの一部として高齢者の在宅生活を支える役割を担っています。
横出しサービスとは
横出しサービスとは、国の介護保険給付の対象になっていないサービスを、市区町村が条例で独自に保険給付(市町村特別給付)や保健福祉事業として実施するものです。紙おむつの支給、配食サービス、寝具の乾燥・クリーニング、外出支援、訪問理美容などが代表例で、対象となる要介護度や所得要件、自己負担額は自治体によって異なります。愛知県高浜市の例では、介護保険施設等に入所していない要支援・要介護者を対象に、要介護度に応じて支給額が異なる居宅介護支援券(要介護4・5は5万円、要介護1〜3は2万円、要支援は1万円、自己負担1〜3割)や、介護保険の住宅改修費20万円とは別枠の市独自の住宅改修費補助(原則10万円、要介護4・5は30万円)が実施されています。
上乗せサービスとは
上乗せサービスとは、国が定める要介護度別の支給限度基準額そのものを、市区町村が条例で引き上げるものです。高浜市では要介護3以上を対象に、国基準の支給限度単位数に1.05を乗じた額を市の限度額とする上乗せを実施しており、要介護5では国基準36,217単位に対し市の限度額は38,027単位です。この財源は第1号被保険者の介護保険料でまかなわれ、高浜市の第9期の月額保険料6,052円のうち63円相当がこの上乗せの財源分とされています。同様の上乗せサービスを全国で実施しているのは高浜市を含め9団体にとどまり、保健福祉事業を実施しているのは303団体(19.3%)です。上乗せ・横出しサービスの実施状況は自治体によって大きく異なります。
介護予防・日常生活支援総合事業との違い
介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスB・Dなどは、市町村の地域支援事業の枠組みで、主に要支援者や事業対象者を対象に、住民主体の活動などを活用しながら提供される仕組みです。これに対し、本記事で扱う保険外サービス(横出し・上乗せサービスや民間の自費サービス)は、要介護度にかかわらず事業者と利用者の契約に基づいて全額自己負担で提供される点が異なります。財源・対象者・提供の枠組みが異なるため、どちらの制度を利用できるかは、お住まいの市区町村や地域包括支援センターに確認することが確実です。
横出しサービスの費用の目安(自治体の実例)
横出しサービスの内容・対象者・自己負担額は自治体ごとに条例で定められているため、全国一律ではありません。ここでは紙おむつ支給と配食・寝具乾燥・外出支援について、複数の自治体の実例を紹介します。あくまで一例であり、お住まいの市区町村で内容が異なる点にご注意ください。
紙おむつ支給の例
横浜市の高齢者紙おむつ給付事業は、要介護4・5の方、または要介護1〜3で福祉保健センター長が必要と認めた方のうち、生活保護受給世帯または市民税非課税世帯を対象に、給付月額の上限を要介護4・5は8,000円、要介護1〜3は6,000円とし、自己負担は給付額の1割(生活保護世帯は無料)としています。滋賀県大津市の紙おむつサービスは、要介護1〜5の低所得層を対象に月額4,500円分を給付し、自己負担は無料です。奈良市の在宅要介護者紙おむつ等支給事業は、要介護4・5で本人と同居者全員が市民税所得割非課税の世帯を対象に、月額3,500円を限度に完全無料で支給しています。
出典:横浜市「高齢者紙おむつ給付事業」、滋賀県大津市「高齢者の生活支援サービスについて」、奈良市「在宅要介護者紙おむつ等支給事業」をもとに作成。対象となる要介護度・所得要件・自己負担割合は自治体ごとに異なります(横浜市は給付額の1割自己負担、大津市・奈良市は自己負担無料)。
| 自治体・対象 | 対象要件(所得・要介護度) | 自己負担割合 |
|---|---|---|
| 横浜市(要介護4・5) | 生活保護受給世帯または市民税非課税世帯 | 給付額の1割(生活保護世帯は無料) |
| 横浜市(要介護1〜3) | 福祉保健センター長が必要と認めた方のうち、生活保護受給世帯または市民税非課税世帯 | 給付額の1割(生活保護世帯は無料) |
| 大津市(要介護1〜5) | 低所得層 | 無料 |
| 奈良市(要介護4・5) | 本人と同居者全員が市民税所得割非課税 | 無料 |
配食・寝具乾燥・外出支援の例
大津市・常滑市を例に、配食・寝具乾燥・外出支援などのサービス内容と費用をまとめると、次のとおりです。
| 自治体 | サービス | 費用 | 頻度・条件 |
|---|---|---|---|
| 大津市 | 配食サービス(普通食) | 500円以下 | 週5日まで |
| 大津市 | 配食サービス(特別食) | 720円以下 | 週5日まで |
| 大津市 | 寝具丸洗いサービス(綿の寝具) | 400円 | 要介護1〜5、年1回 |
| 大津市 | 寝具丸洗いサービス(羽毛の寝具) | 600円 | 要介護1〜5、年1回 |
| 常滑市 | 配食サービス | 1食450〜550円 | - |
| 常滑市 | 外出支援サービス(通院送迎想定) | 無料 | - |
| 常滑市 | 寝具乾燥クリーニング | 1枚430円 | 年4回まで |
| 常滑市 | 訪問理髪 | 1回1,000円 | 年4回以内 |
いずれも要介護度や所得要件などの利用条件があるため、詳しい対象範囲は各自治体の窓口で確認が必要です。
自治体によって内容・費用が異なる理由
横出しサービスは、国の介護保険給付とは別に、市区町村が条例に基づき独自の財源(主に第1号被保険者の介護保険料)で実施する事業です。そのため、対象となる要介護度、所得要件、給付額、自己負担割合は自治体ごとの判断に委ねられており、全国共通の基準はありません。前述のとおり保健福祉事業の実施率は2割に満たないというデータもあり、そもそも横出しサービス自体を実施していない自治体もあります。転居や引っ越しの際は、これまで利用できていたサービスが転居先では受けられない、あるいは条件が異なる場合があるため、事前に転居先の市区町村へ確認することが大切です。
民間の保険外サービス(自費サービス)の費用感
自治体の横出しサービスとは別に、民間の事業者が提供する保険外サービス(家事代行、保険外の訪問介護、見守り、外出付き添いなど)を契約して利用する方法もあります。これらは事業者と利用者の直接契約に基づく全額自己負担のサービスで、公的な統一料金表があるわけではありません。
料金は事業者・地域によって幅がある
民間の保険外サービスの料金は、提供する事業者や地域、サービス内容(時間単位か回数単位か、交通費を含むかなど)によって幅があります。全国一律の相場を示す公的な統計は確認できないため、本記事では具体的な円額は示しません。実際の費用を把握するには、いくつかの具体的な方法があります。すでにケアマネジャーが決まっている場合は、ケアマネジャー経由で複数の事業者に見積もりを依頼すると、地域の相場感をつかみやすくなります。ケアマネジャーがまだいない場合や、どの事業者が保険外サービスを行っているか分からない場合は、地域包括支援センターに問い合わせると、地域で保険外サービスを提供している事業者の情報を確認できることがあります。気になる事業者が見つかったら、複数の事業者から見積もりを取り、内容と料金を比較したうえで契約を検討することが大切です。
契約前に確認したいポイント
民間の保険外サービスを契約する前には、次の3点を書面で確認することが重要です。
- サービス内容の範囲(どこまでの家事・付き添いが含まれるか)
- 料金の計算方法(時間単価・最低利用時間・交通費・キャンセル料の有無)
- 事業者の運営実態(訪問介護事業所が併設で行っているのか、別の事業者が単独で行っているのか)
混合介護として訪問介護の前後に組み合わせて利用する場合は、契約締結前後にケアマネジャーへ報告することが事業者に求められているため、契約時にケアマネジャーへの相談状況を聞いてみるのもひとつの確認方法です。また、保険外サービスは業界横断の統一資格や許認可制度が整備されているわけではありません。そのため、事業者の説明内容を鵜呑みにせず、重要事項説明書や契約書の記載を自分の目で確認し、不明点はその場で質問して解消してから契約することが望まれます。
保険外サービスの相談窓口
保険外サービスをどこで、どう探せばよいか迷ったときは、まず身近な公的な相談窓口に相談することができます。代表的な窓口は地域包括支援センターとケアマネジャー(居宅介護支援事業所)です。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、市町村が設置主体となり、直営または社会福祉法人・医療法人などへの委託によって運営されている高齢者の総合相談窓口です。総合相談支援、権利擁護、包括的継続的ケアマネジメント支援、介護予防ケアマネジメントの4つの機能を担っており、令和7年4月末現在、全国に5,487か所(支所を含めると7,374か所)設置されています。介護保険サービスだけでなく、お住まいの市区町村が実施している横出しサービスの案内も、地域包括支援センターで相談できます。
ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)
すでに要介護認定を受けてケアマネジャーが決まっている場合は、ケアマネジャーへの相談が窓口になります。厚生労働省の運営基準では、ケアマネジャーは居宅サービス計画の作成にあたり、介護給付等の対象となるサービスだけでなく、それ以外の保健医療・福祉サービスや、住民の自発的な活動によるサービスなども含めて計画に位置づけるよう努めることとされています。また、前述の通知では、訪問介護員が保険外のニーズに気づいた場合、居宅介護支援事業者または市町村に連絡し、市町村の軽度生活援助事業・配食サービス、NPOなどの住民参加型福祉サービス、ボランティアの活用を助言することとされています。混合介護のルールでも、保険外サービスの契約締結前後にケアマネジャーへ報告することが事業者に求められているため、保険外サービスの利用を考えたときは、まずケアマネジャーに相談するとよいでしょう。
保険外サービス利用時の注意点
保険外サービスを利用する際に、あらかじめ知っておきたい注意点を3つ紹介します。
ケアプランに位置付けなくても契約はできる
保険外サービスは、介護保険のケアプランに必ず位置づけなければ利用できないわけではありません。前述の通知でも、保険外サービスは利用者と事業者との契約に基づき、保険給付対象サービスと明確に区分したうえで、利用者の自己負担で提供することが可能とされています。ただし、混合介護として訪問介護と組み合わせて提供する場合は、前述のとおり契約締結前後にケアマネジャーへの報告が事業者に求められています。ケアプランに位置づけられていなくても、ケアマネジャーに状況を共有しておくと、他のサービスとの調整がしやすくなります。
「留守番」など判断に迷う行為は事業者に確認する
「外出中の留守番をお願いできるか」といった行為について、生活援助として算定できるかどうかを直接明記した国の通知は確認できませんでした。前述の通知で示されている「行わなくても日常生活に支障が生じない行為は対象外」という考え方に近いと考えられますが、断定はできません。こうした判断に迷う依頼は、担当のヘルパーや事業者、あるいはケアマネジャーに直接確認し、保険内で対応できるのか、保険外サービスとして契約が必要なのかを事前にはっきりさせておくと安心です。
制度は改定されることがある
介護保険制度は3年ごとに見直しが行われ、報酬改定や運営基準の変更が行われます。混合介護の取り扱いや、自治体の横出し・上乗せサービスの内容も、今後の制度改正や各自治体の予算・条例改正によって変更される可能性があります。本記事の内容は執筆時点の情報にもとづいていますので、実際に利用する際は、最新の情報を市区町村の窓口やケアマネジャーに確認してください。特に横出しサービス・上乗せサービスは各自治体の予算状況に左右されやすく、年度によって対象要件や支給額が見直されることがあるため、毎年度の広報やホームページで最新の情報を確認する習慣を持つと安心です。
まとめ
- 介護保険外サービスは、介護保険の給付対象外となる生活支援を、事業者との契約にもとづき全額自己負担で利用するサービスである
- 混合介護は、2018年の厚労省通知が示す5つの要件(保険外サービスの規程整備、契約・重要事項説明、ケアマネジャーへの報告、利用者の認知機能低下への配慮、費用の区分請求)を満たして行われる
- 自治体独自の横出しサービス・上乗せサービスは、対象となる要介護度や自己負担額が市区町村ごとに異なるため、お住まいの窓口での確認が必須である
- 介護保険サービスの区分支給限度基準額(月額50,320円〜362,170円)を超えた分は全額自己負担となり、保険外サービスが選択肢のひとつになる
- 利用を検討する際は、地域包括支援センターやケアマネジャーにまず相談し、制度は改定されうることを念頭に置く
介護保険外サービスの制度や自治体の取り組みは今後も変わる可能性があります。かいごの窓では、施設やサービスの評価・比較は行わず、公的機関の情報にもとづいて中立的にお伝えしています。詳しくはこのサイトの立ち位置をご覧ください。