こんにちは!介護福祉士の木蓮です!
今日は、書道の先生がボランティアでやってきたお話しをしたいと思います。

 それは、ある水曜日のお昼過ぎのことでした。見知らぬ50代くらいの女性が突然やってきました。その女性は、近所で書道教室を開いている先生で、子供たちを対象に書道を教えているとのこと。たまたま、このグループホームを近所の散歩中に見かけて、気になっていたようです。そこで、ボランティアで書道を教えたいと訪ねてきたそうです。

 突然始まった書道教室に、入居者様たちは戸惑いを隠せませんでしたが、昔を思い出したのか、次第に真剣な眼差しで筆を滑らせるようになりました。先生のお手本には『水鳥』、『秋風』など、少々難しい字が書いてありました。

 そのなかで一人だけ筆を握れず、じっと下を見ている人がいました。男性入居者のDさんです。Dさんは、幼少期に家庭の事情で小学校にもほとんど通えず、簡単な字を「読むこと」は出来ても、「書くこと」は全く出来ないと言っても過言ではありませんでした。当然のようにDさんは、他の入居者様のように「難しいね」と言いながらも、字が書けるというスタートラインにも立てていません。きっと、心のどこかで恥ずかしい気持ちになったのでしょう。黙って部屋へ戻って行ってしましました。また、先生の採点もなかなか厳しく、せっかく皆が頑張って書いた字に朱色の墨で訂正していきました。その様子を管理者は黙って見ていました。

 次の週の水曜日、書道教室の時間になり、その日のお手本は『三』と『水』でした。先週とは打って変わって簡単な字になっていました。先生はあの後、管理者より「書道教室ではないので、字が上手になることを前提にするのではなく、楽しみを持つことを目標にして教えて頂きたい」と説明されたようでした。先生も認知症の方について勉強をしたようです。Dさんも遠くから様子をチラチラ見ていて気になっていました。先生に、
「Dさんも一緒にどうですか?」
と声をかけられ、参加することになりました。半紙いっぱいに、はみ出るくらいの大きさで『三』という文字を書きました。
「Dさん、元気いっぱいで良いですね!」
と褒められ、朱色の墨で大きな花丸をもらいました。少し照れながら、頭をかいて笑っていました。人生初の書道は大成功でした!

 さて、次回は「入居者様が喜んだ意外な料理??」についてです。お楽しみに!
ブログ内検索
Search This Blog
ブロガープロフィール
Blogger Profile

hasegawa-kuwana

性別:
お住いの地域:
趣味:

自己紹介

HP

最新記事
New Post
カテゴリー
Category
PAGE TOP