第6回『認知症になっても、本当は生きがいが欲しい!』

こんにちは!介護福祉士の木蓮です。
山の紅葉が素敵な季節になって来ましたね。皆さんは紅葉を観に行く予定はありますか?

今日は、ホームで紅葉狩りに行った時のお話しをしたいと思います。
ホームに、Uさんという女性入居者様がいました。Uさんは、昔、中学校で美術の先生をしていて、大会でも賞を獲るほどの腕がありました。しかし、認知症になってからは、昔のように思うように絵を描くことが出来ず、パタッと辞めてしまったそうです。生きがいを失ったUさんは、いつも皆の輪の中には入らず、ぼーっとしていました。時折、スタッフが絵の具のセットを持って来て、「また絵を描いてみませんか?」と勧める事もありました。しかし、「もう嫌よ。だって昔のように描けないもの。」と断っていました。過去の腕前と現在の描く絵に、大きな差がある事が分かっていたので、拒んでいたようです。それから、スタッフも無理に誘う事はありませんでした。

そんなある晴れた日、ホームで、近隣の大きな公園に紅葉を観に行こうという事になりました。Uさんは「面倒くさいから、私は行かないよ。」と出発ギリギリまで行くのを拒んでいましたが、「みんな出かけるから、一人でお留守番になりますよ。」と話すと、やっぱりひとりぼっちは嫌なのでしょう。「わかったわよ。」と仕方なさそうに一緒に行く事になりました。

  公園の木々は、全ての葉が、赤や黄色に染まり、とても綺麗でした。まるで絵はがきの写真のように鮮やかな光景でした。初めは乗り気ではなかったUさんも、「…素敵ね…。」と言葉は少ないけれど、その景色の美しさに圧倒されていました。Uさんは、最後まで紅葉を目に焼き付けるように見つめていました。

後日、スタッフが紅葉狩りの時の写真を、入居者様に見せました。Uさんは、「これ貸してくれる?」と言い、一枚の写真を指差しました。青空と紅葉の写った写真でした。そして、スタッフに色鉛筆と大きめの白い紙が欲しいと頼みました。
それらをお渡しすると、サラサラと写真と同じ光景の絵を描きました。「もう筆で絵は描けないけれど、色鉛筆なら、まだ出来そうな気がするの…。」と、真剣なまなざしで写真を見ながら呟きました。
Uさんの素敵な紅葉の絵は、その後しばらくの間、ホームの廊下に飾っていました。

次回は「不器用な男性入居者様と、男性スタッフの友情物語」です。お楽しみに!
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