こんにちは、介護福祉士の木蓮です。

今日は、入居者Cさん(仮名)のお話をしたいと思います。Cさんは当時70代の女性でした。とても物静かで、猫が大好きな入居者様でした。ホームに来る前は、自宅で黒い猫を飼っていたようです。名前は、クロちゃんという雌猫でした。ホームに来てから、毎日クロちゃんの写真を眺めて「会いたい。」と淋しそうに言っていました。

Cさんは幻覚が見える認知症の症状を持っていました。いわゆる『せん妄』です。夜間、せん妄は現れることが多く、突然バッと起き出し、「ちょっと。今、クロちゃんがいたでしょ?どこに行ったの?」と、スタッフに尋ねる事もしばしばありました。よほどクロちゃんに会いたかったのでしょう。否定する事は、どの認知症の症状でも良い結果にはなりません。『受容と共感』が福祉の世界では重要になります。そのため、「クロちゃんは、今、疲れて眠っていますよ。せっかくだから、気持ちよく寝かせてあげましょう。」などと言うと、「そうね。」と言い、Cさんも廊下にあるソファで一休みして、またお部屋に戻って眠ります。

もし、ここで「クロちゃんなんか、いる訳ないでしょ!何を言ってるんですか?」と、否定かつ高圧的な態度をとると、きっとCさんは「アンタこそ、何言ってるの?」と、怒りを露わにして、怒りを鎮めるのに大変な状態になったと思います。
これは、例えばご飯を食べたばかりなのに、「お腹が空いた。まだ食べていない。何かちょうだい。」と言って来た時などにも同じ事が言えます。ここで「さっき食べたでしょ?」と、怒ってはいけません。小腹が空いているようであれば、何か小さなおにぎりや、ソフトせんべいなどを差し上げるようにしてみましょう。小出しで食事を提供するのも一つの手です。何かを口にすれば、たいていの方は満足します。

介護をする人は、怒りたいことも沢山出てくると思いますが、まずは一度、要介護者の方のお話しに耳を傾けてみましょう。そして、否定をせずにお話しを最後まで聴き、時には、話しを合わせることが大事です。難しいとは思いますが、時には演技も必要です。自分が役者になったつもりで、是非上手く『介護者』を演じてみて下さい。

次回は、認知症高齢者と赤ちゃんの不思議な繋がりについてのお話です。お楽しみに。
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